AIで返却率が3倍にアップ!忘れ物が“お得な買い物”に変わる最新の取り組みとは
2025年4月21日(月)放送予定のNHK「午後LIVEニュースーン」(午後5時〜6時)では、これからの大型連休に向けて注意したい「落とし物・忘れ物の最新事情」が特集されます。連休中は旅行や外出が増えることで、忘れ物も増加する傾向にあります。そうした背景の中、AIを使って返却率を3倍にまで上げた鉄道会社の取り組みや、持ち主が現れなかった落とし物を“掘り出し物”として販売するユニークな試みが紹介される予定です。放送後には内容をもとに、さらに詳しい情報を追記する予定です。
AIが変えた忘れ物対応の現場〜京王電鉄とJR九州の挑戦〜
番組内で紹介される予定の京王電鉄とJR九州は、AI技術を活用した新たな落とし物管理システム「落とし物クラウドfind」を導入しています。このシステムは、株式会社findが開発したもので、駅で拾得された物をよりスムーズに持ち主に返すためのツールとして注目を集めています。
仕組みとしては、まず駅係員が落とし物の写真を撮影し、それをAIが解析して特徴を自動でテキスト化します。この作業には「find scan」という機能が使われます。登録された情報は、利用者と係員双方がアクセス可能なデータベースに蓄積されており、「find search」によって検索できます。利用者はスマートフォンのLINEアプリを通じて、「find chat」というチャット形式の窓口から問い合わせができ、写真やキーワードを送ることで、自分の忘れ物を簡単に照会できるようになっています。
この仕組みの導入前、返却率はわずか8〜10%ほどでした。しかし導入後は、およそ30%という高い返却率を記録するようになりました。たとえば京王電鉄では、月に約16,000件発生する落とし物のうち、およそ6,000件が無事に持ち主の元へ返されているというデータがあります。
さらに注目すべきは、業務の効率化です。駅の窓口や電話による対応件数が大幅に減少し、京王電鉄では約30%、JR九州ではなんと約80%も問い合わせ件数が削減されました。1件あたりの対応時間も京王で約75%、JR九州で約60%短縮されており、現場の負担も大きく軽減されています。
この取り組みは評価も高く、内閣府が主催する「Digi田甲子園」では、内閣総理大臣賞を受賞しました。現在では、他の鉄道会社やショッピングモールなどにもこのシステムの導入が広がりつつあり、忘れ物対応のあり方そのものが大きく変わろうとしています。
忘れ物は“捨てる”から“再利用”へ〜鉄道忘れ物市の新たな魅力〜
持ち主が現れなかった忘れ物は、一定期間の保管を経て処分されるのが一般的でした。しかし今、その忘れ物に新たな価値を見出す取り組みが始まっています。それが「鉄道忘れ物市」と呼ばれる再販イベントです。
この忘れ物市では、駅や電車内に置き去りにされた傘や衣類、カバン、スマートフォンの周辺機器、アクセサリーなど、さまざまな品が格安で販売されます。多くは一般的な日用品ですが、中には未使用のアイテムやブランド品が含まれていることもあり、訪れた人たちは掘り出し物探しを楽しんでいます。
これらのイベントは、東京の錦糸町マルイや、神奈川県のイオンフードスタイル三ツ境店などで開催されており、毎回大勢の来場者が集まっています。主催者のSNSやショッピングモールの告知ページで開催日が案内されるため、こまめにチェックしておくとよいでしょう。
また、遠方で会場に行けない人向けに、オンラインショップによる販売も始まっています。たとえば埼玉県熊谷市にある「ウィット」では、傘やアパレル、ガジェットなどの忘れ物をネット販売しており、全国どこからでも購入が可能です。
このように、従来なら廃棄されていた忘れ物が、“使える資源”として再利用される流れができています。これはエコで持続可能な社会を実現するためにも非常に意義のある取り組みであり、「忘れ物=無駄」という常識を覆すものになりつつあります。
まとめ
今回の放送では、AI技術を活用して効率的に返却を進めるシステムと、忘れ物を再販して資源として循環させる仕組みの両方が紹介される予定です。私たちにとって身近な“忘れ物”が、社会を変える力になるかもしれません。放送後には、現場の様子や登場する実例なども詳しく反映してまいります。
放送の内容と異なる場合があります。
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