きょうの料理「はじめての手仕事」冬のきんかん活用レシピ
冬に旬を迎えるきんかんは、鮮やかなオレンジ色が美しく、皮ごと食べられるのが特徴の柑橘類です。小ぶりながらも、ビタミンCやポリフェノールが豊富で、風邪予防や美肌効果が期待できます。そんな栄養たっぷりのきんかんを、より美味しく、長く楽しむための保存レシピが今回の「きょうの料理」で紹介されました。
今回は、「きんかんのしょうが甘酢煮」と、もうひとつのスパイスを使ったレシピが登場。しょうがを加えることでさっぱりとした甘さに仕上げた甘酢煮は、そのまま食べるのはもちろん、料理のアクセントとしても使える万能な一品です。
もうひとつのレシピ(スパイスジャム)は、香り豊かなスパイスを加えて、新たな楽しみ方を提案するもの。酸味と甘みのバランスが良く、今までにない味わいが広がります。
どちらも簡単に作れて保存が可能なので、旬のきんかんを余すことなく活用できます。
きんかんのしょうが甘酢煮の作り方
✔ 保存期間:冷蔵庫で1か月間
✔ 材料(つくりやすい分量)
- きんかん 約15個(250g)
- グラニュー糖(きんかんの重量の70%) 175g
- しょうが(皮をむいて薄切り) 4枚
- 酢 3/4カップ
- 水 1/2カップ
✔ 作り方
① きんかんの下ごしらえ
- きんかんはよく洗い、竹串でヘタを取り除く。
- 縦に4〜5か所切り込みを入れ、種が取りやすくなるように準備する。
② 湯通しでアク抜き
- 鍋に湯を沸かし、きんかんを入れて中火で2分間ほどゆでる。
- ざるに上げ、ボウルに移して2〜3回水を替えながら10分ほどさらす。
- 水気をしっかり拭き、切り込みから竹串で種を取り除く。
③ 甘酢で煮る
- 鍋に【A】(グラニュー糖・しょうが・酢・水)を入れて火にかけ、煮立たせる。
- きんかんを加え、オーブン用の紙で落としぶたをし、さらに鍋のふたを少しずらしてかぶせる。
- 弱火で10分ほど煮る。
④ 保存する
- 煮沸消毒した保存瓶に入れ、粗熱を取る。
- ふたをして冷蔵庫で保存する。
✔ ポイント
- きんかんは切り込みを入れることで味がしみ込みやすくなる。
- 湯通しすることでアクが抜け、苦味が和らぐ。
- 甘酢煮のシロップはドレッシングやソースとしても活用可能。
鶏手羽中ときんかんの甘酢煮の作り方・レシピ(詳細解説)
1. 手羽中の下ごしらえをする
鶏手羽中は、しっかり味が染み込みやすいように身側に縦に1本切り込みを入れる。これにより、煮込んだときに肉がふっくらと仕上がり、味の馴染みもよくなる。
✔ ポイント
・切り込みを入れることで火の通りも均一になり、短時間でしっとり柔らかく仕上がる
・余分な脂が出るので、煮汁にコクが加わる
・しょうゆ小さじ1(分量外)をまぶして下味をつけ、臭みを取る
2. フライパンで香りを引き出す
フライパンにごま油小さじ2を入れ、つぶしたにんにく1かけ分を加えて弱火で炒める。じっくりと香りを引き出すことで、鶏肉に風味がしっかりと移る。
✔ ポイント
・にんにくは焦がさないように注意する
・弱火でじっくり加熱すると、油に香りがしっかり移る
3. 手羽中を焼いて旨みを閉じ込める
・フライパンを中火にし、手羽中を皮側を下にして1分30秒焼く。
・上下を返し、さらに1分30秒焼いてこんがりとした焼き色をつける。
✔ ポイント
・焼き色をしっかりつけることで香ばしさが増し、煮込んだときに旨みが逃げにくくなる
・皮の部分にこんがりと焼き色がつくことで、煮汁の絡みがよくなる
4. 煮汁を加えて煮込む
・酒大さじ2をふりかけ、アルコールを飛ばすように少し煮る
・水カップ1+1/2、きんかんのシロップ(しょうがを含む)、しょうゆ大さじ1+1/2を加え、ふたをして弱めの中火で8分煮る
✔ ポイント
・水分を加える前に酒をふることで、鶏肉の臭みが消える
・火加減は弱めの中火をキープすると、鶏肉がパサつかずにしっとり仕上がる
・ふたをすることで、蒸し煮状態になり、鶏肉が柔らかくなる
5. 仕上げにきんかんを加える
・8分煮たらふたを取り、きんかん6コを加えてさらに2分煮る
・きんかんの甘酸っぱさが煮汁に溶け込み、まろやかな甘酢煮に仕上がる
✔ ポイント
・きんかんは長く煮込みすぎると形が崩れるため、最後に加えるのがコツ
・甘酢の風味を引き立たせるため、火加減はやや強めにする
6. 煮汁を煮詰めて仕上げる
・火を強めて煮汁がトロリとするまで煮詰める
・照りが出てきたら火を止め、器に盛りつける
✔ ポイント
・煮汁がとろみを帯びるまでしっかり煮詰めることで、鶏肉ときんかんに甘酢の味がしっかり絡む
・火を止めるタイミングは、煮汁が全体にまとわりつくくらいがベスト
7. 盛り付けと仕上げ
・手羽中ときんかんをバランスよく盛り付け、煮汁を回しかける
・お好みで白ごまをふると、香ばしさがプラスされてさらに美味しくなる
このレシピでは、きんかんの爽やかな甘酸っぱさと鶏手羽中の旨みが絶妙にマッチ。ご飯との相性も抜群で、冷めても美味しく、お弁当のおかずとしてもおすすめです。
きんかんスパイスジャムの作り方・レシピ(詳細解説)
1. きんかんの下ごしらえ
・きんかんはよく洗い、ヘタを除く。
・鍋にたっぷりの湯を沸かし、中火で2分間ほどゆでる。これにより、きんかんの苦みが和らぎ、食べやすい風味に仕上がる。
✔ ポイント
- 皮の渋みを取るため、短時間ゆでることが重要
- 長くゆでると風味が飛んでしまうので注意
- お湯から取り出した後、すぐに水にさらすことで、さらに苦みが抜ける
・ざるに上げたら、ボウルに移し、途中で2~3回水をかえながら10分ほど水にさらす。
・水気を拭き、横半分に切る。果肉をつぶすようにして取り出し、皮に残った果肉もスプーンでしっかりかき出す。
✔ ポイント
- 果肉と皮を分けることで、ジャムにしたときに口当たりが滑らかに
- 皮は細かく刻むことで、均一な食感に仕上がる
2. きんかん果肉の煮出し
・取り出した果肉の重さを量り、2倍の重さの水を加えて強火にかける。
・煮立ったら中火にして15分ほど煮る。この間に果肉が柔らかくなり、果汁がしっかりと出る。
✔ ポイント
- 強火にかけるとアクが出るので、こまめに取り除く
- 煮すぎると果肉が崩れすぎてしまうため、15分を目安にする
・ボウルに重ねたざるにあけ、耐熱のゴムベラで果肉をつぶすようにこす。ここで得られた果汁を使うことで、ジャムに濃厚な風味が加わる。
✔ ポイント
- ゴムベラを使うことで、無駄なく果肉のエキスを抽出できる
- ザルに残った繊維質は、なめらかな口当たりにするため取り除く
3. ジャムの仕上げ
・こした果汁の重さと、刻んだ皮の重さを量り、グラニュー糖を加えて中火にかける。
・煮立ったらアクを取り、時々混ぜながら約10分間、焦げないように中火~弱めの中火で煮る。
✔ ポイント
- グラニュー糖の量は、果汁と皮の合計重量の**半量(120~140g)**がベスト
- 弱めの火でじっくり煮ると、甘みが均一に広がり、なめらかな舌触りに
・仕上げにレモン汁小さじ1を加えてひと混ぜする。レモンの酸味がジャムの風味を引き締め、保存性を高める効果もある。
✔ ポイント
- ジャムの甘みを引き締めるためにレモン汁は必須
- 仕上げに加えることで、香りが飛ばずにフレッシュな味わいが楽しめる
4. スパイスを加えて保存
・煮沸消毒した保存瓶(100ml)2つを用意し、1つにはシナモンスティック1/2本、もう1つにはカルダモン2枚を入れる。
・熱いうちにジャムを等分に注ぎ入れ、すぐにふたを閉める。
✔ ポイント
- スパイスをホールのまま入れることで、香りがジャムにゆっくりと馴染む
- 煮沸消毒した瓶に詰め、逆さまにして冷ますと、空気が入りにくくなり保存性が高まる
5. 保存方法と食べ方のアレンジ
✔ 保存の目安
- 未開封の状態で冷蔵庫で1か月保存可能
- 開封後は1週間以内に食べきるのがおすすめ
✔ おすすめの食べ方
- ヨーグルトに混ぜると、爽やかな酸味とスパイスの風味が楽しめる
- パンやクラッカーに塗ると、ちょっと大人の味わいに
- 紅茶に加えてフルーティーなティーシロップとして活用するのも◎
きんかんの爽やかな甘みと、スパイスの香りが絶妙に調和する「きんかんスパイスジャム」。シンプルながら奥深い味わいで、食卓をちょっと特別なものにしてくれます。
きんかんジャムのクリームチーズペーストの作り方・レシピ(詳細解説)
1. クリームチーズを柔らかくする準備
・クリームチーズは室温に戻しておくと、混ぜるときになめらかになりやすい。
・ボウルに入れ、ゴムベラやスプーンでよく練る。このとき、少し空気を含ませるようにすると、ふんわりとした口当たりになる。
✔ ポイント
- 冷蔵庫から出してすぐだと硬くて混ぜにくいため、常温に置いておく
- 急いでいる場合は、電子レンジ(200W)で10秒ほど加熱すると扱いやすくなる
- 泡立て器で混ぜると、よりクリーミーな食感に仕上がる
2. ハムと細ねぎを加える
・ロースハムはみじん切りにする。塩気がペーストのアクセントになるので、薄すぎない方がよい。
・細ねぎは小口切りにして、軽く水にさらすと辛みが和らぐ。
✔ ポイント
- ハムの塩気が味のバランスを引き締めるので、あまり細かくしすぎず適度な食感を残す
- 細ねぎの代わりに万能ねぎを使うと、より香りが立つ
- スモークハムを使うと、香ばしさが加わり、味に深みが出る
3. きんかんスパイスジャムを加える
・きんかんスパイスジャムを大さじ1加え、サックリと混ぜる。
・しっかり混ぜると一体感が出るが、少しマーブル状にするとジャムの甘さとクリームチーズのコクが際立つ仕上がりになる。
✔ ポイント
- スパイスジャムの量は好みで調整可能(甘めが好きなら大さじ1.5にしてもOK)
- ジャムを完全に混ぜずにざっくりとマーブル状にすると、口に入れたときの味の変化が楽しめる
4. 食パンの準備と仕上げ
・食パン(8枚切り)を4等分に切る。
・オーブントースターでカリッと焼く。目安は180℃で3〜4分。
・カリッと焼いた食パンにクリームチーズペーストをたっぷり塗る。
✔ ポイント
- トーストすることでサクサクの食感になり、ペーストとのバランスが良くなる
- 食パンの代わりにクラッカーやバゲットを使うと、前菜としても楽しめる
- ナッツ(クルミやアーモンド)をトッピングすると、食感にアクセントがつく
5. アレンジと保存のコツ
✔ 保存方法
- 作ったペーストは冷蔵庫で保存可能(2〜3日以内に食べきるのがベスト)
- 乾燥しないように、密閉容器に入れて保存
✔ おすすめアレンジ
- クラッカーやフランスパンに塗って、おつまみや前菜に
- ベーグルや全粒粉パンにたっぷり塗ると、朝食にもぴったり
- サンドイッチのフィリングとしても◎(レタスや生ハムと合わせると、甘じょっぱい味わいに)
きんかんスパイスジャムのフルーティーな甘みとスパイスの香り、クリームチーズのコク、ハムの塩気、ねぎの風味が組み合わさった、奥深い味わいのペースト。簡単に作れるのに、おしゃれな一品として食卓を華やかにしてくれます。
まとめ
冬の旬食材きんかんを使ったしょうが甘酢煮は、さっぱりとした甘さとしょうがの風味が魅力。料理やスイーツにも幅広く活用できる便利なレシピです。
また、もうひとつのレシピ(スパイスジャム)については詳細が分かり次第、追記します。
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