NHK【イゾラド“大集団”出現】アマゾンの未接触部族が10年ぶりに姿を現した理由とは？森林破壊・気候変動がもたらす影響と現地ルポ｜2025年2月24日

イゾラド“大集団”出現〜アマゾンの奥地を行く〜｜2025年2月24日放送【NHK】

2025年2月24日放送のNHK「イゾラド“大集団”出現〜アマゾンの奥地を行く〜」では、南米アマゾンの奥地で文明社会と接触を持たずに暮らしてきた未知の人々・イゾラドの姿が10年ぶりに捉えられたことが紹介されました。彼らはこれまで外の世界と交わることなく、森の奥深くで独自の文化を守ってきました。しかし、今回の番組では、彼らが突如として外の世界に姿を現し、集落と接触するようになった経緯と背景を追っています。

イゾラドの出現は単なる偶然ではなく、長年にわたる環境破壊や外部の人間の影響が関係しているとみられています。特に、違法伐採を行う業者との衝突が、彼らの行動を変えてしまった可能性が指摘されています。なぜイゾラドは今になって私たちの前に現れたのか、その謎を紐解いていきます。

イゾラドとは？

イゾラドとは、南米アマゾンの深い森の中で、外部との接触を持たずに生活している先住民族を指します。彼らは狩猟や採集による自給自足の生活を続けており、近代的な文明とは関わりを持っていません。しかし、数世紀にわたる文明社会の拡大によって、彼らの住む森は次第に減少してきました。

イゾラドの住む森はペルー政府によって保護区域に指定されている。
外部の人間が立ち入ることは厳しく制限されており、接触は極力避けられてきた。
しかし、違法な森林伐採や開発の影響で、彼らの生存環境が脅かされている。

ペルーのモンテ・サルバードという集落では、イゾラドが現れるのを監視する保護官が配置されています。番組では、この地域で2024年に起きた一連の出来事を詳しく取材しました。

2024年6月27日：イゾラドの姿が確認される

ペルーのモンテ・サルバードで、10年ぶりにイゾラドの集団が姿を現しました。この時の様子について、現地の保護官であるセバスチャンさんが証言しています。

イゾラドは全員男性で、狩りに使われる矢を持っていた。
約6時間にわたって集落の人々と接触したが、最終的には森へ戻った。
食料としてサトウキビやバナナを求めていた。

その後、イゾラドが去ったあとに集落で飼われていた犬の死骸が発見されるという出来事がありました。さらに、釣りをしていた男性がイゾラドに矢で攻撃されるという事件も発生しました。

2024年10月21日：再びイゾラドが出現し、態度が変化

同じ年の10月21日、イゾラドの集団が再び現れました。しかし、前回よりも人数が増え、より攻撃的な態度を見せたといいます。

手に負えないほどの大勢の集団が、集落にさまざまな要求をした。
以前よりも敵意を持っているような印象を受けたと保護官が証言。
10月26日には、イゾラドの攻撃によって瀕死の重傷を負った保護官が病院に搬送された。

イゾラドの行動が急激に変化した背景には、外部からの影響があったと考えられています。彼らは「ムカチリ（服）を着た人間は悪いやつだ」と話していたことがわかりました。

イゾラドの態度が変化した原因

イゾラドが攻撃的になった理由について、調査を進める中で次のような事実が明らかになりました。

違法伐採業者の影響
- 保護区域内で木を伐採する業者が、銃でイゾラドを攻撃していた。
- イゾラドは外部の人間に対して警戒心を強め、敵意を持つようになったと考えられる。
食料不足
- 森の環境が悪化し、イゾラドの自給自足の生活が難しくなっていた。
- そのため、彼らは食料を求めて外の世界に出てくるようになった。