“幻の魚”いわなを養殖で味わう!極上の刺身&絶品レシピも登場
2025年6月5日放送のNHK『うまいッ!』では、“幻の魚”と呼ばれる「いわな」の養殖に成功した宮城県大和町にスポットが当たりました。刺身でも食べられるほどの高品質な「伊達いわな」は、体長45cm、重さはなんと一般的ないわなの8倍以上。番組では、巨大いわなの誕生秘話から絶品のアレンジ料理まで、あらゆる角度からその魅力を深掘りしました。
伊達いわなの誕生と育成の舞台裏
舞台は宮城県大和町の山奥にある養魚場。ここでは「伊達いわな」と呼ばれる巨大ないわなが育てられています。一般的ないわなが80〜100gに対し、伊達いわなは1kg超えのものも。宮城県水産技術総合センターの内水面水産試験場で、ニジマスなどで実用化された技術をいわなに応用し、全国で初めての成功例として注目されました。年間出荷量はおよそ6tにのぼり、徹底した水質・餌の管理がその美味しさを支えています。
いわなの品質は、味はもちろんのこと安全性や調理のしやすさにも配慮されています。刺身として生で食べられることはもちろん、脂のりがよく、料理人の創作意欲をかき立てる魚としても重宝されています。
スタジオで実食!刺身&燻製で極上の味わい
スタジオでは、天野ひろゆきさんがいわなの刺身と燻製を試食。脂の甘みと旨味の強さに驚き、「これはうまい!」と表情で伝える場面も。皮はやわらかく、身はしっとりとした食感で、まさに“幻の魚”の名にふさわしい仕上がりでした。
しかし、この養魚場では思わぬ問題も抱えています。それが熊の出没。魚を狙ってやってくる野生の熊に対し、電気柵などで対策を講じているものの、被害は増加傾向にあるとのことです。いわなを育てる現場では自然との共存という課題にも直面しています。
回転寿司でも登場!いわなの握りずし
仙台市内の人気回転寿司チェーンでは、伊達いわなを使った握りずしを提供しています。見た目も上品で、脂がほどよくのったネタは口の中でとろけるよう。地元の人にも観光客にも人気があり、特に新鮮さが命のいわなだからこそ、養殖技術の進化を実感できるメニューです。
割烹旅館で味わう伝統と創作のいわな料理
宮城・大和町にある老舗の割烹旅館では、長年にわたりいわな料理を提供してきました。中でも、今回紹介されたのは「いわなの唐揚げあんかけ」と「いわなの香草パン粉焼き」という2品。
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香草パン粉焼きは、大葉やチャービル、パクチーを加えたパン粉をまとわせ、にんにく香るオリーブ油でこんがり焼いた一品。仕上げには自家製のタルタルソースが添えられ、ハーブの香りといわなの旨味が絶妙に調和します。
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唐揚げあんかけは、皮目に包丁を入れて揚げた香ばしいいわなに、たけのこ・まいたけ・なめこなどの入った熱々の餡をたっぷりかけたごちそう料理。食感の違いも楽しめ、滋味深い味わいです。
これらの料理は、スタジオでも再び試食され、いわなのポテンシャルの高さを実感する結果となりました。
焼いても揚げても万能!家庭でも楽しめる絶品いわなレシピ
番組で紹介された「伊達いわな」の魅力は、そのまま家庭料理にも活かせることです。クセがなく上品な脂がのった身は、焼いても揚げても煮てもおいしく仕上がります。今回は番組で登場した香草パン粉焼きと唐揚げあんかけの2品を、家庭でも再現しやすいように材料と作り方を箇条書きでご紹介します。伊達いわなが手に入らない場合でも、同じような川魚(ヤマメやアユなど)でも応用可能です。
いわなの香草パン粉焼き(1人分)
材料
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養殖いわな:1/2匹
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乾燥パン粉:30g
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大葉、チャービル、パクチー:各2g
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塩・こしょう:各適量
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小麦粉、卵白:適量
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オリーブ油:適量
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にんにく:1片
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飾り野菜(お好みで):適量
タルタルソースの材料
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卵黄(M):1個
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塩・こしょう:少々
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サラダ油:150ml
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オリーブ油:100ml
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ワインビネガー:5ml
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レモン汁:5ml
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砂糖:10ml
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新玉ねぎ(みじん切り):30g
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ゆで卵(みじん切り):1/2個分
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パセリ(みじん切り):適量
作り方
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乾燥パン粉を袋に入れ、すり棒で細かく砕く
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大葉・チャービル・パクチーをみじん切りにし、パン粉と混ぜる
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いわなを3枚おろしにし、腹骨・小骨を除いて4等分にする
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塩・こしょうで下味をつけ、小麦粉・卵白・ハーブパン粉の順で衣をつける
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フライパンにオリーブ油を熱し、にんにくを炒めた後にいわなを皮目から焼く(中火2〜3分→裏返して2分)
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タルタルソースを作る:ボウルに卵黄・塩・こしょうを入れ、油を少しずつ加えながら混ぜ、酸味・甘みを調整する
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新玉ねぎを水にさらして水気を絞り、タルタルに加える。ゆで卵とパセリも加える
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焼いたいわなを皿に盛り、ソースと飾り野菜を添える
いわなの唐揚げあんかけ(1人分)
材料
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養殖いわな:1/2匹
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塩:少々
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片栗粉:適量
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揚げ油:適量
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白髪ねぎ:1/4本分
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木の芽:1枚
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パプリカ(赤・黄):各適量(素揚げ用)
あんかけの材料(合わせだれ)
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だし汁:180ml(6)
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濃口しょうゆ:30ml(1)
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みりん:30ml(1)
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たけのこ(水煮・細切り):30g
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まいたけ:20g
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しめじ:20g
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なめこ:20g
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水溶き片栗粉:少々
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ごま油:少々
作り方
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いわなを3枚おろしにして皮を残して細かく切れ目を入れ、4等分に切る
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軽く塩を振り、30分寝かせる
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片栗粉を均一に刷毛でまぶし、余分な粉を払う
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170℃の油で3〜4分揚げ、最後に強火で20〜30秒仕上げる
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合わせだれを鍋に入れ、たけのこを加えて加熱。沸騰後に手で割いたきのこを加え、弱火で1分煮る
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水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後にごま油を少し加える
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揚げたいわなを皿にのせ、熱々の餡をかける
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彩りとして素揚げパプリカ、白髪ねぎ、木の芽を添えて完成
これらのレシピは、特別な調理技術がなくても家庭で丁寧に作ればお店のような味わいが楽しめます。いわなの可能性が広がる2品、ぜひご家庭で挑戦してみてください。
自然と人の努力が生んだ“幻の味”
今回の特集では、「自然に近い形で、安全で美味しい魚を届けたい」という生産者たちの想いが随所に感じられました。いわなの養殖は単なる技術の結晶ではなく、地域の環境と知恵、人の手間が一体となって実現したものです。
放送を通じて、宮城の山間部から生まれた新しいブランド魚「伊達いわな」の魅力が多くの視聴者に届いたことでしょう。
放送の内容と異なる場合があります。
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