お米が主役の鍋料理!秋田名物きりたんぽの魅力
秋田県の郷土料理として全国的に知られる「きりたんぽ」。もともとは「たんぽ」と呼ばれる、ごはんをすりつぶして棒に巻きつけ焼いたものを切り分けたことから「きりたんぽ」と名付けられました。秋田県大館市を中心に広まり、今では秋田を代表する鍋料理として定着しています。
今回の『うまいッ!』では、本場のきりたんぽの製造現場を訪れ、伝統的な作り方や美味しさの秘密を深掘り。また、進化系のきりたんぽ料理も紹介されました。秋田の食文化が詰まった「きりたんぽ」の魅力を、細部までお伝えします。放送後、さらに詳しい情報を更新予定です。
きりたんぽのルーツと名前の由来
「きりたんぽ」のもとになった「たんぽ」は、もともと「短穂(たんぽ)」と書き、植物の“がま”の穂に似ていることから名付けられたとされています。もともとは保存食として作られ、農作業や狩猟の合間に手軽に食べられるよう考案されたと言われています。
江戸時代にはすでに「たんぽ鍋」として親しまれていた記録があり、当時から比内地鶏とともに煮込むスタイルが定着していたようです。鍋の主役としてだけでなく、そのまま味噌をつけて焼いたり、焼きたてをそのまま食べたりする文化も続いています。
伝統の技!職人が作る本場のたんぽ
秋田県大館市は、きりたんぽの本場として知られています。番組では、24年前に直売所を立ち上げた石垣一子さん(71歳)を訪れ、職人による昔ながらのたんぽ作りを取材しました。
- ごはんの潰し加減が命
きりたんぽの味を左右するのは、ごはんの潰し加減。「半殺し」と呼ばれる技法で、ごはんの粒感を3割ほど残すのが美味しさの秘訣です。完全に潰してしまうと団子のようになり、食感が失われてしまうため、ちょうどいい加減を見極めることが重要になります。 - 串に刺して焼くまでのこだわり
ごはんを丸めて串に刺し、厚さ1cmほどに均等に伸ばすことで、焼きムラを防ぎます。かつては囲炉裏で焼かれていましたが、現代では専用の焼き器が使用されることが多くなりました。石垣さんも、業者に頼んで特注の焼き器を作ってもらい、昔ながらの風味を再現しています。 - 焼き加減の極意
たんぽは20分かけてじっくりと焼くことで、表面に香ばしい焼き色がつき、独特の香りが生まれます。この焼き加減には職人の経験が欠かせません。大館には「たんぽ焼きの手前知らず」という言葉があり、他人が焼いたたんぽの焼き加減はよく見えるが、自分のたんぽはなかなか分からないという意味が込められています。
きりたんぽ鍋に欠かせない具材
きりたんぽを主役にした「きりたんぽ鍋」は、秋田県の食文化を代表する郷土料理です。番組では、伝統的な鍋の具材についても詳しく紹介されました。
- 比内地鶏
秋田県が誇るブランド地鶏。脂の旨みが濃厚で、出汁を取るとコクのあるスープに仕上がるのが特徴です。 - せり
秋田流のきりたんぽ鍋では、せりの根も入れるのがこだわり。根っこごと煮込むことで、シャキシャキとした食感と独特の風味が鍋全体に広がります。 - まいたけ・ねぎ
まいたけは香りがよく、出汁に旨みをプラス。ねぎは甘みを引き出し、鍋の味を引き締める役割を果たします。
進化するきりたんぽ!新たな食べ方も登場
近年、伝統のきりたんぽが進化を遂げ、新しいアレンジメニューが登場しています。
- きりたんぽグラタン
秋田県のホテルで提供されている、新感覚の一品。ホワイトソースとチーズを絡めた「和×洋の絶品コラボ」として話題になっています。 - カップきりたんぽ
お湯を注ぐだけで楽しめるインスタント食品。キムチチゲ風、ブイヤベース風、おしるこ風など、バリエーションが豊富で、秋田土産としても注目されています。 - きりたんぽおでん
秋田名物の魚醤「しょっつる」を使ったスープに、もち巾着ならぬ「きりたんぽ袋」が入った新感覚おでん。おでんときりたんぽ鍋の両方を楽しめると人気を集めています。
家でも作れる!簡単きりたんぽレシピ
番組では、家庭で手軽に作れる「簡単きりたんぽ」のレシピも紹介されました。
- 普通に炊いたごはんを袋に入れ、手で潰す(「潰しすぎ?」と感じるくらいでOK)
- 割り箸を串代わりに使用
- ホットプレート(最大火力)で20分焼く(油は不要)
さらに、秋田県では「みそつけたんぽ」も人気です。味噌・砂糖・みりんを煮詰めたタレをつけて焼くことで、香ばしく甘辛い味付けになり、きりたんぽとはまた違った美味しさが楽しめます。
まとめ
きりたんぽは、秋田県の食文化を象徴する料理として今も受け継がれています。伝統を守りつつ、新たなアレンジによって進化を続けるきりたんぽ。本場の味を楽しむのはもちろん、自宅で作れるレシピも紹介されたので、ぜひ試してみてください。
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