奈良・御所〜大正ロマン香るピンクの旧郵便局カフェで堺屋太一の夢にふれる25分|2025年4月10日放送予定
2025年4月10日(木)放送予定の『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の舞台は、奈良県御所市。静かな街並みにひときわ目を引くピンク色の擬洋風建築が登場します。この建物は、大正時代に建てられた旧郵便局で、現在は「郵便名柄館~テガミカフェ~」として再生されています。番組では、建物の歴史や文化的背景、再生までの経緯、さらに料理の魅力などが紹介される予定です。作家・堺屋太一氏と深い関わりがある場所としても注目され、地域と世界をつなぐ役割を担ってきたことも描かれます。
御所の街にたたずむピンクの擬洋風建築
御所市名柄の住宅地にひっそりとたたずむ「郵便名柄館~テガミカフェ~」は、大正2年(1913年)に建てられた旧名柄郵便局を活用した施設です。建物はピンク色の外壁と瓦屋根が印象的で、和風と洋風が融合した「擬洋風建築」のスタイルが特徴です。建設当時の雰囲気を色濃く残しており、大正ロマンを今に伝える貴重な建物です。
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明治35年に郵便受取所として開設
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明治38年には正式な郵便局に昇格
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昭和50年まで地元の通信インフラを支え続けた
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平成27年にカフェとして再生され、現在の姿に
建物内部には、昔の電話ボックスや配達用の自転車が保存されていて、まるで郵便博物館のよう。訪れる人は、どこか懐かしく温かい気持ちになります。
堺屋太一が思いを込めた再生プロジェクト
このカフェの再生には、作家・堺屋太一氏の強い思いが込められています。堺屋氏(本名:池口小太郎)は、御所市名柄で幼少期を過ごし、地域に対して深い愛着を持っていました。彼は1970年の大阪万博を企画したことでも知られており、「人と人、国と国をつなぐ」ことを生涯のテーマにしていました。
その想いを反映し、このカフェには以下のような願いが込められています。
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地域の歴史や文化を伝える場にしたい
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外の世界ともつながる発信拠点として活かしたい
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郵便という“つながり”の象徴を大切にしたい
堺屋氏は、空き家となっていた旧郵便局の再生を提案し、改修費用の寄付も行いました。さらに、敷地内に建てられた郵便配達員の像の台座には彼の詩が刻まれており、この場所に込めた願いが言葉として形になっています。
郵便局からカフェへ。建物を活かした再生の歩み
「郵便名柄館~テガミカフェ~」は、約2年のリノベーション期間を経て、2015年に開業しました。建物のさくら色の外壁は建設当時の色を再現し、できるだけ元の雰囲気を保ちつつ、地域の人が集まれる場所へと生まれ変わりました。
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カフェスペースと郵便資料展示コーナーが併設
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建物は国登録有形文化財の候補にもなりうる保存状態
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地元の人が中心となって運営を支えている
中に入ると、木のぬくもりと昭和の空気が感じられ、どこか懐かしく、親しみやすい空間が広がっています。ゆっくりと流れる時間の中で、当時の郵便局の風景を想像しながら過ごすことができます。
名物は「味噌&豆乳シチュー」
カフェのもうひとつの魅力は、地元の新鮮な食材を使った料理です。中でも人気なのが「味噌&豆乳シチュー」です。このシチューは、地域の野菜をふんだんに使い、豆乳と味噌で仕上げることで、クリーミーながらも和風のコクがある優しい味に仕上がっています。
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地元農家から仕入れた旬の野菜を使用
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肉類を使わずヘルシーで高齢者にもやさしい
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自家製パンとの相性も抜群
この他にも、「テガミランチ」や「テガミコーヒー」、「手作りスイーツ」などが揃い、どれも地域愛にあふれたメニューばかりです。
番組の見どころと放送情報
今回の放送では、ナビゲーターの渡部豪太さんがこのカフェを訪れ、建物の歴史や背景、料理、地域の人々の想いをたどります。建物の変遷、堺屋太一氏のメッセージ、そしてカフェの味と空気感を、テレビ越しにじっくりと感じることができそうです。
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番組名:ふるカフェ系 ハルさんの休日
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放送日時:2025年4月10日(木)22:30~22:55
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放送局:NHK Eテレ(Ch.2 東京)
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放送時間:25分
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出演者:渡部豪太
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