わたしが決める この一投を〜カーリング 日本選手権〜|2025年3月18日放送
カーリング日本選手権は、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の代表選考につながる大事な大会です。この大会で優勝すれば、日本代表決定戦へ進むことができ、オリンピックへの道が開かれます。今回のNHK【スポーツ×ヒューマン】では、五輪を目指す選手たちの挑戦に密着し、それぞれが一投にかけた思いが描かれました。子育てと競技を両立させる選手、40代になっても夢を追い続ける選手、そして歴史に残るプレーを見せた選手たちが繰り広げた熱戦の舞台を振り返ります。
無敗で優勝!フォルティウスと吉村紗也香の挑戦
女子カーリングの「フォルティウス」は、1次予選を無敗で突破し、決勝戦でも強豪・北海道銀行を破って優勝しました。チームの中心として活躍したのが吉村紗也香選手。ジュニア時代から将来を期待されながらも、これまであと一歩のところで五輪出場を逃してきました。しかし、今回は違いました。
・2023年に第1子を出産し、母として新たな挑戦を決意
・子育てと競技の両立のため、これまでとは違う環境での練習を重ねた
・慣れないカーリング場でのトレーニングを行い、氷のコンディションに素早く対応する力を強化
日本選手権では、このトレーニングの成果が発揮され、フォルティウスは試合ごとに成長を見せながら勝ち進みました。吉村選手は「母になったことで精神的に落ち着き、プレーにも良い影響が出ている」と語り、過去の悔しさを乗り越えて強くなった姿を見せました。
決勝戦では、経験豊富な北海道銀行と対戦。序盤からお互いに譲らない展開が続きましたが、フォルティウスは粘り強い戦いを見せ、終盤で逆転に成功。見事優勝を果たしました。この優勝により、吉村選手はついに五輪出場への道を開くことができる代表決定戦へ進むことになります。今後は、3月の世界選手権、9月の代表決定戦に向けてさらなる準備を進めていきます。
40代で夢を追い続ける阿部晋也と敦賀信人
男子カーリングで注目されたのは、北海道コンサドーレ札幌カーリングチームの阿部晋也選手(45歳)です。彼は北海道北見市常呂町出身で、トリノ(2006年)・バンクーバー(2010年)五輪では女子代表の監督を務めましたが、その後、再び選手として競技に復帰しました。
・2019年の日本選手権で優勝し、トップレベルの実力を証明
・40代になっても衰えを感じさせないプレーを続け、若手と競い合う
・経験を活かした戦略的なプレーで、チームを支える
阿部選手は一度指導者の道を進みましたが、選手として再び氷上に立つ決断をしました。現役を続けることで、自らが「年齢を理由に諦めないことの大切さ」を体現しているのです。40代で五輪を目指すことは簡単ではありませんが、彼は徹底した体力管理と戦略的なプレーで挑み続けています。
一方で、長野五輪(1998年)出場経験を持つ敦賀信人コーチも、北海道コンサドーレ札幌で選手兼コーチとして活躍しています。
・選手として試合に出場しながら、チームの指導も担当
・戦略面でのアドバイスをしながら、自身も競技を続ける
阿部選手と敦賀コーチのペアは、カーリングの戦略面でチームを強化し、準決勝まで進出しました。準決勝ではロコ・ソラーレと対戦し、接戦の末敗退しましたが、40代になっても挑戦し続ける姿勢は、多くの選手に勇気を与えました。
歴史に残る一投を決めた両角友佑
大会で大きな話題となったのが、ピョンチャン五輪出場経験を持つ両角友佑選手の一投です。彼のショットは会場を沸かせ、カーリングの魅力を改めて示しました。
・正確なコントロールと絶妙な回転で、試合の流れを変えた
・観客から大きな歓声が上がり、SNSでも話題に
両角選手は「応援してくれる人が増えれば増えるほど、カーリングを取り巻く環境はどんどん良くなると思う」と語り、カーリングの発展にはファンの支えが欠かせないことを強調しました。彼のプレーは、これからカーリングを目指す若い世代にとっても、大きな刺激になったことでしょう。
学生チーム・チーム佐藤の奮闘
今大会では、学生チーム「チーム佐藤」の活躍も注目を集めました。受験を控えながらも、選手たちは大会に挑み、素晴らしいプレーを見せました。
・学業と競技を両立させながら、全国の強豪チームと戦った
・若さを武器にした積極的なプレーで会場を盛り上げた
中高生の競技者にとって、受験との両立は大きな課題ですが、チーム佐藤の選手たちは「今しかできない経験を大切にしたい」という思いで大会に挑みました。彼らの成長は、今後のカーリング界にとっても貴重なものとなるでしょう。
まとめ
2025年のカーリング日本選手権は、選手たちのさまざまな思いが交錯する熱い大会となりました。優勝を果たしたフォルティウスの吉村紗也香選手、40代で挑戦し続ける阿部晋也選手と敦賀信人コーチ、歴史に残る一投を決めた両角友佑選手、そして未来を担う学生チーム・チーム佐藤。彼らの挑戦は、カーリングの魅力を多くの人に伝え、競技の発展につながるものです。
NHK【スポーツ×ヒューマン】では、そんな選手たちのリアルな姿が描かれました。日本カーリング界の未来に期待しながら、これからも彼らの活躍を見守っていきましょう。
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