京都・奈良・大阪をつなぐ“国宝の旅”を支える舞台裏に密着!
2025年5月4日(日)16:00〜16:45にNHK総合で放送予定の『国宝を売り込め!大作戦〜3つの国宝祭りの舞台裏〜』は、日本美術ファンにとって見逃せない内容です。京都・奈良・大阪の3都市で同時開催中の大型展覧会に、あわせて約260点もの国宝が一堂に会する前代未聞の試み。その裏側には、緻密な準備と技術、そして文化財を未来へとつなごうとする人々の情熱があります。今回は放送前情報をもとに、番組の見どころや展覧会の魅力、さらには美術品輸送や展示演出の工夫まで、くわしく紹介します。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
3つの展覧会をめぐって見えてくる“日本美術の全体像”
この春、関西の3大美術施設が連携し、それぞれ異なる切り口で国宝を紹介する大型展覧会を開催しています。
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大阪市立美術館「日本国宝展」では、縄文から江戸まで幅広い時代の国宝約130点が並びます。仏像や巻物、陶器や絵画などが時代順に構成され、日本美術の歴史を一望できるつくりになっています。まるで日本美術の教科書を立体で体験するような展示構成が魅力です。
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奈良国立博物館「超国宝展」では、奈良の古寺に伝わる仏教美術を中心に、国宝約110点と重要文化財20点を展示。法隆寺の仏像群、東大寺の経典、唐招提寺の仏具など、奈良ならではの精神性と祈りの美術が堪能できます。
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京都国立博物館「日本美のるつぼ展」は、異文化との出会いから生まれた日本美術の多様性をテーマに、国宝18点と重要文化財53点を含む約200点を展示。ペルシャ文様の影響を受けた陶器、西洋技法を取り入れた屏風など、美術の中にある国際交流の痕跡が浮かび上がります。
3つの展覧会を通して、日本の美がどのように育まれ、広がっていったのかを実感できる構成になっており、会場をはしごすることで、日本美術の時間旅行が完成するような体験が味わえます。
国宝を運ぶという挑戦…輸送大作戦の全貌
番組では、美術品の“移動”にまつわる緊張と工夫にも焦点が当てられます。国宝はただの“モノ”ではなく、国家的な価値を持つ文化遺産。そのため、一点を動かすにも多くの人の手と高い技術が必要になります。
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振動対策と梱包技術では、繊細な作品を保護するために、吸湿性のある和紙や綿布団を使って層状に包みます。箱の内部にも特注のクッション材が使われ、搬送時の揺れを最小限に抑える構造になっています。
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温度・湿度管理にも徹底した対策が講じられ、冷暖房機能と除湿機能を兼ね備えた専用車両で輸送されます。急激な温度変化は木材や絹に大きなダメージを与えるため、外気との遮断が欠かせません。
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警備体制は非常に厳重で、ルートの事前調整はもちろん、警察の同伴やGPSによる追跡、車両の二重ロックなどが実施されます。特に今回は百済観音像の輸送という超貴重なプロジェクトが行われ、まさに一分一秒が気を抜けない現場です。
こうした輸送の舞台裏を知ることで、展示室に静かに佇む仏像や屏風が、どれほど多くの人の手を経てそこにたどり着いたのか、その重みが伝わってきます。
展示を支える“見せ方”のプロたち
展覧会では、単に美術品を並べるだけでなく、その魅力を最大限に引き出す演出が重要です。番組では、展示照明やケース設計に関わる職人たちにも密着しています。
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照明技術では、彫刻の陰影や絵画の色彩が最も美しく映えるよう、光の角度や色温度が緻密に調整されます。特に百済観音像には、目元にやわらかく光が当たるよう工夫され、“ほほえみ”が浮かぶような演出が施されています。
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展示ケースの構造は、来場者の視線の高さ、照り返し防止、空調や耐震構造まで設計され、文化財を守りながら“魅せる”ことが求められます。
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空間全体の演出として、床の素材、壁の色、誘導導線なども細かく計算され、観客が自然に作品に引き込まれるよう工夫されています。
このように、展示の“裏側”には、作品へのリスペクトと来場者への想像力が込められているのです。
国宝がもっと近くに!フィギュアやグッズ展開にも注目
展覧会のもう一つの楽しみが、限定グッズや企画商品の開発です。番組では、風神雷神図屏風をフィギュア化するプロジェクトにも密着。緻密なモデリング、素材の選定、彩色の試作など、まるで美術作品をもう一度ミニチュアで創り直すような工程が紹介されます。
こうした試みは、若い世代にも国宝に親しんでもらうための工夫でもあります。アートと日常をつなぐグッズ展開は、文化財の新しい楽しみ方を広げると同時に、文化を次世代へと橋渡しする役割も担っているのです。
『国宝を売り込め!大作戦』は、単なる展覧会の紹介にとどまらず、その裏にある人々の努力、技術、そして文化への愛を描く特別番組です。まだ放送前ですが、事前情報からも見どころがぎっしり詰まっていることが伝わってきます。展覧会を訪れる予定の方はもちろん、美術に詳しくない方にもおすすめの内容です。
放送後、番組で取り上げられた具体的なエピソードや展示作品などを追記予定です。どうぞお楽しみに!
※放送の内容と異なる場合があります。ご了承ください。
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