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NHK【クローズアップ現代】戦後80年テレビが伝えた“あすへの希望”とは?世論調査と映像から読み解く未来|2025年8月6日放送

クローズアップ現代

戦後80年スペシャル テレビが伝えた“あすへの希望”

戦後80年、テレビはどんな「希望」を伝えてきたのか?
NHKの『クローズアップ現代』は、これまでの80年をテレビの映像と共に振り返り、現在を生きる私たちがこれから希望を持って歩んでいけるかを考える特集を放送しました。
今回は、過去の世論調査や貴重な映像、さらに専門家の解説をもとに「希望」と「絶望」が交差した戦後史をたどります。この記事では、番組のすべてのエピソードをわかりやすくまとめています。

戦後すぐの混乱から復興へ

1945年の終戦直後、日本は深刻な食糧難に苦しんでいました。
ラジオを通して天皇が国民に直接呼びかけた背景には、国民を混乱させないための強いメッセージがありました。その後、朝鮮戦争(1950年)による特需で日本経済は動き始め、復興が加速していきます。

当時の世論調査では、「将来良くなる」と考える人はわずか10%。「悪くなる」と感じていた人が40%以上という結果が出ていました。

高度経済成長がもたらしたもの

1960年、池田勇人首相が「所得倍増計画」を打ち出し、日本は高度経済成長に突入します。
三種の神器(冷蔵庫・洗濯機・テレビ)が普及し、生活が一気に豊かになります。世論調査では、「良くなっていく」が50%以上に。1970年の大阪万博ではリニアモーターカーやワイヤレス電話といった近未来技術も紹介され、人々の期待も高まりました。

一方で、「モーレツ社員」という言葉が象徴するように労働時間は非常に長く、住宅事情も厳しく、都会では4畳半の部屋に家族全員で暮らす家庭も少なくありませんでした。

豊かさの裏にあった不安と予兆

1970年代後半、日本は経済成長の頂点に達しますが、冷戦の緊張感とともに「核」の脅威も意識され始めます。
こうした中、被爆国・日本では反核運動が広まり、記憶を風化させない取り組みが各地で行われました。沖縄では高校生たちが、戦争体験者に代わって語り部として活動を続けていることも紹介されました。

作家の重松清さんは「当時は日本全体が若かった。子どもや若者の存在感があった」と回想しました。

バブル経済とその崩壊

1980年代、日本は自動車生産台数で世界一となり経済大国へ。
「悩みはない」と答える人が半数を超えたのはこの時期だけでした。しかし1990年代に入りバブルが崩壊。株価が暴落し、リストラや失業が相次ぎ、「就職氷河期」という言葉が生まれます。

この時代、阪神・淡路大震災(1995年)も発生し、6434人の命が奪われました。玄田有史さんは「働くことが希望だった時代から、不安が増した時代への転換点だった」と指摘します。

東日本大震災と希望のかたち

2011年、東日本大震災が発生。
津波と原発事故により、福島では「絶対安全」という信念が崩れました。さらに2020年には新型コロナウイルスが世界中を襲い、日常生活そのものが揺らぎました。

2024年の世論調査では、「将来良くなる」と考える人はわずか7.1%。この数字は20年以上ほとんど変わっていないそうです。

しかし、玄田さんは「数字に表れない変化もある」と話し、地方移住や“推し活”など、今を前向きに生きようとする姿が確かにあると述べました。

若者たちが今、希望をつくる

番組では、地方で暮らし始めた若者の姿や、アイドルやアニメキャラへの“推し活”を日々の支えにしている人たちの姿も紹介されました。「希望を持ちたい」ではなく、「日々の中に手応えを感じていたい」という考え方が、現代の希望のかたちなのかもしれません。

玄田さんは、「政治がすべきなのは希望を“与える”ことではなく、絶望を“避ける”ことだ」と語りました。これは、希望は誰かからもらうものではなく、自分たちで育てていくものだというメッセージでもあります。


戦後80年、テレビが記録してきたのは、ただの映像ではなく、人々が懸命に生きてきた希望の証です。未来を生きる私たちは、その記録を読み解きながら、「希望」を自分の手でつくる時代を歩んでいるのかもしれません。


【ソース】
NHK「クローズアップ現代」2025年8月6日放送
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/M2R9JXJPQN/


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