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NHK【あさイチ】奈良で味わう幻の和菓子と大和まな料理、1300年前の文様雑貨まで“大人かわいい”をめぐる旅|2025年10月16日★

あさイチ

秋の奈良で見つけた「おいしい・かわいい・大人旅」へようこそ

奈良と聞くと、歴史や寺社を思い浮かべる人が多いですよね。でも今回のあさイチでは、そんな定番イメージを少し越えた“今の奈良”が描かれました。テーマは「おいしい・かわいい・大人旅」。秋の空気が心地よくなるこの季節、ゆったりと楽しむ奈良の魅力をたっぷり紹介していました。伝統野菜を守る人々の想い、和菓子職人の技、そして夜の若草山から眺める幻想的な景色——どれも“古都の今”を感じさせる、まさに大人の旅です。

奈良の伝統野菜がつなぐ“人と土地の物語”

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奈良では、大和の伝統野菜がいま再び脚光を浴びています。およそ20年前、奈良県が古くから栽培されてきた在来品種を「大和野菜」としてブランド化したことがきっかけでした。かつては一部の地域でしか見られなかったこれらの野菜が、いまは飲食店や観光客の間で“奈良の味”として注目を集めています。

代表的な品種には、ピリッとした辛みが特徴のひもとうがらし、鮮やかな緑色で煮てもシャキッと歯ごたえが残る大和まな、そして丸くて艶やかな紫色が美しい大和丸なすなどがあります。それぞれに個性があり、料理人たちはその魅力を最大限に引き出そうと工夫を重ねています。

中でも注目を集めているのが、中国料理店のシェフ。彼はなんと朝5時から県内各地の農家を10軒以上回り、野菜を直接仕入れるそうです。仕入れの目的は「一番良い状態の野菜を手に入れるため」。生産量が少ない大和野菜は、まとめて仕入れることが難しく、料理人が自ら農家を訪れるスタイルが定着しています。しかも、流通を支えているのはボランティアの仲間たち。利益よりも「奈良の味を守りたい」という思いで動いている人たちの支えが、この文化を支えています。

また、ならまちに店を構える和食店のオーナー、三浦雅之さんも大和野菜への情熱を語っていました。店で使うだけでなく、自分の手で畑を耕し、大和の伝統野菜を自家栽培しているのです。三浦さんは「野菜の顔を見ながら料理することで、奈良の土の力を感じられる」と話します。奈良の在来野菜は現在、確認されているだけでも53種類にのぼり、その一つひとつに物語と歴史が息づいています。

たとえば、大和まなは古くから寺院の僧侶たちが精進料理に使っていた野菜で、冬場の貴重な青菜として重宝されてきました。一方、大和丸なすは皮が柔らかく油との相性がよいため、揚げ物や煮浸しにぴったり。地元では、夏祭りの屋台でも登場するほど親しまれています。

こうした野菜を使った料理は、ならまちを中心に広がる飲食店で味わうことができます。伝統を守るための取り組みが、観光や食文化としても新しい価値を生み出しているのです。奈良の畑と料理人の情熱がつながる場所にこそ、今の奈良の“おいしさ”が息づいています。

若草山から望む夜景と“鹿との出会い”

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奈良の夜を語る上で欠かせないのが、若草山東大寺を中心とした幻想的な風景です。番組では、前田さんが人気ホテルを訪れ、そこから望む夕景と夜景を紹介しました。窓いっぱいに広がる奈良の街並みは、日が沈むにつれて金色から紫、そして深い藍色へと変化し、まるで時間がゆっくりと流れていくような美しさ。特に夕暮れ時は、観光客にも地元の人にも人気の時間帯です。

夜8時になると、静まり返った空気の中に東大寺の鐘の音が響き渡ります。その深い音色が古都全体にゆっくりと広がり、聞いているだけで心が洗われるよう。奈良の夜がしっとりと始まる瞬間です。ホテルの宿泊者からも「この鐘の音が聞きたくて毎年来ている」という声が多く寄せられているそうです。

また、このホテルでは夜の若草山ツアーも開催されています。夜風に包まれながら山頂へ向かうと、眼下に広がる奈良市街の光がまるで宝石のように輝き、遠くには生駒山の稜線が浮かび上がります。観光スポットとして知られる若草山ですが、夜の顔は一味違います。昼間は穏やかに草を食む鹿たちが、夜には人懐っこく近づいてくることもあり、訪れた人たちは思わずカメラを構えます。前田さんもロケ中に鹿と並んで写真を撮り、その柔らかな表情が印象的でした。

さらに、10月25日から11月29日までの毎週土曜日には、若草山山頂 夜景バスツアーが運行されます。奈良交通が主催するこのツアーは、地元でも評判の人気企画で、夜景観賞と鹿とのふれあいが一度に楽しめます。秋の澄んだ空気の中で見る奈良の夜景は格別で、夜空に浮かぶ月と街の灯りが調和する風景はまさに“古都の宝石箱”。事前予約制のため、確実に参加したい人は早めの申し込みがおすすめです。

若草山から望む夜景は、昼の観光とはまた違う奈良の魅力を感じさせてくれます。静けさの中に歴史の息づかいを感じ、鹿と並んで眺める夜景は、旅の締めくくりにぴったりの体験です。

和菓子職人がよみがえらせた「夫婦饅頭」

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次に登場したのは、いま奈良で注目を集めている和菓子店。ここでは、伝統と芸術が融合した和菓子コースが話題になっています。職人の手仕事を間近で見られる体験型のスタイルで、和菓子職人の喜多誠一郎さんが、カウンター越しにひとつひとつ丁寧に作り上げていきます。その姿に見とれる人も多く、全国から和菓子好きが訪れるほどの人気です。

コースはドリンク付きで3300円。それぞれの和菓子に合わせて、抹茶や煎茶、時には奈良の地酒などが提供されます。目の前で美しく仕上げられる季節の生菓子は、見た目も香りも繊細で、まるで小さな芸術作品のよう。お茶との調和まで計算された一品ごとに、奈良の四季や文化を感じられる時間が流れます。

このお店で特に注目を集めたのが、春日大社の元権宮司である岡本彰夫さんの依頼によって復刻された『夫婦饅頭』です。江戸時代、奈良で広く親しまれていた伝統菓子で、長谷寺へ向かう参拝道の沿道で販売されていたといわれています。名前の由来は、つぶあんとこしあんという“ふたつの味”がひとつに寄り添うことから。夫婦円満や絆を象徴する縁起菓子として人気を集めていました。

現代に蘇った夫婦饅頭は、餡だけでなく生地にも奈良の酒蔵の酒粕が使われているのが特徴。ふんわりと香る甘酒のような風味が、しっとりとした口当たりに深みを加えています。スタジオでは八嶋智人さんが実際に試食し、「つぶあんとこしあんが口の中で混ざり合っていく感じが面白い」と感想を語りました。

復刻を手がけた喜多誠一郎さんは、古文書や記録をもとに、当時の材料や製法を再現したといいます。奈良の歴史を菓子で伝えるというその姿勢は、まさに“文化の継承者”そのもの。伝統を守りながらも現代に寄り添うこの和菓子は、食べる人の心にも優しく響く味わいです。

正倉院のデザインが現代に息づく

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最後に前田さんが訪れたのは、古都奈良を象徴する寺院のひとつ、興福寺でした。ここでは、1300年前にシルクロードを通じて伝わったとされる鹿の文様が紹介されました。古代の奈良は、東西の文化が交わる国際都市として栄えた地。その中で、異国から伝わった文様や美術が日本の感性と融合し、独自の美が生まれました。鹿は奈良の守り神として知られる存在でもあり、古代から神聖なシンボルとして親しまれてきました。

興福寺の宝物に残る鹿のデザインは、優雅でありながらどこか温かみがあり、長い時を経てなお人々を魅了します。番組では、この鹿文様が現代のクリエイターたちによって再解釈され、日常のアイテムへと生まれ変わっている様子が紹介されました。たとえば、正倉院の宝物デザインをあしらったお菓子の箱は、奈良の土産として人気が急上昇。販売を始めてから売り上げが5倍以上に伸びたというエピソードも取り上げられました。古代の美が、いまの暮らしに自然に溶け込んでいる姿は、まさに“奈良らしさ”を感じさせます。

また、番組内では、第77回 正倉院展の開催情報も紹介されました。会場は奈良国立博物館で、開催期間は10月25日から11月10日まで。毎年、全国から多くの人が訪れる秋の風物詩であり、今年も貴重な宝物が展示される予定です。展示される文様や工芸品の中には、シルクロードの影響を受けた華やかな装飾が多く含まれており、奈良がいかに国際的な文化交流の拠点だったかを感じられます。

放送の最後には、視聴者から寄せられたメッセージも紹介されました。「朝の散歩や夕暮れの奈良が最高」「観光客が少ない時間の興福寺が好き」といった声が多く、静かな時間に奈良の街を歩く楽しみが伝わってきます。昼間の賑わいとは対照的に、夕暮れの興福寺や五重塔が夕日に染まる風景は、まさに古都のロマンそのもの。秋の奈良を訪れたくなるような、心に残る締めくくりでした。

まとめ

今回の『あさイチ』では、奈良の魅力を“味・景色・文化”の三つの角度から描いていました。
・伝統野菜を守る人々の想いと旬の味
・若草山の夜景と鹿とのふれあい
・和菓子職人が復刻した夫婦饅頭と古都の甘味文化
・1300年の時を超えて息づく正倉院デザインの魅力
どれも奈良という土地の“ゆったりとした時間”を感じさせるものでした。次の休日は、あなたも秋の奈良を歩いてみませんか?ならまちのカフェでお茶を飲みながら、古都の秋を味わうのもおすすめです。

出典:NHK総合『あさイチ 奈良でおいしい・かわいい・大人旅』(2025年10月16日放送)
https://www.nhk.jp/p/asaichi/


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