関門海峡で味わう“俳句の旅” 下関で感じる海とふぐの物語
山口県下関市といえば、関門海峡とふぐのまちとして知られています。その風景と文化を、俳句を通して見つめるのが『夏井いつきのよみ旅!山口前編』です。今回の放送では、俳人の夏井いつきさんとROLANDさんが下関を巡り、海峡の自然や地元の人々の思いを俳句で味わいます。この記事では、その旅の舞台と見どころをたっぷり紹介します。
海と歴史を感じる関門海峡のクルーズ
舞台となるのは、本州と九州の間に位置する関門海峡。古くから交通の要所として栄え、日本海と瀬戸内海をつなぐ重要な水路です。番組では、二人がクルーズ船に乗って海峡の景観や潮の流れを体感。かつてこの海を行き交った船や人々の歴史に思いをはせながら、自然の迫力を全身で感じ取ります。
海上から眺める下関のまちは、昼と夜でまったく違う表情を見せ、風や光が詩のように流れていきます。潮の香り、船の音、空の色――そのすべてが俳句の題材となり、下関という土地が持つ深い魅力を映し出しています。
下関名物・ふぐの技と美
旅のもうひとつの目的地は、下関を代表する味覚であるふぐ。番組では、20年以上の経験を持つふぐ職人のもとを訪ね、その技と文化にふれます。薄く透けるように並べられたふぐ刺しは、料理というよりも一枚の芸術作品のよう。職人が長年積み上げてきた技術の結晶であり、下関の誇りでもあります。
ふぐ専門の問屋では、仕入れから調理、盛り付けに至るまで一貫して品質を守り続けており、季節ごとに異なる味わい方も紹介されました。冬の寒さが増す時期、ふぐのうまみが最も深まるこの季節にぴったりの特集です。
俳句が映す人と土地の心
この番組の最大の特徴は、観光ガイドではなく“俳句を通じて土地の心を知る”という点にあります。
下関で暮らす人々が寄せた俳句には、それぞれの人生や思い出、地域への愛情が詰まっています。夏井さんはその一つひとつを丁寧に読み解き、言葉の中に宿る下関の風土や情感を紹介します。
俳句という短い言葉の中に、潮の香りや海風、街の人の温かさが凝縮されており、視聴者もまたその空気を感じ取ることができます。
言葉が導く新しい旅のかたち
『夏井いつきのよみ旅!』シリーズは、風景を「見る旅」ではなく「読む旅」として人気を集めています。下関編では、自然・文化・食が三位一体となり、五感で楽しめる構成になっています。
俳句をきっかけに、土地の魅力をより深く味わう――それは単なる観光ではなく、自分の心の中にも新しい風景を生み出す体験です。今回の下関の旅もまた、そんな“心の記録”として記憶に残る内容となっています。
まとめ
・旅の舞台は山口県下関市。関門海峡の雄大な自然と人々の物語を俳句で紡ぐ。
・日本海と瀬戸内海を結ぶ海峡をクルーズで体感。歴史と自然の交わる景色を紹介。
・ふぐ専門の問屋を訪ね、熟練職人の技と下関の食文化に迫る。
・地元の人々が寄せた俳句から、土地への愛情や生き方を読み取る構成。
言葉を通じて旅をするように、風景や人の思いを感じられる『夏井いつきのよみ旅!山口前編』。俳句がつなぐ心の風景が、観る人の中にも静かに広がる30分です。
番組の内容と異なる場合があります。
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