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【NHK歴史探偵】ラジオ放送100年スペシャル!後藤新平の「大風呂敷」と未来への挑戦|3月26日(水)放送

ドキュメント

放送100年スペシャル 後藤新平の大風呂敷|3月26日(水)

ラジオ放送開始100年を記念し、NHKの番組『歴史探偵』が「後藤新平の大風呂敷」に迫る特集を放送します。東京放送局(現在のNHK)の初代総裁であり、日本の近代化に大きく貢献した後藤新平の生涯、そして彼がラジオ放送にかけた思いを、佐久間宣行さんやトラウデン直美さんとともに解き明かします。

後藤新平とは?医師から政治家へ

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後藤新平は1857年に現在の岩手県奥州市で生まれました。幼少期から学問に励み、特に医学の道に進むことを決意しました。彼の人生は、医師から官僚、そして政治家へと大きく広がり、どの分野でもその大胆な発想力と実行力で歴史に名を刻みました。

  • 医学の道から国家運営へ
    後藤は須賀川医学校で医学を学び、若くして医師としての道を歩み始めました。しかし、単なる医師としてではなく、公衆衛生の重要性に着目し、国家レベルでの衛生行政に関与するようになります。その結果、内務省衛生局に入り、日本の公衆衛生政策の礎を築くことに貢献しました。

  • 台湾統治での手腕
    1898年には台湾総督府民政長官に就任しました。ここでは、インフラ整備、衛生環境の向上、鉄道建設、土地調査などを推進し、台湾の近代化を進めました。特に、鉄道建設に力を注ぎ、台湾の経済発展に大きな影響を与えました。

  • 満鉄総裁としての活躍
    その後、南満洲鉄道(満鉄)の初代総裁に就任しました。ここでも大規模な鉄道網の整備を進め、日本と中国の物流の発展に貢献しました。彼の考え方は、単に鉄道を引くだけではなく、鉄道を中心に都市開発や経済基盤を整えるというもので、近代的な発展モデルを示しました。

  • 関東大震災後の復興計画
    1923年に発生した関東大震災では、甚大な被害を受けた東京の復興を担う帝都復興院総裁に就任しました。彼は、単なる復旧ではなく、未来の都市計画を見据えた大規模な復興プロジェクトを提案しました。具体的には、

    • 広い道路の整備(現在の靖国通りなど)
    • 防災を考えた都市計画(火災対策のための防火帯設置)
    • 公園や公共施設の増設(上野公園や日比谷公園の拡張)
    • 鉄筋コンクリート造の建物の推奨(震災に強い学校や住宅)
      このような計画は、現在の東京の都市基盤にも受け継がれています。
  • 「大風呂敷」と呼ばれた理由
    後藤新平は、常に「未来を見据えた壮大な計画」を提案しました。しかし、その規模の大きさから「現実離れしている」と批判されることもありました。そのため、彼の構想は「大風呂敷」と揶揄されることもありました。

それでも後藤は、自分の計画が数十年後の日本の発展に不可欠であると信じ、諦めることなく取り組み続けました。結果として、彼の提案した都市計画や交通インフラ整備は、現在の東京や台湾、満洲の発展に大きな影響を与えました。

後藤新平の功績は、単なる理想論ではなく、実際に形として残り、今も日本の社会や都市に息づいています。

ラジオ放送の普及に尽力

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後藤新平は、ラジオ放送の可能性にいち早く注目した人物の一人です。当時、日本では新聞が主な情報源でしたが、彼は音声による即時の情報伝達が社会に与える影響を深く理解していました。そのため、ラジオは単なる娯楽ではなく、教育や防災、政治、文化の発展にも貢献できる重要なメディアであると考えました。

  • 日本初のラジオ放送に関わる
    1925年3月22日、日本で初めてラジオの仮放送が開始されました。その際、後藤は記念すべき第一声を発し、新しい時代の到来を告げました。彼の演説では、ラジオが社会に果たす役割について強調され、技術の進歩が人々の暮らしをどのように変えていくかが語られました。

  • 公共性を重視したラジオ放送
    後藤は、ラジオが単なる商業目的で運営されることには懸念を抱いていました。広告収入に依存すると、偏った情報が流れる可能性があり、本来の役割を果たせなくなると考えていたのです。そのため、「ラジオ放送は国民全体のためにあるべきだ」という理念を掲げ、営利ではなく公共放送としての役割を重視しました。この考え方が後にNHKの設立につながっていきます。

  • 教育・防災・文化振興にも活用
    後藤は、ラジオを活用することで教育の格差をなくし、防災情報を迅速に伝え、文化を全国に広めることができると考えていました。

    • 教育分野では、識字率の低い人でも耳で学ぶことができ、地方でも都市と同じ情報を得られるメリットがありました。
    • 防災情報としては、災害時に即座に避難情報を伝えることで、多くの人々の命を守る手段となると考えました。
    • 文化振興においても、ラジオを通じて音楽や演劇、文学などを全国に届けることが可能になり、日本中の人々が文化的な刺激を受けられるようになると期待しました。
  • ラジオ放送の未来を見据えた後藤のビジョン
    後藤新平は、単にラジオを普及させるだけでなく、日本社会の発展にどう活かすかを考えていた点が画期的でした。彼の提唱した「公共放送」の概念は、現在のNHKに受け継がれ、営利を目的としない、公正で正確な情報を提供するという理念として今も生き続けています。

後藤の功績がなければ、日本のラジオ放送は現在とは異なる形になっていたかもしれません。彼の先見の明と行動力が、日本のメディアの発展に大きく寄与したことは間違いありません。

「大風呂敷」と揶揄された壮大な計画

 

後藤新平は、関東大震災後の復興にあたり、ただ被災地を元通りにするのではなく、東京を世界に誇れる近代都市へと変革する大規模な計画を打ち出しました。その内容は、従来の日本の都市構造を大きく変えるもので、道路、公共施設、防災対策など、多岐にわたるものでした。しかし、その規模の大きさから「大風呂敷」と呼ばれ、一部の計画は実現しませんでしたが、そのビジョンは現在の東京にも息づいています。

  • 広い道路の整備
    震災前の東京は、狭い路地が多く、火災の延焼を防ぐ手立てがありませんでした。そこで後藤は、幹線道路を大幅に広げ、火災の延焼を防ぐだけでなく、交通の流れをスムーズにする都市設計を提案しました。

    • 現在の靖国通り、昭和通り、晴海通りなどは、この時の構想が元になっています。
    • しかし、当時の政府からは「道路を広げるための用地買収費用が膨大すぎる」との反発があり、計画の一部縮小を余儀なくされました。
  • 公園の増設と防災対策
    震災時、避難場所が不足していたことを教訓に、大規模な公園や広場を都市の各所に設け、災害時には避難所として活用する構想を打ち出しました。

    • 上野公園や日比谷公園の拡張、隅田公園など、現在も利用される公園の整備につながりました。
    • しかし、「震災の復興に公園を作るのは贅沢だ」という反対意見もあり、後藤の提案の一部は削減されました。
  • 近代的な住宅建設と上下水道の整備
    当時の東京は、木造住宅が密集しており、地震や火災に弱い街でした。後藤は、鉄筋コンクリートの建物を推奨し、さらに衛生面を考慮した上下水道の整備を進める計画を提案しました。

    • 復興小学校は、その象徴的な例で、全国に先駆けて耐震性の高い建物が導入されました。
    • 同潤会アパートもこの時期に誕生し、今のマンションの原型ともいえる住宅形式が生まれました。
    • しかし、これらの計画も「費用がかかりすぎる」との批判を受け、一部のみに留まりました。
  • 大胆な財政計画
    後藤の復興計画には、当時の国家予算をはるかに超える30億円(現在の価値で数兆円規模)の予算が必要でした。これはあまりに巨額だったため、政府からは「実現不可能」と判断され、一部の計画が見直されました。

    • それでも、後藤は「将来の日本を考えれば、今の投資は必要不可欠」と主張し、可能な限り計画を推進しました。

後藤の壮大なビジョンは、当時の政府や国民にとっては受け入れがたいものでしたが、その考え方は後に日本の都市計画に大きな影響を与えました。現在の東京が防災都市としての機能を持ち、計画的に発展した大都市になった背景には、後藤の「大風呂敷」の精神があったのです。

番組では何が語られるのか?

今回の『歴史探偵』では、後藤新平が残した足跡をたどり、彼がどのような思いでラジオ放送を推進し、どのように「大風呂敷」と揶揄されながらも未来を切り開こうとしたのかを掘り下げます。特に、ラジオ放送が日本に根付いた背景や、後藤の演説の内容にもスポットを当て、当時の社会状況と合わせて解説される予定です。

また、番組にはテレビプロデューサーの佐久間宣行さん、タレントのトラウデン直美さんが出演し、歴史的な出来事を分かりやすくひも解いていきます。司会は佐藤二朗さん、片山千恵子アナウンサーが務め、軽妙なトークとともに、後藤新平の人物像に迫る内容となるでしょう。

まとめ

ラジオ放送100周年という節目に、日本のラジオ放送の礎を築いた後藤新平の功績を振り返るこの番組は、非常に貴重な内容となるはずです。現在、私たちが当たり前のように享受しているラジオ放送が、どのような背景で生まれたのかを知ることで、新たな視点を得ることができるでしょう。

3月26日(水)22:00~23:00の放送をお見逃しなく!

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