熟年世代の婚活&恋愛特集|あなたの恋愛観は昔と変わった?
2025年4月16日放送の『あさイチ』(NHK総合)では、熟年世代の婚活と恋愛にフォーカスした特集が組まれました。今回のテーマは「あなたの恋愛観は昔と変わった?」。婚活バスツアーやマッチングアプリといった具体的な出会いの場に密着するだけでなく、年齢を重ねたことで変化した恋愛や結婚に対する価値観にも迫る内容でした。スタジオには佐藤仁美さんや坪倉由幸さん(我が家)がコメンテーターとして参加し、華丸さん・大吉さん・鈴木奈穂子さんらと共にリアルなエピソードを紹介していきました。
熟年世代限定の婚活バスツアーに密着
今回番組が密着したのは、大阪市から徳島県鳴門市を結ぶ熟年世代限定の婚活バスツアーです。このツアーの最大の特徴は、10分ごとに会話の相手が変わる仕組みで、参加者全員と自然に話すことができる工夫がされていました。最初は緊張した面持ちの参加者たちも、何度か席を移動するうちに笑顔が増え、次第に距離が近づいていく様子が見られました。
・参加者の中には、25歳のときにシングルマザーとなり、現在は娘の自立をきっかけに自分の人生を楽しみたいと考える女性もいました。娘の就職が決まり、ふとした日常の空白に「パートナーがいれば、楽しみも倍になるのでは」と感じたことが参加の動機になったといいます。
・ツアーの途中で立ち寄ったホテルでの昼食では、彼女に対して早くも好意を寄せる男性が現れました。話しかけるタイミングや表情などからも、気持ちがしっかりと伝わってくる様子がありました。
・午前中の会話では特に印象に残らなかったという男性と、再び出会った午後の時間。今度は野球という共通の趣味がきっかけとなり、会話が弾み、笑顔が自然に交わされるようになりました。お土産店では並んでスイーツを選ぶ場面も映されており、距離の縮まり方がよく伝わってきました。
・ツアーの終盤では、マッチングアプリを通してお互いに「付き合いたい」と希望を出すシステムがあり、2人は見事にカップル成立。別れ際のバスの中でも親しげなやり取りが続き、自然体のまま関係を深めていった様子が印象的でした。
・驚くことに、番組によると2人はツアーから2週間後には三重県のテーマパークで再会し、すでに良好な関係を築いているとのこと。これは単なるイベントの一環としての出会いではなく、日常へとつながる出会いとして確かに実を結んでいることを示しています。
このように、熟年世代の婚活バスツアーは、ただの旅行イベントではなく「自然な出会いの場」として本格的に機能していることがわかります。参加者の表情や言葉、行動のひとつひとつから、年齢を重ねたからこそ生まれる穏やかな恋のかたちが描き出されていました。距離感や気遣いを大切にする姿勢、共通の趣味を通じたつながりの力が、熟年世代の恋愛にとっていかに大切かを伝える内容でした。
熟年世代専門マッチングアプリが急成長
今回の番組では、40歳以上を対象にしたマッチングアプリに注目が集まっていることが紹介されました。特に最近は、スマートフォンの操作に慣れた熟年層が増えてきたこともあり、登録者数はわずか半年で10倍という驚きの伸びを記録しています。
・アプリには、スマホでの自撮りが苦手な人のために自撮りサポート機能が搭載されており、プロフィール写真の登録ハードルを下げています。また、見た目だけでなく内面の相性や価値観の一致を重視する仕組みが設けられている点も、多くのユーザーから支持されている理由のひとつです。
・利用者の多くは「結婚」という言葉にとらわれすぎず、一緒に過ごせる穏やかな関係を築きたいという気持ちを持っています。番組で紹介されたアンケートでは、「相手が見つかったら結婚したい」と答えた人は男性56.3%、女性51%という結果に。つまり結婚したい人としたくない人がほぼ半々であることからも、今の熟年世代は“形式よりも中身”を重視する傾向が見て取れます。
・とくに女性の間では、「経済的な自立はしているけれど、気軽に話せる人がほしい」「旅行や趣味を一緒に楽しめる人がいれば十分」という声が多く、“茶飲み友達から始まる恋”のような関係性が支持されている印象です。
・一方で男性は、「一人暮らしが長くて寂しさを感じている」「病気や老後が不安で、支え合える人が必要」などの理由でアプリを活用している人が増えています。精神的なつながりを求める傾向が強くなっていることが、利用の動機からも明らかになっています。
アプリの普及によって、出会いのチャンスが一気に広がった熟年世代。「結婚するかどうか」よりも、「一緒にいて安心できるか」を大切にするこの世代だからこそ、無理のない出会い方が求められているのだと感じさせる内容でした。恋愛や結婚を再び前向きに考える人にとって、このアプリが“人生の後半の再出発”をサポートする一歩となっているようです。
若い頃と変わった恋愛観と結婚観
60歳の佐藤仁美さんは、現在5歳年上のパートナーと同居しています。25歳で一度結婚し、その後47歳で離婚。現在のパートナーとは離婚後に出会い、5年前から一緒に暮らしているとのことです。当時は恋愛が生活の中心で、心が揺れるような恋に夢中だったと振り返りながらも、今は「穏やかな日々をともに過ごすことの安心感」こそが何よりの幸せだと感じているようです。
・アンケート結果では、女性の第1位は「一緒に趣味を楽しみたい」でした。特別なイベントではなく、日常の中にある小さな楽しみを誰かと共有したいという思いが強くなっていることがわかります。たとえば、ガーデニングや散歩、映画鑑賞やカラオケなど、共通の時間を穏やかに重ねていける関係が望まれているのです。
・一方で、男性の第1位は「精神的な安定がほしい」というものでした。仕事や子育てから解放されたあと、ふと訪れる“孤独”を埋める存在として、心の支えとなるパートナーを求めている人が多いようです。若い頃に比べて外見や肩書きよりも、話を聞いてくれる相手、気兼ねなく過ごせる人に惹かれる傾向がはっきりと現れています。
・また、男女共通で第3位に「一人でいることが寂しい」がランクインしました。誰にも邪魔されない一人の時間を好むというイメージもありますが、それとは別に、「話しかけたいときに話せる人がそばにいる」「夕食を一緒に食べるだけでも気持ちが違う」など、小さなつながりが日々の生活を豊かにするという実感が、熟年世代には根強くあります。
このように、若い頃の恋愛ではときめきや刺激が重視されていたのに対し、今は「癒し」や「安心感」を大切にする恋愛や結婚観へと変化しています。形式にとらわれず、結婚してもしなくても、自分らしくいられる関係性を築けることが最も重要だと考える人が増えている様子が番組を通してよく伝わってきました。心の深い部分でつながり、寄り添い合う、そんな関係を求める時代がきているのかもしれません。
熟年結婚の壁:義理の親・子ども・相続
熟年世代が再び結婚を考える際、本人たちの意思だけでは乗り越えられない壁があることも事実です。今回の番組では、再婚に踏み切ったあとに起きたさまざまなトラブルが紹介されました。たとえば西田一さん(仮名・60歳)は、2度の離婚を経験し、1年前から婚活をスタート。真剣に結婚相手を探しており、結婚相談所のプロフィールにはあえて長年の貯金額を記載することで、安心してもらいたいという気持ちを表現していました。しかし、再婚となると相手だけでなく、その家族や親族の視線も気にしなければならず、現実はなかなか思うように進まないという状況が描かれていました。
・水原獏さん(仮名・59歳)は再婚を決意し、当初は幸せいっぱいの生活が始まりましたが、問題は息子との関係にありました。20代の息子と再婚相手との3人暮らしが始まったものの、息子が新しい母親を受け入れられず、食事にも一切手をつけないという事態に。これにより家庭内は気まずい空気に包まれ、本人たちの想定を超える壁に直面することとなりました。
・また、山村美佳さん(仮名・47歳)は夫の親との同居がきっかけで悩みを抱えるようになりました。結婚後、実母の介護のために自宅と実家を行き来する日々を送っていたところ、義理の父から「毎日実家に行く嫁に価値はない」と責められるようになったのです。その心の葛藤を漫画に描いてSNSで発信したことで、多くの共感が集まり、最終的には義理の親との同居を解消。現在は夫と2人で暮らすという形に落ち着いています。
・こうした例からも分かるように、熟年結婚においては親や子どもといった「家族の存在」が再婚を難しくする要因となることがあります。特に相続問題がからむと、当事者たちの気持ちとは無関係に親族からの反対や不信感が生まれることもあるため、注意が必要です。
・さらに結婚相談所の専門家からは、「持病を隠していた」「借金があることを伝えていなかった」「結婚してすぐに介護が必要になった」といった実例も紹介されました。熟年世代は人生経験が豊富な分、さまざまな背景を抱えていることが多く、それが再婚の場面で表面化するケースも少なくありません。
このように、たとえ2人の気持ちが固まっていても、再婚には「本人以外の人間関係」や「金銭・介護・価値観のズレ」など、多くの障害が存在していることが番組を通じて明らかになりました。熟年だからこそ冷静に、そして丁寧に周囲との調整を図りながら前に進むことが、穏やかな再出発のカギになるのかもしれません。
別居婚という新たな形の夫婦像
番組の終盤で紹介されたのは、昨年再婚した60代のご夫婦。2人は婚活バスツアーで出会い、意気投合。結婚へと発展しましたが、その後も奈良と神戸という別々の土地で暮らす「別居婚」というスタイルを選択しています。この選択の背景には、お互いの生活スタイルや家族環境を尊重する姿勢がしっかりとありました。
・夫婦それぞれが住み慣れた環境を持ち、地元の人間関係や習慣も異なる中、無理に同居をするのではなく、精神的につながりながらも生活の自由を保つという考え方がこの夫婦の中で自然に定着したようです。
・妻の側には家族への配慮がありました。再婚にあたって、すぐに家を離れるのではなく、子どもや親との関係にも十分な配慮をしながら、段階的にパートナーシップを築く姿勢が見られました。この点は、若い世代の結婚とは異なる、熟年世代ならではの落ち着いた判断と言えます。
・日々の生活は別でも、休日には動物園やテーマパークへ出かけるなど、一緒の時間を大切にする工夫が見られました。お互いの距離感を大切にしながらも、きちんと向き合い続ける姿に、今の時代に合った夫婦のかたちが映し出されていました。
・この事例を受け、山田昌弘教授は「アメリカでは熟年結婚に関するマニュアルや制度が整っている」と紹介。今後の日本でも、同様に熟年世代に適した結婚や暮らし方の選択肢が広がることが必要だと話しました。
このように、別居婚は新たな人間関係のストレスを避けつつ、心のつながりをしっかり保つ方法として、多くの熟年世代にとって魅力的な選択肢になりつつあります。再婚という人生の再スタートにおいて、形式にとらわれない柔軟な関係性を築くことが、これからの時代のスタンダードになるかもしれません。
自分を好きになるために「教えて先輩たち」
番組後半には「教えて先輩たち」のコーナーも。坂井真紀さん、伊達公子さん、湊かなえさんが「自分を好きになるには?」という悩みに真摯に答えました。伊達さんは「ハードルを下げる」、湊さんは「他人の人生と交換する想像をしてみる」、坂井さんは「今日の良かったことを10個あげてみる」とそれぞれの視点からアドバイスを送り、前向きに生きるヒントを伝えていました。
この日の『あさイチ』は、熟年世代にとっての“今の恋愛と結婚”を多面的に描いた充実した内容で、視聴者からもたくさんの感想や体験談が寄せられました。
いまオシ!LIVE 奈良・桜井市 春に潜入!春雨工場
今回の中継先は、奈良県桜井市にある春雨工場でした。奈良県は実は春雨の生産量日本一を誇る地域であり、1935年にはここで春雨の製造が本格的に始まりました。春雨という名前の由来は、白いでんぷんをお湯に流し込むときの様子が、春に降るやさしい雨のように見えたことから名づけられたそうです。
・春雨は、でんぷんと水を混ぜて作るところから始まります。工場では、この混合液を塊状にして穴の空いた装置に通すと、細長い春雨の糸がすーっと伸びていきます。その様子はまるで雨のしずくが糸のように落ちていくかのようで、見るだけでも楽しい工程でした。
・できたばかりの春雨は、まず熱湯でさっと茹でたあとに冷水にさらされます。この工程を行うことで、春雨が切れにくくなり、もちもちとした独特の食感が生まれます。
・さらに、この工場では春雨をマイナス20度の冷凍庫で2日間凍らせる工程があります。この冷凍のひと手間で、春雨の中に細かい空洞ができるため、調味料やスープの味がしみ込みやすくなるのだそうです。
・凍らせた春雨は、天日干しによってゆっくりと乾燥させます。急いで乾かすのではなく、自然の力を使ってじっくりと水分を抜くことで、しなやかでコシのある春雨に仕上がるとのことでした。
・併設のカフェでは、製造直後の「生春雨」を試食することができるそうです。しゃぶしゃぶにして味わったリポーターは、その食感を「やさしい歯ごたえで、もちもちとしている」と表現していました。
・春雨を使ったアレンジメニューも紹介されており、春雨焼売や春雨ボロネーゼなど、和と洋を融合させた料理が登場しました。焼売は中の具にしっかり味がしみており、春雨のプルンとした食感がアクセントになっていたとのこと。ボロネーゼでは、平麺のように幅広くした春雨が、ソースとよく絡んで食べ応えも満点だったそうです。
春雨はどこか脇役の印象がある食材ですが、奈良・桜井市では主役としての存在感を放っていることがよく伝わる中継でした。製造工程ひとつひとつに手間と工夫があり、それを生かした新しい料理も楽しめる場所として、訪れる価値のある工場だと感じました。
みんな!モルックだよ
今回紹介されたのは、フィンランド発祥のニュースポーツ「モルック」。モルックは木の棒を使って楽しむシンプルな競技でありながら、年齢・性別・体力を問わず楽しめるということで、今日本でも注目が高まっています。番組には日本代表として優勝経験を持つ河野靖信さんが登場し、競技のルールや楽しみ方を詳しく解説してくれました。
・モルックの基本ルールは、「モルック棒」と呼ばれる投げ棒を使って、1〜12までの数字が書かれた木のスキットル(ピン)を倒すというもの。2本以上倒せば倒れた本数が得点に、1本だけ倒れた場合はそのピンに書かれている数字がそのまま得点になります。
・この競技は単なる力任せのゲームではなく、ちょうど50点を目指して得点を調整しながらプレイする頭脳戦でもあります。50点を超えてしまうと、なんと得点が半分に減点されるルールがあるため、ラストスパートでは計算と戦略が必要になるのです。
・投げ方にもポイントがあり、モルック棒は横向きに広げて持ち、安定したフォームで投げることが大切です。河野さんによると、ボウリングのボールを投げるイメージで腕の振りを意識するとコントロールしやすいとのことでした。
・この日は、経験者の博多華丸さん・博多大吉さん・坪倉さんチームと、初体験の佐藤仁美さん・河野さんチームによる対戦が行われました。試合は白熱しましたが、最終的に佐藤さん・河野さんチームが29対15で勝利。ルールを覚えたばかりでも十分に勝負になるのが、モルックの魅力でもあります。
・ただし、注意点としては、3ターン連続で1本も倒せなかった場合は失格となるルールがあるため、力の入れどころと抜きどころのバランスも重要です。
モルックは道具もシンプルで、スペースがあればどこでも楽しめるスポーツ。子どもから高齢者まで幅広い層が一緒に楽しめるうえ、チーム戦でも盛り上がるため、家族レクリエーションや地域イベントにもぴったりの競技です。フィンランド発のこの遊びが、日本でも広がりを見せていることに納得できる、親しみやすく楽しいコーナーとなっていました。
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