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NHK【北海道スペシャル】冒険が僕らを強くする〜知床半島・羅臼ふるさと少年探険隊40回目の夏〜|2025年7月3日放送

ドキュメント

冒険が僕らを強くする〜羅臼ふるさと少年探険隊 40回目の夏〜|2025年7月3日放送

2025年7月3日にNHK総合で放送された「北海道スペシャル 冒険が僕らを強くする〜羅臼ふるさと少年探険隊 40回目の夏〜」では、北海道羅臼町で続く伝統の「ふるさと少年探険隊」の様子が紹介されました。今年で40回目を迎えるこの夏の冒険は、子どもたちが自然と向き合い、自分自身と向き合う特別な体験となっています。

羅臼ふるさと少年探険隊とは

「ふるさと少年探険隊」は、1981年から続く羅臼町の教育事業で、町内の小中学生が対象です。主催は羅臼町教育委員会、子ども会育成協議会、公民館が協力し、地元の自然を活かした本格的な野外体験を提供しています。

活動の目的は、以下のような力を子どもたちに育てることです。

  • 知床の自然を身体で感じる

  • 仲間と協力し合う力を学ぶ

  • 困難を乗り越えるたくましさを養う

  • 生きるための知恵と工夫を覚える

  • ヒグマなど自然の危険に対する意識を高める

子どもたちは、数日間電気もガスも使わず、自然の中で自炊や道具作りを体験します。初めての参加者でも安心できるよう、地元の大人や経験者がサポートします。

コース内容と特徴

探険隊には年齢や経験に応じた2つのコースが用意されています。

コース名 対象年齢 内容
わんぱくコース 小学4〜6年生 モイルス湾周辺での野外生活や自然体験、冒険の基礎を学ぶ
チャレンジコース 小学6年生以上 知床岬への踏破に挑戦、経験者が中心となり本格的な冒険に挑む

どちらのコースも5泊6日の本格プログラムで、電気やガスのない環境で生活しながら、仲間と助け合い、知恵を出し合って冒険を進めます。自然の厳しさを感じつつも、達成したときの喜びや自信は大きな宝物になります。

40年間続いてきた理由と地域の思い

「ふるさと少年探険隊」は、これまで累計約2,000人の子どもたちが参加してきました。多くの卒業生が、探険隊での経験を「人生の転機だった」と語っています。

地域の大人やスタッフたちは、子どもたちが安心して挑戦できるよう見守りつつ、必要なときにはサポートします。特に大切にしている考え方がこちらです。

  • 手は出さないが目を離さない

  • 失敗を恐れず挑戦させる

  • 仲間と協力する雰囲気づくり

これらの工夫で、子どもたちは自然の中で自ら考え、行動する力を身につけていきます。

また、大学生や市民ボランティアもスタッフとして参加し、子どもたちと一緒に学び、成長する場になっています。

地域にとっても、この活動はふるさとを誇りに思う気持ちを育む大切な機会です。知床の素晴らしい自然や、町の人々の温かさが次の世代へしっかりと受け継がれています。

7月29日 出発の朝

今年は小学生を中心とする「わんぱく隊」29人と、中学生7人の「チャレンジ隊」が参加。出発の朝はあいにくの雨でしたが、子どもたちは元気に5泊6日の冒険へと出発しました。目指すは9キロ先のベースキャンプ「モイレウシ湾」。その後、チャレンジ隊はさらに知床岬まで約22キロの道のりを進みます。

知床の自然に詳しい大人たちが同行しつつ、子どもたちが自分で考え、行動できるようサポートします。過去には大きな事故や怪我は一度もなく、安全に配慮しながら冒険が続いてきました。

この日、9時間半かけて最初のベースキャンプに到着。夕食には、探険隊名物のジンギスカンがふるまわれ、疲れた体をしっかりと癒しました。

7月30日 チャレンジ隊の本格的な冒険

2日目は曇り空でしたが、出発直前に雨も止み、いよいよチャレンジ隊が本格的に知床岬を目指す冒険をスタートしました。目標は岬で夕日を見ること。6キロ先の宿泊地「二本滝の番屋」を目指します。

知床の自然には道が整備されていない場所も多く、子どもたちは潮の引いた浅瀬道なき道を、自分でルートを探しながら進みます。途中、土砂崩れの跡が見られる場所もあり、自然の厳しさを感じながら歩きます。

番組内では、羅臼町出身のシンガーソングライター森大翔さんが登場し、自身も探険隊に参加した思い出から生まれた楽曲「いつか僕らは〜I Left My Heart in Rausu〜」が紹介されました。この曲には、ふるさとでの思い出や自然への愛情が詰まっています。

地元スタッフの思い

探険隊OBの下栃棚績さんは、今も毎年スタッフとして活動を支えています。下栃棚さんは、羅臼町の良さを広めたいという思いから、子どもたちに自然の素晴らしさやふるさとの魅力を伝え続けています。

また、スタッフの向口尚輝さんは、「自然の中には危険もあるけれど、ここでしかできない経験が子どもたちを成長させる」と語ります。リスクをしっかり考えた上で、子どもたちが自分の限界に挑戦できる環境を用意しています。

この日、子どもたちの間では「夕日に向かって好きな人の名前を叫ぶと結ばれる」という噂も広がっており、期待とドキドキが混ざる様子が見られました。

7月31日 最難関ルートに挑戦

3日目は、いよいよ知床岬を目指す最難関ルートを進みます。険しい岩場をいくつも越え、途中では「念仏岩」や「知床岬灯台」を通過。足場の悪い場所では、次々と落石が起こり、子どもたちは慎重に歩きます。

体力に不安のあった岡聡介くんも、仲間たちと助け合いながらなんとか最後まで歩ききりました。途中、海岸でヒグマと遭遇する場面もありましたが、スタッフがしっかり対応し、全員無事に進むことができました。

残念ながらこの日は天候に恵まれず、子どもたちが楽しみにしていた夕日は姿を見せませんでした。

8月1日〜8月3日 冒険の終わりとふるさとへの思い

今年で40回目を迎えた羅臼ふるさと少年探険隊は、無事に全行程を終えました。子どもたちは知床の自然の中で多くのことを学び、仲間と助け合いながら自分自身と向き合う時間を過ごしました。

8月3日、探険隊が町へ戻ると、大人たちが温かく迎え入れました。夢のような冒険の日々は終わりましたが、知床の自然とふるさと羅臼の魅力は、これからも子どもたちの心に生き続けていきます。

この夏、またひとつ、ふるさとの大切な思い出が刻まれたのです。

【ソース一覧】
羅臼町 ふるさと少年探検隊|子ども会育成協議会
北海道環境省 知床半島保護資料
JP01 羅臼町特集
知床財団公式サイト
NHK番組情報

歴代参加者のその後エピソード

ふるさと少年探険隊に参加した子どもたちは、そこでの経験をきっかけに大きく成長し、その後もふるさと羅臼や知床と深い関わりを持ちながら活躍しています。

まず、2018年の探険隊にスタッフとして参加した秋葉圭太さんのエピソードです。秋葉さん自身も子どもの頃に探険隊へ参加した経験があり、その思い出が今の活動に生きています。この年、秋葉さんはキャンプ地の整備や風呂づくり、ヒグマ対策のための電気柵の設置などを担当し、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりを支えました。

特に印象的だったのが、歩くことに不安を抱えていたS君とペアを組んだときの出来事です。S君は前年の探険隊でリタイアを経験し、今年こそは最後まで歩ききりたいという強い気持ちで参加していました。道中は険しい岩場や滑りやすい場所も多く、体力的にも精神的にも大きな挑戦でした。

・秋葉さんはS君のペースに合わせて歩き、途中で歌を歌ったり、ゲーム感覚で楽しませながらサポートしました
・S君は途中で何度も立ち止まりそうになりましたが、秋葉さんや仲間たちと励まし合い、ついに全員と一緒にゴールまでたどり着きました

S君の頑張る姿を見て、秋葉さん自身も胸が熱くなったと話していました。このように、探険隊は子どもたちだけでなく、大人にもふるさとへの誇りや成長の機会を与えているのです。

また、羅臼町出身の森大翔さんも探険隊の卒業生です。森さんは小学生の頃から探険隊に参加し、知床の大自然の中で多くの思い出を作りました。その経験が音楽活動にも影響を与え、18歳でプロのギタリストとしてデビューし、世界的なギターコンテスト「Young Guitarist of the Year 2019」で優勝する快挙を成し遂げました。

・森さんは探険隊でのキャンプファイアーの思い出や、仲間と助け合いながら困難を乗り越えた経験が、今の自分の音楽の原点だと語っています
・2025年の40回目の探険隊では、森さん自身がナレーションを務め、自らの体験を子どもたちや全国の視聴者に伝えました

森さんのように、ふるさとを離れても心に羅臼と知床の風景を刻み、ふるさとを大切に思い続ける人たちが多くいます。ふるさと少年探険隊は、世代を超えて地元の絆や自然への愛を受け継ぐ大切な場となっているのです。

【参考】
https://www.shiretoko.or.jp/express/4185.html
https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/29818
https://www.yamato-mori.com/news/nhk-hokkaido-narration/

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