激突メシあがれ〜自作グルメ頂上決戦〜チーズケーキ対決の全記録
チーズケーキが好きな人にとって、究極の一皿を作るための工夫や食材選びはとても気になるものです。2025年7月2日に放送された「激突メシあがれ〜自作グルメ頂上決戦〜」では、全国から選ばれた3人が「王道」と「オリジナル」2種類のチーズケーキで頂点を競いました。本記事では、3人の挑戦者の背景やこだわり、使われた食材、審査員の評価、そして優勝までを詳しく紹介します。放送を見逃した方や、チーズケーキ作りのヒントを探している方にも役立つ内容です。
番組の概要とテーマ
今回の舞台は、書類審査を通過した3人の挑戦者によるチーズケーキ対決です。テーマは「王道とオリジナル 2種の究極チーズケーキ」。審査員にはタサン志麻さん、田村浩二さん、安食雄二さんというプロの料理人3名が参加しました。挑戦者は1か月の試作期間を経て本番に挑み、1人前の食材費は1000円以内という条件も設定されています。王道は前日までに仕上げ、オリジナルは会場で調理するルールです。
愛知県・なおさんの挑戦
1人目の挑戦者は愛知県在住のなおさん(22歳)。農業高校出身という経歴を持ち、在学中から農作物の栽培や管理を学び、卒業後もその経験を活かして料理やスイーツ作りに取り組んできました。なおさんが得意とするのは、余計な装飾や複雑な味付けを排し、素材の持ち味を最大限に引き出すシンプルなチーズケーキです。今回のテーマ「王道」と「オリジナル」の2品のうち、特にオリジナル作品では、旬の甘みをとことん追求しました。
そのために選んだのが、愛知県内でも限られた農家で栽培されるとうもろこし「ゴールドラッシュ」。この品種は粒が大きく、皮が薄いため口に残らず、さらに糖度が高くジューシーな味わいが特徴です。とうもろこしは時間が経つと糖分が減ってしまうため、最も甘みが増す早朝から日の出直後のタイミングを狙って収穫する必要があります。本番前、なおさんは深夜に自宅を出発し、知多半島の畑へ向かいました。まだ薄暗い畑で丁寧に収穫したゴールドラッシュは、そのままかじってもスイーツのように甘い状態です。
このとうもろこしを、茹でてから粒を外し、ピューレ状にしてチーズケーキの生地に混ぜ込みました。火を通すことで香りがさらに引き立ち、ピューレの黄色が生地に自然な色合いを与えます。甘みは砂糖で強調するのではなく、素材本来の糖分で引き出すのがなおさん流。オリジナル作品「ふわとろチーズケーキ 朝どれとうもろこしとの出会い」は、とうもろこしの甘い香りとチーズのコクが一体となり、口に入れると軽やかに溶けていくような食感に仕上げられました。
一方、「王道」にはくちどけなめらかニューヨークチーズケーキを選択。低温でじっくりと焼き上げることで、生地はしっとりなめらかになり、チーズのコクとミルキーな風味が際立ちます。余計なトッピングはせず、焼き色の美しさをそのまま見せるシンプルなスタイルで、素材への自信を表現しました。
なおさんの2品は、味だけでなく食感のコントラストも魅力です。ニューヨークチーズケーキのしっとりと濃厚な食感と、とうもろこしチーズケーキのふわっと軽く舌でとろける感覚。この組み合わせは、食べる人に二度の驚きと満足感を与えるものでした。収穫から調理までのすべての工程において、素材への愛情と丁寧な仕事ぶりが光る挑戦となりました。
滋賀県・森川智子さんの挑戦
2人目の挑戦者は滋賀県在住の森川智子さん(57歳)。お菓子作り歴は40年以上に及び、これまで家族の誕生日や地域の集まり、友人への贈り物など、さまざまな場面でスイーツを作り続けてきたベテランです。そんな森川さんは、味はもちろんのこと、「見た目のかわいさ」を何より大切にしています。ケーキは食べる前からワクワクしてもらえる存在であるべき、というのが彼女の信条です。
今回の「王道」と「オリジナル」2種類のテーマに対して、王道として選んだのは「つみたていちごを使ったしっとり濃厚なベイクドチーズケーキ」。使用するいちごは、滋賀県の契約農家から取り寄せた「よつぼし」という品種で、甘味がしっかりありつつも、ほどよい酸味が特徴。鮮やかな赤色がケーキの表面に映え、見た目の美しさにも貢献しています。ベイクドチーズケーキは低温でじっくり焼き上げ、しっとりとした舌触りと濃厚なコクを実現しました。
一方、オリジナル作品として披露したのが「とろける大人のレアチーズケーキ いちごのレアチーズ大福を添えて」。レアチーズケーキのなめらかさに、ほんのり効かせたラム酒とレモンの香りが加わり、口の中でふわっと広がる大人の風味を演出しています。添えられたレアチーズ大福はいちごを丸ごと包み込み、もち生地のやわらかさとチーズのクリーミーさが一体となった新感覚の一品です。
森川さんの作品は、味の完成度の高さと見た目の可愛らしさが絶妙に融合していました。カットしたときに見える断面の美しさ、デコレーションの細部までこだわった飾り付け、そして食べ進めるごとに変化する味わい。どの要素も、長年の経験とお菓子作りへの情熱が詰まった仕上がりでした。
東京都・吉田園子さんの挑戦
3人目の挑戦者は東京都在住の吉田園子さん(28歳)。声優として舞台やアニメで活躍しながら、独創的なスイーツ作りにも情熱を注いでいます。日々の仕事で培った表現力や感性を、色や形、味の構成に取り入れるのが吉田さんのスタイルです。今回のテーマでも、その感性が存分に発揮されました。
王道として選んだのは、「Life is Delicious 真っ白なレアチーズケーキ」。雪のように白く仕上げた生地は、余計な色味を加えず、純粋なチーズの美しさとクリーミーな質感を際立たせています。甘さは控えめで、酸味とのバランスが絶妙。口に含むとふんわりと広がるミルキーな香りが特徴です。
一方、オリジナル作品は「Life is Delicious 黒いベイクドチーズケーキ」。インパクトのある黒色は竹炭パウダーによるもので、見た目から強い印象を与えます。竹炭特有の香りは抑えられ、あくまで色味の演出が目的。生地は低温でじっくり焼き上げ、ほろりと崩れるような食感を実現しました。
この2つは単体でも楽しめますが、吉田さんが目指したのは「2つを合わせて完成するデザート」という発想。真っ白と漆黒のコントラストが美しく、同時に味わうことでまろやかさとほろ苦さが交わり、新しい味の世界が広がります。チーズ特有のクセを抑えているため、普段チーズケーキをあまり食べない人でも抵抗なく楽しめるよう工夫されています。
吉田さんの作品は、見た目のインパクトと食べやすさの両立に成功しており、視覚と味覚の両面で強く印象に残る仕上がりとなっていました。
審査員の評価
試食審査では、3人それぞれの個性がはっきりと表れる結果となりました。プロの審査員であるタサン志麻さん、田村浩二さん、安食雄二さんは、味や食感、香り、見た目のすべてを総合的に評価しました。
まず森川智子さんの作品については、「ラムとレモンの香りのバランスがとても良い」というコメントが寄せられました。ラム酒の深みとレモンの爽やかさが絶妙に調和し、甘さの中に大人らしいアクセントを感じられる仕上がり。また、「これが食後に出てきたら最高」という声もあり、食事の締めとしての完成度が高く評価されました。
続いてなおさんの作品は、「食感がとにかくすばらしい」と絶賛されました。ニューヨークチーズケーキのなめらかさと、とうもろこしを使ったオリジナルケーキのふわとろ感が対照的で、それぞれの特徴が際立っています。さらに「とうもろこしの甘さがすごく生きている」との評価もあり、素材の魅力を最大限に引き出した点が高く評価されました。
最後に吉田園子さんの作品は、「2つを合わせて1つのデザートになる」という発想力が評価ポイントに。真っ白と黒のコントラストだけでなく、味の組み合わせによって新しい体験を生み出す工夫が光りました。また、「チーズの癖がなく食べやすい」というコメントもあり、幅広い層に受け入れられる味わいであることが確認されました。
このように、審査では単なる美味しさだけでなく、香りや食感、コンセプト性、食べるシーンに合わせた完成度までがしっかりと評価対象になっていました。
優勝の行方
結果発表では、なおさんが頂点に輝きました。とうもろこしを使ったオリジナルチーズケーキの発想力と、ニューヨークチーズケーキの食感の完成度が評価された形です。なおさんの作品は、素材の旬を最大限に活かし、味と食感の両面で高い評価を受けました。
まとめ
今回の放送は、チーズケーキという身近なスイーツの奥深さを改めて感じさせる内容でした。愛知県のゴールドラッシュ、滋賀県のよつぼし、竹炭パウダーといった個性豊かな食材選びは、家庭でのアレンジにも応用できます。番組で紹介された3人のアプローチは、それぞれが持つ経験や背景から生まれたもので、視聴者にとっても新しい発見が多かったはずです。次回はどんなテーマで食の頂上決戦が繰り広げられるのか、期待が高まります。
番組を見て感じたこと
それぞれのケーキには、作り手の人柄や価値観までもが映し出されていて、甘さや食感の奥に、その人の物語が感じられます。きらびやかな装飾ではなく、素材そのものの色や香りを生かした仕上がりは、見ていて安心感と信頼感を与えてくれました。「おいしい」の先にある「大切に味わいたい」という感情を引き出してくれるケーキは、そう多くはありません。
この3人が作るチーズケーキは、どれもそうした特別な一皿でした。食べた瞬間の喜びだけでなく、食べ終わった後にも余韻が残るような、優しくも力強い存在感。見終わった今でも、その香りや口溶けが心に残っていて、きっと長く記憶に刻まれるだろうと思います。
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