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NHK【あさイチ】浅草スイーツ&根津の街角緑!江戸カルチャー満喫のお江戸町歩きまとめ|2025年3月25日放送

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大河ドラマ「べらぼう」の舞台を巡る!浅草・亀戸・根津で江戸の粋を味わう町歩き|2025年3月25日放送回まとめ

2025年3月25日(火)放送のNHK「あさイチ」では、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の舞台をテーマに、東京・下町を歩きながら江戸のカルチャーを体感する特集が放送されました。橋本淳さんと前野朋哉さんが街に繰り出し、浅草・亀戸・根津といった江戸の風情が残る場所を訪ね、伝統と今が共存する“イマドキのお江戸”を紹介。放送は生放送で、この日が春の改編前ラストということもあり、番組冒頭では博多大吉さんがそのことにも触れていました。この記事では、放送内容をすべて詳しくまとめてご紹介します。

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浅草で出会う江戸の“おやつ”文化と街の歴史

浅草は、江戸時代のにぎわいを今に伝える下町として、観光客にも地元の人にも愛されている場所です。中でも注目されたのが、江戸時代の人たちが日常的に楽しんでいた「おやつ」の文化。今回の番組では、実際に浅草の街を歩きながら、その魅力に触れるシーンが紹介されました。

江戸の人々は、朝と夕の2食が基本だったため、日中にお腹が空いてくると軽食をとるのが当たり前でした。午後3時ごろにあたる「八つ刻」に食べることが多かったため、「おやつ」という言葉が生まれたとされています。浅草には、そんな昔の習慣から生まれた食べ物が、今も多く残っています。

なかでも注目されたのが団子、天ぷら、雷おこしといった伝統的なおやつ。これらは時代を超えて今も親しまれており、見た目や味を変えながら新しい形で楽しめるようになっています。

団子は、江戸時代から1本に4つ玉を刺すのが定番とされてきました。この形式はすでに当時から浸透していたと言われています。現代の浅草では、いちご、抹茶、スイートポテトなどを組み合わせたカラフルな団子も登場し、見た目もかわいらしく、味のバリエーションも豊富です。甘さの中にも素材の風味が感じられ、若い世代にも人気があります。

天ぷらは、屋台で手軽に食べられる軽食として親しまれてきました。現在のように定食として食べるというよりも、かぼちゃやさつまいもなどの野菜を軽く揚げたものが主流だったそうです。衣が薄く、素材の甘みが引き立つ味わいは、現代の天ぷらとは少し異なる素朴さがあります。浅草では食べ歩き用に提供している店舗もあり、ちょっとした小腹満たしにぴったりです。

雷おこしは、雷門のそばで昔から販売されていたことが記録に残る名物菓子です。名前は雷門にちなんでおり、パリッとした食感と香ばしい甘さが特徴です。お米を使った軽い食感は、子どもから年配の方まで楽しめる味で、観光客のお土産としても定番になっています。最近では味のバリエーションも増えており、チョコやピーナッツ入りなど現代風のアレンジも見られます。

番組では、これらのおやつをテーマに橋本淳さん、前野朋哉さん、佐々木芳史リポーターの3人が“おやつ三兄弟”として紹介され、それぞれが浅草の味を体験。江戸の知恵が今も残る浅草の魅力が映し出されていました。

浅草の“江戸おやつ”は、単なるグルメとしてだけでなく、当時の暮らしや文化、季節感を伝えてくれる貴重な存在です。見た目に楽しく、食べて美味しく、そしてどこか懐かしい――そんなおやつたちは、今もなおこの町の風景に自然と溶け込み、多くの人の心を和ませています。昔から変わらないものに触れながら、浅草の街を歩く楽しさを感じられるひとときです。

亀戸で味わう220年の発酵和菓子と浮世絵の魅力

東京・亀戸は、江戸時代から「梅の名所」として知られる歴史ある街です。そんな亀戸で今回紹介されたのが、創業220年のくず餅の老舗。このお店は、長い歴史の中で伝統を守りつつ、新たな挑戦も続けている注目の和菓子店です。

くず餅というと、関西では葛粉を使った透明でぷるんとしたお菓子が有名ですが、亀戸のくず餅はまったく別のものです。見た目は白く、弾力のあるもちもちした食感が特徴で、関東ならではのスタイルとなっています。

小麦粉のデンプン質を杉やヒノキの木樽で約450日間発酵させて作るという、手間と時間をかけた製法
発酵を利用した珍しい和菓子で、くせがなく、さっぱりした味わい
・素材の旨みを引き出す製法により、昔ながらの素朴さの中に奥深さが感じられる味

このくず餅を使った新しい取り組みとして、発酵の力を生かしたくず餅ドリンクも登場しています。これは、発酵中に偶然見つかった新種の乳酸菌を活用したもので、飲むことで腸内環境を整える効果も期待され、美容や健康に関心のある人からも注目を集めています。

・乳酸菌は、老舗の木樽から偶然発見された新種
・その乳酸菌を活かして開発された「飲むくず餅」は、さっぱりした後味で飲みやすい
・女性を中心に、体にやさしい和のドリンクとして人気が高まっている

また、くず餅屋のもうひとつの魅力が、店内に飾られた貴重な浮世絵コレクションです。この店舗のある場所は、江戸時代に浮世絵師として名を馳せた歌川国貞の旧宅跡でもあり、明治時代にその孫から土地を譲り受けたという由来があります。

店内の社長室には、亀戸を描いた浮世絵が数多く飾られており、それぞれの絵には描かれた当時の風景と共に、住所が細かく記されています。

・浮世絵には、実際の住所が記されているものも多く、現在も続く地名とつながる貴重な記録
・社長は、その浮世絵の住所に今住んでいる方に絵を譲ることもあるという、粋で心あたたまる交流を大切にしている
・橋本淳さんが演じている「北尾重政」の浮世絵を探すほど熱心だったことから、今回その絵の話題も取り上げられた

このくず餅店が持つ、和菓子と浮世絵という二つの伝統文化の融合は、江戸の美意識と現代の感性が共存する場ともいえます。甘味としてのくず餅を味わうだけでなく、壁に飾られた浮世絵から当時の町のにぎわいや人々の暮らしを想像する楽しみもあり、まさに“時間を味わう”体験ができる場所です。

くず餅と浮世絵。この二つを通して、亀戸という街が持つ歴史の深さと文化の豊かさが、自然に感じられる時間となりました。江戸の人々が大切にしてきたものを、令和の今にどう生かし、どう受け継ぐか。その答えが、この老舗店にはしっかりと残されていました。

令和に進化する浮世絵アートと木版画の世界

浅草寺の仲見世通り近くには、昔ながらの風情を残しつつも現代の感覚を取り入れた木版画専門店があります。そこでは、伝統的な浮世絵だけでなく、アニメやゲーム、SFの世界観などをモチーフにした「令和版の浮世絵」が数多く並び、特に外国人観光客に大人気となっています。

これらの現代浮世絵を手がけているのが、カナダ出身の木版画職人・デービットさんです。彼は28歳で来日し、40年以上にわたって日本の伝統文化に魅了されながら作品を作り続けてきました。デービットさんは、江戸時代に出版を通じて文化を広めた蔦屋重三郎に自らを重ねているそうです。彼が大切にしているのは「意味のある作品を作ること」。それが若い世代にも伝わり、長く残るアートにつながると信じて制作を続けています。

・浮世絵のモチーフは、現代のキャラクターやゲーム、さらには未来的な風景など
・制作はすべて手作業で、下絵の構想から版の彫り、摺りまでデービットさん自身が担当
・伝統的な技法を守りながらも、デザインは新鮮で、飾って楽しめるアートとして人気

こうした作品が生まれる背景には、木版画という技法の奥深さがあります。番組ではさらに、荒川区町屋にある摺師・松崎啓三郎さんの工房を訪問し、実際に摺りの工程を体験しました。

摺りの技術は一見シンプルに見えますが、実際は非常に繊細で、熟練の技が必要とされます。松崎さんは江戸時代と変わらぬ道具や技法で、色と色を重ねていく多色刷りを行っていました。

・絵の色には基本の5色(赤・黄・藍・緑・黒)を用い、混色して豊かな表現を作り出す
・摺るときには「見当」という目印を使い、紙をぴったりと版に合わせることでズレのない仕上がりになる
・刷毛の動かし方や紙の湿らせ方まで、細かく管理されていて、まさに職人技の世界

この工房では、橋本淳さんと前野朋哉さんも自ら浮世絵の摺りに挑戦しました。プロの摺師に教わりながら、下絵に合わせて版木に色を乗せ、丁寧に和紙へと転写していく工程は、単なる「体験」を超えた貴重な時間となりました。

2人が作った作品は、多少のズレがあったものの、それが逆に手作業ならではの味わいを生んでいました。完成した作品を見たときの達成感は、伝統工芸の奥深さを視聴者にも伝える力を持っていたように感じられました。

このように、令和の時代に生きる浮世絵は、昔の技を守りながらも、新しい視点や表現を取り入れた芸術へと進化しています。アートとして楽しめるだけでなく、実際に自分で作る体験を通じて、その魅力をさらに深く知ることができます。

現代の東京にあって、江戸時代の文化をこんなにも身近に感じられる体験ができることは、まさに“令和のお江戸体験”とも言える貴重なひとときです。伝統の中にある挑戦と創造が、今も変わらず息づいていることを強く感じさせてくれました。

根津で出会う“街角の緑”と人と人をつなぐ植物の力

最後に紹介されたのは根津。東京の中でも江戸の面影が色濃く残るこの街には、“街角園芸”と呼ばれる文化があります。家の前や路地に並べられた鉢植えや花壇は、住民一人ひとりの想いがこもった作品のようです。

園芸鑑賞家の村田あやこさんが案内したのは、築100年以上の家に住む浅海敏子さんのお宅。ここでは70鉢以上、50種類を超える植物が育てられており、どれもていねいに手入れがされています。

またお向かいに住む渡邉政江さんの家でも、花をきっかけに人が集まり、自然と井戸端会議が始まるなど、植物が人の心をつなぐ役割を果たしています。

さらに、杉山浩一さんの家には、近所の方が育てられなくなって預けたムクゲの木があり、それを10年以上世話しているとのこと。夏になると枝が広がりすぎないよう、地域の人々が自然と剪定を手伝うという、人と人とのつながりを感じるエピソードも紹介されました。

こうした暮らしの中の園芸は、単なる飾りではなく、地域の交流とやすらぎを育む文化として、現代の東京でもしっかりと根を張っています。

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