ウクライナ人が教える本格ボルシチ!家庭で作れる優しい味
2025年2月12日放送のNHK「あさイチ」内のコーナー「みんな!ゴハンだよ」では、ウクライナ料理家のナタリアさんが「やさしい家庭の味!ウクライナ人が教えるボルシチ」を紹介しました。ボルシチはウクライナを代表するスープで、ビーツの美しい赤色と、野菜や肉の旨みがたっぷり詰まった栄養満点の一品です。
ウクライナの家庭では、家庭ごとに異なる味があり、親から子へと受け継がれる伝統的な料理です。今回のレシピでは、日本の家庭でも作りやすいように工夫された調理法が紹介されました。煮込み時間を短縮する方法や、手に入りやすい食材で代用できるポイントなども解説されていました。
ボルシチとは?ウクライナの伝統的な家庭料理
ボルシチは、ウクライナやロシア、ポーランドなどの東欧地域で親しまれているスープで、主にビーツを使って作られます。ビーツの赤い色が特徴的で、味わいは甘みと酸味が絶妙に調和した奥深いものです。ウクライナでは、家庭料理の代表格であり、「ボルシチなしでは食卓は完成しない」と言われるほど日常的に食べられています。
ボルシチの基本的な特徴として、以下のポイントが挙げられます。
- ビーツの甘みと酸味が調和した独特の風味
- 野菜と肉の旨みがスープに染み込み、栄養価が高い
- 作り置きに向いており、時間が経つほど味がなじんで美味しくなる
- サワークリームを加えることでまろやかな味わいになる
ボルシチはウクライナ国内でも地域ごとにさまざまなバリエーションがあり、肉を入れるタイプや、魚を使ったもの、野菜だけで作るビーガンボルシチなど、家庭の味が反映されたレシピが存在します。
日本の家庭で作りやすいボルシチのポイント
本場のボルシチは、牛肉や豚肉のだしをじっくり煮込み、数時間かけて作ることが多いですが、日本の家庭でも手軽に作れるように工夫することができます。
- ビーツの代用:生のビーツが手に入りにくい場合は、水煮の缶詰を使うと便利です。缶詰の汁もスープに加えると、赤色がしっかりと残り、風味も引き立ちます。
- 煮込み時間の短縮:圧力鍋や炊飯器の煮込み機能を使うと、肉が短時間でやわらかくなり、旨みがしっかり出ます。
- 肉の選び方:牛肉や豚肉が一般的ですが、鶏肉を使うとあっさりとした仕上がりになり、食べやすくなります。
- 酸味の調整:本場では発酵キャベツ(ザワークラウト)を加えることもありますが、日本では酢やレモン汁を少し加えて酸味を調整できます。
- サワークリームの代用:サワークリームが手に入らない場合は、プレーンヨーグルトで代用すると、まろやかさを加えることができます。
ボルシチの材料(4人分)
【A】スープのベース
- 豚肩ロース塊肉(400g)(一口大に切る)
- たまねぎ(小1個・100g)(※だし用・食べてもOK)
- ローリエ(1枚)
- 水(2リットル)
- じゃがいも(3個・450g)(一口大に切る)
【B】炒める野菜
- たまねぎ(小1個・100g)(薄切り)
- ビーツ(200g)(細切り)
- にんじん(150g)(細切り)
- 赤ピーマン(60g)(粗みじん切り)
- にんにく(1かけ)(みじん切り)
- トマトソース(100g)(市販のもの)
- キャベツ(100~150g)(せん切り)
【調味料・仕上げ】
- 塩・こしょう(適量)
- オリーブ油(適量)
- サワークリーム(適量)(仕上げ用)
ボルシチの作り方
1. スープのベースを作る
- 鍋にAの材料(豚肩ロース、たまねぎ、ローリエ、水、じゃがいも)を入れ、強火にかける。
- 沸騰してアクが出てきたら、こまめに取り除く。
- 中火にして約30分煮込み、肉の旨みをスープに引き出す。
2. 野菜を炒める
- フライパンにオリーブ油(大さじ1)を入れ、中火で加熱する。
- たまねぎを入れ、香りが立つまで炒める。
- ビーツとにんじんを加え、しんなりするまで炒める。
3. じゃがいもでスープになじませる
- 1の鍋からじゃがいも(1/6量)を取り出し、フォークなどでつぶす。
- つぶしたじゃがいもを鍋に戻し、全体に混ぜてとろみをつける。
4. 炒めた野菜を加えて煮込む
- 炒めたたまねぎ・ビーツ・にんじんを鍋に加える。
- 火を強めて沸騰させたら、中火にし、3分間煮込む。
5. トマトソースの風味を加える
- フライパンにオリーブ油(小さじ1)を入れ、弱めの中火で加熱する。
- にんにく・赤ピーマンを炒め、香りを立たせる。
- トマトソース(100g)を加え、ひと煮立ちさせる。
- 鍋に移し、軽く煮てスープになじませる。
6. キャベツを加えて仕上げる
- キャベツを鍋に加える。
- 弱めの中火で、好みのかたさになるまで煮る。(シャキシャキ感を残したい場合は短時間、柔らかくしたい場合はじっくり煮込む)
- 最後に塩・こしょうで味を調える。
7. 盛り付け
- 器に盛りつけ、サワークリームをのせて完成。
- スープにサワークリームを混ぜながら食べると、よりクリーミーでコクのある味わいになる。
じっくり煮込むことで、野菜の甘みと豚肉の旨みが溶け込んだ、深い味わいのボルシチになります。炒める工程を丁寧に行うことで、スープにコクが加わるのもポイントです。ぜひ本場の味を楽しんでみてください!
美味しく作るためのポイント
ボルシチは煮込み料理なので、時間をかけるほど味がなじみます。特に翌日になると、具材の旨みがスープにしみ込み、より美味しくなります。美味しく作るためのポイントを押さえておくと、より本格的な味に仕上がります。
- ビーツの調理法:ビーツはあらかじめ柔らかくなるまで煮てからスープに加えると、甘みが引き立ちます。
- 肉の下ごしらえ:肉は一度下茹でし、アクを取ってからスープに入れると、雑味がなくなりスープが澄んだ仕上がりになります。
- 酸味のバランス:トマトの酸味が強すぎる場合は、少し砂糖を加えるとまろやかになります。
ボルシチの楽しみ方
ウクライナでは、ボルシチは食事のメインディッシュとしても、前菜としても食べられます。日本でも、パンと一緒に食べたり、ごはんと合わせて食べたりと、さまざまな楽しみ方ができます。
- パンとの相性抜群:ライ麦パンやバターを塗ったパンと一緒に食べるのが定番です。
- 副菜を添えて:ピクルスやザワークラウトを添えると、さっぱりとした味わいが加わります。
- 温め直すとさらに美味しい:翌日になるとスープが具材にしみ込み、より深い味わいになります。
ボルシチは栄養価が高く、寒い季節には体を温めてくれる一品です。日本の家庭でも簡単に作ることができるので、ぜひ試してみてください。
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