大人もハマる!絵本の魅力とは?
2025年2月5日のNHK総合【あさイチ】では、「心がほどける…オトナに人気の絵本」 をテーマに、名作から話題の新作まで幅広い作品が紹介されました。
絵本といえば子ども向けのものと思われがちですが、最近では大人の心を癒やすツールとしても注目されている そうです。都内の書店では、絵本コーナーが大人の女性たちで賑わいを見せており、童心に帰るひとときを楽しんでいる とのこと。
特に人気なのは、「わかったさんシリーズ」 や 「パンどろぼう」 などの懐かしの名作。さらに、「絵本が子育てのプレッシャーから救ってくれた」 という体験談も紹介され、絵本には大人のストレスを和らげる効果があること が改めて注目されました。
大人がハマる名作絵本とは?
番組では、特に大人からの支持が厚い名作絵本 が紹介されました。子どもの頃に読んでいたからこそ、大人になってから改めて読むと、その奥深さやメッセージの重みをより強く感じる作品 が多くあります。
100万回生きたねこ(佐野洋子・講談社)
何度も生まれ変わる猫の物語。生と死、愛と孤独のテーマが大人の心に刺さる一冊 です。
- 子どもの頃:「何度も生き返る猫ってすごい!」
- 大人になって読むと:「本当の愛を知ったとき、命の価値が変わるという深いメッセージに気づく」
- 人生経験を積むほどに感じることが増える絵本
特に、「本当に愛したときにだけ、心からの生きがいを感じる」 というメッセージは、大人にとっても深く響くものがあります。
スイミー(レオ・レオニ・好学社)
小さな魚が仲間と協力しながら強く生き抜く物語。社会での生き方や協力の大切さを学べる 絵本です。
- 子どもの頃:「みんなで協力すれば怖くない!」
- 大人になって読むと:「個々の力を合わせることで、大きな目標を達成できるという教訓がある」
- 社会での生き方を示唆している作品
スイミーは、小さな魚でありながらも「知恵と工夫で困難を乗り越える力」*を持っています。大人になると、「チームワークの大切さ」や「一人のアイデアが大きな成果を生むこと」を改めて考えさせられます。
ウォーリーをさがせ!(マーティン・ハンドフォード・フレーベル館)
細かいイラストの中からウォーリーを探す楽しさがあり、脳トレにも最適な一冊 です。
- 子どもの頃:「見つけるのが楽しい!」
- 大人になって読むと:「集中力や観察力が鍛えられるし、隠されたストーリーを発見するのも面白い」
- 家族や友人と一緒に楽しめる要素が詰まっている
大人になると、ウォーリーを探すことだけでなく、背景に描かれているユニークなキャラクターや物語を見つけるのも楽しみの一つ になります。
ぐるんぱのようちえん(西内ミナミ・堀内誠一・福音館書店)
何度も失敗しても諦めないゾウの物語。自己肯定感を高め、挑戦する勇気を与えてくれる 一冊です。
- 子どもの頃:「ゾウがいろいろ作って楽しい!」
- 大人になって読むと:「失敗を恐れずに挑戦し続けることの大切さに気づく」
- 「何度も失敗しても、最後には居場所が見つかる」という希望のメッセージ
ぐるんぱのようちえんは、大人になっても転職や挑戦の際に励まされる 作品。新しいことにチャレンジする勇気をもらえる絵本です。
ぼちぼちいこか(マイク・セイラー・偕成社)
何度も失敗するカバが主人公。「焦らず、のんびりいこう」というメッセージが込められている 一冊です。
- 子どもの頃:「カバがいろんなことをして失敗するのが面白い」
- 大人になって読むと:「焦らなくても大丈夫。自分のペースで進んでいいんだ」と思える
- 「何度失敗してもいい」「自分らしく生きることが大事」という安心感を与えてくれる
「完璧じゃなくていい」「失敗してもいい」というメッセージが、ストレスの多い現代社会で生きる大人たちに響く絵本です。
話題の絵本作家・ヨシタケシンスケさんの魅力
今、特に注目されているのが、ヨシタケシンスケさんの絵本 です。累計600万部以上を売り上げ、世界17カ国以上で翻訳されるほどの人気 を誇っています。子どもだけでなく、大人の読者にも愛されている理由は、シンプルな言葉と可愛いイラストの中に、深いメッセージが込められているから です。
ヨシタケシンスケさんの絵本の特徴
- 哲学的なテーマを、ユーモアを交えながら伝える
- シンプルな言葉でも、読むたびに新しい発見がある
- 「こうあるべき」という固定観念をゆるやかにほぐしてくれる
- 子どもだけでなく、大人の心も癒し、励ましてくれる
特に、「生きることの選択肢の多さ」や「不安との向き合い方」について、優しく語りかける作風 が、現代の大人たちの心をとらえています。
ヨシタケシンスケさんの代表作とその魅力
にげてさがして(ポプラ社)
「自分を守るために逃げてもいい」というメッセージ を伝えてくれる一冊。
- 「逃げることは悪いことじゃない」と肯定してくれる
- 「しんどい時は逃げてもいい」と思えることで、気持ちが楽になる
- 日常の中で「頑張りすぎている人」にこそ読んでほしい作品
この本に救われたという人も多く、特に仕事や育児、介護などに追われている大人が、読んでほっとする一冊 になっています。
このあと どうしちゃおう(ブロンズ新社)
「これからの人生をどう生きるか?」を考えさせてくれる作品。
- 未来について不安を抱えている人の心に寄り添う
- 「完璧じゃなくてもいい」「なんとかなるかも」と思える内容
- 「自分の人生をどうデザインするか」を考えるヒントになる
ヨシタケシンスケさんの絵本は、一見シンプルな絵柄と優しい言葉で語られていますが、その裏には「自由な発想」や「不安との向き合い方」が込められている のが魅力です。
ヨシタケシンスケさんの絵本に救われた人たち
番組では、ヨシタケシンスケさんの絵本に出会い、子育てや介護のストレスから救われた という女性のエピソードが紹介されました。
- 子どもが小さい頃、両親が相次いで認知症になり、14年間の介護生活が続いた
- 姉の介助もするようになり、心の余裕がなくなっていた
- そんなとき「にげてさがして」を読んで、「逃げることも選択肢のひとつ」と気づき、心が軽くなった
- 家族に相談することで、自分の時間を持てるようになり、念願だった海外旅行にも行けた
「絵本は子どもだけのものではない」ということを実感させてくれるエピソードです。読む人の心をそっと包み込む優しさや温かさ が、ヨシタケシンスケさんの作品の魅力だといえるでしょう。
なぜ大人は絵本に惹かれるのか?
番組では、「なぜ大人が絵本を求めるのか?」 というテーマについても掘り下げられました。
近年、大人向けの絵本が増えている背景には、「心の癒し」や「生き方のヒントを得たい」というニーズがある ようです。
大人が絵本を求める理由
✅ 癒しを求める
→ 忙しい日々の中で、童心に帰ることでストレスから解放される。懐かしい絵本を手に取ることで、子どもの頃の純粋な気持ちを思い出せる。
✅ シンプルな言葉が心に響く
→ 絵本は短い文章でも、大切なことを伝えてくれる。難しい説明なしに、本当に必要なことを思い出させてくれるのが魅力。
✅ 視覚的に楽しめる
→ 美しいイラストや温かみのある色使いが、心を落ち着かせる効果 もある。絵を見るだけで物語を感じられるため、活字が苦手な人にも読みやすい。
✅ 読むたびに新しい気づきがある
→ 子どもの頃に読んでいた絵本でも、大人になってから読み返すと全く違う解釈ができる。人生経験を重ねた分、深く感じる部分が増えるのも魅力。
✅ 共感できるテーマが多い
→ 近年の絵本は、仕事・人間関係・生き方の悩みなど、大人の心にも刺さるテーマが増えている。
日本は「絵本大国」!時代とともに変化する絵本のテーマ
日本では、年間約2,000冊もの新作絵本が発売される と言われています。 これほど多くの絵本が生まれるのは、日本人がいかに絵本を大切にしているかの表れともいえます。
時代によって人気の絵本のテーマも変化しているのが特徴です。
- 2000年代:「泣ける」
→ 感動系のストーリーが多く、読んで涙する作品がヒット した時期。 - 2010年代:「日常を見つめる」
→ ありふれた日常の中にある幸せや気づきをテーマにした作品が増加。 - 2020年代:「笑い&実用」
→ 読んでクスッと笑えるユーモア系や、役に立つ知識を得られる実用的な絵本がトレンドに。
2020年代の人気絵本
📖 大ピンチずかん(小学館)
→ 子どもの日常のトラブルをユーモラスに描いた作品。「こんなときどうする?」を楽しく学べる。
📖 まほうのわくわくおにぎり(パプリカピーマン)
→ 食育の観点からも注目される実用的な絵本。おにぎりを通じて、食の楽しさを伝える内容。
このように、時代の流れとともに、大人が共感しやすい絵本のテーマも変わってきている ことが分かります。
「ぼちぼちいこか」― 失敗を肯定する絵本
番組では、「ぼちぼちいこか」 という絵本が、特に大人にとって励みになる作品 として紹介されました。
この絵本の主人公は カバ。彼はパイロットや消防士、ピアニストなどさまざまな職業に挑戦しますが、ことごとく失敗してしまう という内容です。普通なら落ち込んでしまいそうな状況ですが、「まぁ、なんとかなるさ」と前向きに受け止める ところが、この絵本の最大の魅力です。
「ぼちぼちいこか」が大人の心に響く理由
✅ 失敗してもいい、という安心感
→ 社会に出ると、「失敗=ダメなこと」と思いがちですが、この絵本は 「失敗しても大丈夫」 というメッセージを伝えてくれます。
✅ 焦らなくてもいい、という優しさ
→ タイトルの「ぼちぼちいこか」には、「ゆっくり、自分のペースで進めばいい」という温かい励まし が込められています。
✅ 笑いながら読めるのもポイント
→ カバがいろんな職業に挑戦するものの、思わぬ形で失敗するユーモラスな展開 に、クスッと笑ってしまう人も多いはず。失敗を「ネガティブなもの」として描かず、楽しいエピソードとして見せている のが魅力です。
✅ 子育てや仕事に悩んでいる人の心を軽くする
→ 番組では、「子育てに悩んでいた時、この本に出会って気持ちが楽になった」 という体験談も紹介されました。子どもを完璧に育てなければいけないとプレッシャーを感じていた親御さんが、「失敗しても大丈夫」と気づき、焦らず自分のペースで進めばいい んだと気づかせてくれる一冊になっています。
✅ なぜ大阪弁なのか?
→ 実は原作には「NO!(ダメだった)」というフレーズが繰り返し登場します。しかし、日本語に訳す際に、「ネガティブな印象を与えず、もっと柔らかい表現にしよう」と考えられ、大阪弁の「ぼちぼちいこか」に決まったのだそうです。
どんな人におすすめ?
- 仕事や人間関係でプレッシャーを感じている人
→ 失敗しても大丈夫、という気持ちになれる。 - 子育てに悩んでいる人
→ 「完璧じゃなくていい」と思わせてくれる。 - 新しいことに挑戦しようとしている人
→ 「うまくいかなくても、またやればいい」と勇気がもらえる。 - 毎日を頑張りすぎている人
→ 「ちょっと肩の力を抜いて、気楽にいこう」と思える。
まとめ
今回の【あさイチ】では、オトナに人気の絵本の魅力 を深く掘り下げ、さまざまな作品が紹介されました。
- 懐かしの名作から最新の話題作まで、絵本の世界は幅広い
- シンプルな言葉が大人の心に響く
- ストレスや悩みを和らげる「癒しの時間」として、絵本を手に取る人が増えている
どんな絵本にも、それぞれの「気づき」や「癒し」 が詰まっています。あなたにとっての「マイベスト絵本」は何ですか?ぜひ、もう一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
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