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【クローズアップ現代】精神疾患600万人の現実と家族の負担|支援の必要性とは?|2025年2月12日放送

社会

精神疾患600万人の現実と家族の支え方

2025年2月12日放送の「クローズアップ現代」では、日本国内で600万人以上が抱える精神疾患について取り上げました。精神疾患は患者本人だけでなく、家族にも大きな負担がかかる病気です。しかし、多くの家族が「周囲に助けを求めづらい」と感じており、孤立してしまうケースが多くあります。

番組では、精神疾患を抱える家族の現状や悩み、家族がどのように支えられるのかについて詳しく紹介されました。特に、最近注目されている精神科の訪問看護や、海外での支援制度についても取り上げられました。日本においても、こうした仕組みを広めることで、患者とその家族をより良い形で支えることができるかもしれません。

精神疾患を抱える家族の現状

番組では、精神疾患を抱える家族がどのような苦労をしているのか、具体的なケースをもとに紹介されました。

・双極症の妻を支える男性の話では、妻は学生時代から気分の浮き沈みが激しい症状がありましたが、結婚当初は比較的症状が落ち着いていました。しかし、出産後の育児ストレスをきっかけに症状が悪化。躁状態と鬱状態を繰り返すようになり、夫自身も精神的に追い詰められ、1か月間休職せざるを得なくなりました。
・統合失調症を抱える妻を支える高齢男性の話では、妻が強い不安を感じると妄想が現れる症状があり、感情のコントロールが難しくなることもありました。夫自身も高齢になり、最近は体調を崩しやすくなったため、「自分が介護できなくなったら、妻はどうなるのか」と将来に対する不安を抱えています。

このように、精神疾患を抱える家族の多くは、患者本人のケアだけでなく、自分自身の健康や生活の維持にも苦労しています。家族がサポートを続けるためには、適切な支援が不可欠です。

家族を支える訪問看護とは

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精神疾患を抱える患者とその家族を支える方法の一つとして、精神科の訪問看護が注目されています。訪問看護は、看護師が定期的に患者の自宅を訪問し、以下のようなサポートを行います。

・患者の体調や精神状態の確認
・服薬の管理
・日常生活のサポートやアドバイス
・家族へのケアの相談

番組で紹介された男性も、現在は週4回の訪問看護を利用することで、妻の病状が安定し、再入院を防ぐことができています。訪問看護を利用することで、家族の負担を軽減しながら、患者が自宅で安定した生活を送れるようになります。

しかし、日本では訪問看護を利用している家庭はまだ少なく、認知度も十分ではありません。訪問看護が広まることで、より多くの患者と家族が救われる可能性があります。

精神疾患に対する偏見と社会の理解

精神疾患に対する社会の理解が不十分であることも、患者や家族を孤立させる要因のひとつです。番組では、精神科医の夏苅郁子さんが、日本における精神疾患の治療の難しさについて指摘しました。

・精神疾患を持つことを恥ずかしいと感じ、医療につながることをためらうケースが多い
・家族も周囲に相談しにくく、孤立しやすい
・社会全体の偏見が強く、精神疾患について話しづらい雰囲気がある

また、ベトナムと日本での精神疾患に対する偏見を比較した調査では、精神科病院の数が少ないベトナムの方が、精神疾患に対する偏見が少ないことが明らかになりました。ベトナムでは、精神疾患を持つ人が身近にいることが多いため、「特別なことではない」という意識が根付いているのです。

日本でも、精神疾患に関する正しい知識を広め、偏見をなくす努力が必要です。

家族の将来への不安と支援の必要性

精神疾患患者を支える家族が高齢になったとき、最も大きな問題となるのが「自分がいなくなった後、患者を誰が支えるのか」ということです。

・高齢の夫が統合失調症の妻を支えているケースでは、夫自身の体調が悪化しており、将来のケアに対する不安が大きい
・番組のアンケートでも、多くの家族が「今後の支援体制が不安」と答えている

大阪大学の蔭山正子教授は、イギリスの「クライシスインターベンション」という制度を紹介しました。

・医師、看護師、ソーシャルワーカーなどが24時間体制で家庭訪問を行う
・緊急時にも迅速に対応できる仕組みがある

日本でもこうした仕組みを取り入れることで、家族の負担を減らし、患者が安心して生活できる環境を作ることが求められています。

まとめ

現在、日本には600万人以上の精神疾患患者がいるとされ、その家族も大きな負担を抱えています。しかし、多くの家族は「周囲に助けを求めづらい」「誰にも相談できない」と感じ、孤立してしまうことが少なくありません。

この状況を改善するためには、以下のような取り組みが必要です。

・訪問看護の利用を広め、患者と家族の負担を減らす
・精神疾患に対する社会の理解を深め、偏見をなくす
・高齢化する家族を支えるための制度を整える

精神疾患は誰にでも起こりうる病気です。社会全体で理解を深め、支え合う環境を作ることが、患者とその家族が安心して暮らせる未来につながります。

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