春行きたい熱海温泉スイーツ&ビックリ干物も♪熱海の魅力を徹底紹介|2025年4月3日放送
2025年4月3日放送のNHK『あさイチ』では、「愛でたいnippon 静岡」企画として、春に訪れたい観光地・静岡県熱海市が特集されました。熱海は東京から新幹線で約40分、年間約320万人が訪れる温泉地として知られ、今では若者から年配の方まで幅広い世代に人気の観光地です。今回の放送では、定番の温泉に加え、行列必至のスイーツ、新感覚の干物、個性派ホテル、そしてパワースポットなど、熱海の知られざる最新の魅力が紹介されました。
若者も夢中!熱海で進化するスイーツ文化
熱海駅前を歩くと、スイーツを片手に歩く人たちの姿が目立ちます。その中心にあるのが「熱海プリン」です。レトロなガラス瓶に入ったプリンは、見た目も可愛くて写真映えすると評判で、多い日には1日8000個以上売れる大人気商品です。甘さ控えめでとろけるような食感が特徴で、別添えのカラメルシロップで好みの味に調整できる点も支持されています。お店の前にはプリンを背景に撮影できるフォトスポットもあり、訪れる人が絶えません。
最近では、観光地としての熱海の魅力をさらに高める存在として、大人向けの高級スイーツも登場しています。昨年オープンした完全予約制のパフェ専門店はその代表格です。このお店では、予約したお客さま一人一人にスタッフがつき、丁寧にメニューを案内しながら、好みに合うドリンクを提案してくれます。選ばれるドリンクは、パフェの甘さや香りとのバランスを考えて決められており、まるでコース料理のような体験ができます。
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店内は落ち着いた空間で、席と席の間隔も広く確保されており、静かにスイーツを楽しめる
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提供されるパフェは季節のフルーツや厳選素材を使用し、見た目の美しさと味の深さが両立している
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スタッフの所作も丁寧で、まさにおもてなしの心を感じられる演出が随所にある
このパフェ専門店を立ち上げたのは、創業200年を超える熱海の老舗旅館です。これまで多くの文人や著名人をもてなしてきた旅館であり、中でも映画監督・黒澤明が常連だったことでも知られています。その歴史と誇りを引き継ぎつつ、現代の観光客にも気軽に熱海らしい贅沢さを感じてほしいという想いから、あえてスイーツという形で新たな挑戦を始めました。
このように、熱海のスイーツ文化はただ“甘い”だけではなく、おもてなし・演出・歴史といった要素を融合させながら進化しています。若者たちが集まるのはもちろん、大人もじっくりと味わえる場所として、多くの世代から支持されているのが現在の熱海の姿です。
驚きの進化!“ハイパー干物”が熱海名物に
熱海の魅力の一つとして知られる干物が、今、まったく新しい形で注目を集めています。その中心にいるのが、“ハイパー干物クリエイター”の藤間義孝さんです。藤間さんが作る干物は、これまでの常識を覆すような発想と技術で、多くのファンを生み出しています。
特に話題となったのが、ネット通販で1年半待ちという希少な干物たちです。取り扱っているのは、メバチマグロの大トロやエビ、ウナギなど、一般的な干物ではあまり見かけないような魚種ばかり。しかもそれぞれの魚の特性に合わせて、最適な処理方法と味付けを細かく調整しています。
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脂の多い魚には塩水漬けではなく「振り塩」で味を整えることで、素材の旨みを逃がさない
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エビにはオキアミを使った魚醤で風味を加える
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ウナギには塩麹を使ってまろやかな塩味をプラスする
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味の入りにくい部位には切れ目を入れたり、乾燥時間を工夫して調整
これらの丁寧な工夫により、外側と中心部で味の変化が楽しめる干物が完成します。実際にスタジオで紹介された試食では、メバチマグロの干物は“脂のバランスがちょうど良い”とされ、エビやウナギの干物も“旨味と風味が生きている”と絶賛されました。
藤間さんがこの仕事に“ハイパー”という肩書きをつけたきっかけは、娘に職業を聞かれたこと。当時テレビで流れていた「ハイパーメディアクリエイター」にちなんで名乗ったそうです。それが今では、30種類以上のオリジナル干物を手がけるトップクリエイターとして全国から注文が殺到する存在に。しかも、5年前からは娘さんも干物づくりに加わり、家族で支える温かい店づくりが続いています。
さらに熱海市内では、こうした新しい干物の楽しみ方が広がっています。
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商店街では、買った干物をその場で焼いてくれるサービスが好評
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干物を使った燻製バーガーやオープンサンドなどの新メニューも登場
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老舗の干物屋がダイニングとしてリニューアルし、地元客や観光客が集う空間に変化
これらの取り組みによって、かつて20軒以上あった「ひもの銀座」と呼ばれたエリアも再び注目され、一時期減少していた干物文化の再生が始まっています。伝統を守りながらも進化を続ける“ハイパー干物”は、熱海を代表する名物として、これからも注目されていきそうです。
パワースポットと復興の希望…來宮神社と伊豆山
熱海の中でも特に多くの人が訪れる観光スポットが來宮神社です。この神社の境内には、樹齢2100年以上といわれる本州最大級の大楠(おおくす)がそびえ立っています。その幹は直径24メートルにもなり、見る者を圧倒する存在感です。この大楠のまわりを一周すると寿命が延び、願いを秘めて一周すれば願いが叶うと伝えられています。
現在の20代目宮司・雨宮さんは、この大楠を中心に地域の観光を活性化させようと取り組んでいます。
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大楠の眺めをゆっくり楽しめる有料休憩スペースを設置
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大楠をモチーフにしたオリジナルのロールケーキやお守りを企画
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境内にはカフェも設けられ、参拝と一緒に落ち着いた時間を過ごせる空間づくりを進行中
神社そのものが観光の目的地となるような発信を行っており、昨年だけでも約90万人が來宮神社を訪れました。こうした取り組みによって、伝統ある神社が現代の観光客にとっても身近な存在になっています。
一方で、伊豆山地区も今回の番組で取り上げられました。2021年の土石流災害で大きな被害を受けたこの地域ですが、地元出身の高橋一美さんがボランティア団体を立ち上げ、復興活動を行ってきました。現在では、地域の人々や観光客が集まる拠点として、いくつかの店を運営しています。
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「あいぞめ珈琲店」は、海が見渡せる絶景カフェ。店内の壁一面には、お客さんが書いたメッセージ付きの木製コースターがずらりと飾られており、訪れた人の想いが詰まった空間となっています
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カフェだけでなく、古民家を改装したまんじゅう店もスタート。ここでは、スマホで撮った写真をまんじゅうにプリントできるというユニークなサービスも行われています
さらに、伊豆山には日本最古級の温泉「走り湯」があります。岩の間から湯が噴き出すその光景は迫力があり、天然のサウナのような温泉体験ができることで注目されています。また、ここは古くから「出世運が上がるパワースポット」としても信仰されてきました。
熱海という街は、伝統と観光を結び付けながら、新たな形で地域に命を吹き込もうとしています。來宮神社の大楠に願いを込め、伊豆山のカフェで静かな時間を過ごす旅は、ただの観光以上に、心に残る体験になるはずです。復興と未来への希望が息づく場所として、伊豆山もまた熱海の大切な一部なのです。
今こそ行きたい春の熱海旅
今回の『あさイチ』では、熱海の観光が“進化”しながら“伝統”を守り続けている様子が丁寧に紹介されました。スイーツや干物、宿泊施設、そして神社やカフェまで、熱海には五感で楽しめる魅力がぎっしり詰まっています。昔ながらの温泉地というイメージから、いまや若者の心もつかむ新しい観光地へと生まれ変わった熱海。春の旅先として、改めて注目してみてはいかがでしょうか。
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