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NHK【あさイチ】「私が直面したわが子の性被害」1月15日放送|性被害の対応マニュアルと専門機関への相談方法

教養

私が直面したわが子の性被害…親ができることとは|2025年1月15日放送内容まとめ

2025年1月15日に放送されたNHK総合「あさイチ」では、「私が直面したわが子の性被害」というテーマで、被害にあった子どもとその親がどのような体験をしたのか、また司法面接や支援のあり方について、詳しく紹介されました。今回は、番組で取り上げられた内容をもとに、子どもの性被害に直面したときに親が知っておきたいこと、相談先や支援体制、そして実際の声までを、わかりやすくまとめました。

子どもが性被害にあったとき、親がまず知っておきたいこと

子どもから突然、性被害を打ち明けられたとき、親としては大きなショックを受けます。どう対応すればよいのか、何を聞けばよいのか迷ってしまうのは当然のことです。しかし、焦ってたくさんのことを聞いてしまうのは逆効果になることがあります。子どもは親の期待に応えたい気持ちから、事実とは異なることを言ってしまうことがあるためです。

そのため、親が口にしてよい質問は「何をされたの?」「それをしたのは誰?」の2つだけにとどめておくことが大切です。詳しく聞くことは、専門の機関に任せるのが正しい対応です。無理に話させようとせず、子どもが安心していられる環境を作ることが第一です

具体的には、以下のような行動を心がけましょう。

  • 子どもの話を途中で遮らずに、最後まで静かに聞く
  • 「どうして言わなかったの?」など責めるような言葉を使わない
  • 「怖かったね」「話してくれてありがとう」と、受け止めてあげる
  • 子どもの表情や様子に注意を払い、無理をしていないかを見守る

その後の対応もとても重要です。親だけで判断せず、できるだけ早く専門機関に相談することが望まれます。まずは、以下の場所への相談を考えてみましょう。

  • 児童相談所:子どもに関する相談全般を受け付けています
  • 警察:事件としての対応が必要な場合に動いてくれます
  • ワンストップ支援センター:性被害の初期対応に特化した相談窓口で、医療・法律・心理などの支援を一か所で受けられます

とくに初期対応に迷ったときには、ワンストップ支援センターの存在を知っておくと安心です。夜間や休日にも対応してくれることが多く、すぐに必要な支援につないでくれます。

また、子どもが安心して暮らしていくためには、親自身も誰かに相談し、心の整理をしていくことが必要です。親の不安は子どもにも伝わってしまうため、支援を受けることで冷静な判断ができるようになります。

子どもが性被害にあったとき、何よりも大切なのは、「子どもを一人にしないこと」「信じて見守ること」「専門機関とつながること」です。小さな一歩でも、その一歩が子どもの未来を大きく支える力になります。

司法面接とはどんなもの?子どもが安心して話せるための工夫

司法面接とは、性被害を受けた子どもが、安心して話すことができるように工夫された特別な聞き取り方法です。警察や検察が直接聞くのではなく、専門の訓練を受けた児童福祉司などが対応します。子どもの心を傷つけずに、正確な情報を聞き取ることを目的としています。

この面接は原則1回で行われ、録音・録画を通じて証拠としても活用できるようになっています。別室では、警察官や検察官、医師、児童相談所の職員などがモニター越しに見守りながら、面接の内容を確認します。これは、何度も同じ話をさせて子どもがつらい思いをしないようにするためです。

面接を行う職員は、事前に子どもの性格や年齢、気になる行動などをチームで情報共有しておきます。そしてまず、子どもが安心できるように信頼関係を築くことから始めます。いきなり被害の話を聞くのではなく、次のようなステップをふみながら進めます。

  • 子どもが好きなことや興味のあることを話してもらう
  • 最近の楽しかったこと、学校や友達のことなどから会話を始める
  • 少しずつ、思い出す練習として昔の出来事を聞いてみる
  • 話しやすい雰囲気を大事にして、子どもが自然に話せるようにする

そして、被害の内容についても、決して誘導しないことが大原則です。「こうだったよね?」などと決めつけたりせず、子どもが使った言葉をそのまま受けとめて聞き取ります。

言葉で伝えるのが難しい場合には、人形や絵を使って伝えてもらうこともあります。たとえば、

  • 人形を動かしながら「どこで何があったのか」を再現する
  • 匂いや音、触られた感覚など、五感の記憶を手がかりに話してもらう
  • 場所や状況を絵に描いてもらうことで、より具体的な理解につなげる

こうした工夫を通じて、子どもが少しでも安心して話せるようにしているのが司法面接の特徴です。子どもの心の負担をできるだけ軽くしながら、正確に状況を知るための大切な取り組みです。

日本では、司法面接の取り組みはまだ発展途中ですが、子どもの権利を守るための大きな一歩となっています。親や支援者がこの仕組みを知っておくことで、いざというときに正しい選択ができるようになります。

判に進むケースと親子への支援体制

子どもが性被害にあい、加害者が逮捕された場合、事件が裁判に発展することもあります。裁判では、子どもが証言を求められる場面もあるため、親子にとって大きな負担となることがあります。番組では、教師から性被害を受けた娘が、父親の通報によって加害者が逮捕され、裁判で証言したケースが紹介されました。このとき娘は法廷ではなく、別室から証言する方法がとられました。結果として、加害者は強制わいせつの罪で1年2か月の実刑判決を受けました。

このような深刻な場面に直面したとき、親子だけで乗り越えるのはとても難しいものです。だからこそ、専門機関の支援を受けることがとても重要です。とくに、各都道府県に設置されている「被害者支援センター」では、次のようなサポートが受けられます。

  • 法律や制度の説明:どんな手続きが必要か、何ができるのかを教えてくれます
  • 弁護士の紹介:必要に応じて、信頼できる弁護士を紹介してくれます
  • カウンセリングの支援:親子が心のケアを受けられるようにつないでくれます
  • 裁判の付き添い支援:法廷への同行や、出廷に必要な準備などをサポート
  • 各種書類作成の手助け:被害届や意見書など、書類の書き方を一緒に考えてくれます

このような支援を受けることで、親も子どもも安心して裁判に向き合える環境を整えることができます。また、支援センターのスタッフは、子どもに配慮しながら対応してくれるため、心の負担を少しでも軽くすることができます。

親としては、「ひとりで頑張ろう」と思わず、支援を求めることがとても大切です。自分自身が安心できることで、子どもにとっても落ち着いた環境を保つことができます。裁判は終わりではなく、支援を受けながら回復へと向かう長い道のりの一歩です。少しずつでも、親子で歩んでいけるよう、支援を活用することが大切です。

子どもが話さないこともある…長期的な心のケアが重要

子どもが性被害を受けた場合でも、すぐに話してくれるとは限りません。中には何も話さず、心の中で苦しみ続ける子どももいます。番組で紹介されたケースでは、教師から被害を受けた娘が、司法面接のときには何も話せませんでした。しかし、後になって小学校の思い出をまとめる課題に取り組んだことで体調を崩し、心の中にあった傷が表に出てきたのです。

娘の父親は精神保健福祉士で、専門知識もありましたが、それでも娘に合った医師やカウンセラーを見つけるのに1年以上もかかりました。その間に何度も病院をまわり、ようやく信頼できる専門家と出会えたことで、娘は徐々に元気を取り戻し、今では通信制高校に通えるまでに回復しました。

このことからもわかるように、子どもの心のケアには時間がかかります。しかも、見た目は元気でも、トラウマを抱えている子どもは決して少なくありません。だからこそ、次のようなポイントを押さえて対応していくことが大切です。

  • 子どもが話していなくても、安心できる環境を用意しておく
  • 心や体の変化を見逃さず、小さなサインに気づく
  • 専門家の診断を受けて、必要に応じてトラウマの治療を進める
  • 支援機関や学校と連携し、無理のない生活ができるようサポートする
  • 親自身も相談できる相手や支援機関とつながっておく

トラウマというのは、心の中で静かに広がっていく見えない傷です。早く見つけて、少しずつ向き合っていくことで、子どもは自分らしさを取り戻していきます。大切なのは、焦らないこと、そして「もう大丈夫」と思っても、その後も継続して見守り、必要な支援を続けていくことです。

どんなに時間がかかっても、子どもが「安心できる」「守られている」と感じられることが、回復への大きな力になります。親だけで抱え込まず、専門家と一緒に進んでいくことが何より大切です。

相談先まとめと親ができること

性被害を受けた子どもとその家族を支えるために、次のような相談先があります。

  • 児童相談所…子どもと家庭の全体的な支援
  • 被害者支援センター…法律や裁判、カウンセリングなど幅広い支援
  • ワンストップ支援センター…初期対応、付き添い支援など幅広く対応

これらの機関は、子どもや親が安心して相談できる場所です。どこに相談したらよいかわからないときも、まずは電話やインターネットで情報を確認し、一歩踏み出してみることが大切です。

親ができることは、子どもの心に寄り添い、無理に聞き出そうとせず、信頼できる支援機関とつながることです。そして、継続的なケアが受けられるような環境を整えることも、非常に大切です


性被害は、子どもにとって大きな心の傷となりますが、周囲の理解と支援があれば、回復の道を歩むことができます。親としてどう対応すればよいかを知り、安心できる支援先を知っておくことが、子どもを守る第一歩となります。

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