大腸がん検診の正しい知識と体験談を徹底紹介|便の採り方・内視鏡検査の真実・受診を避ける心理まで|2025年3月27日放送回まとめ
2025年3月27日(木)に放送されたNHK総合「あさイチ・特別編」では、日本人のがんの中でも最も多いとされる「大腸がん」をテーマに、正しい検査方法や、実際に検査を受けた体験談、そして検査を受けない人の心理までを深く掘り下げました。今回の放送は、これまで紹介された中でも視聴者からの反響が大きかった回の再編集版であり、検診を受けることの大切さを丁寧に伝える内容でした。早期発見こそが命を救う第一歩であることが強調されており、便潜血検査の取り方ひとつで結果に差が出ること、内視鏡検査は怖くないという事実、さらには「受けない人」の心の中にあるハードルを取り除くための情報がわかりやすく紹介されていました。
女性のがん死亡数1位「大腸がん」の現実と検査の流れ
番組の最初では、厚生労働省と国立がん研究センターの統計が紹介されました。そこでは女性のがん死亡原因の1位が「大腸がん」であることが明らかにされています。大腸がんは年齢とともに発症リスクが高まり、特に50歳を過ぎたころから注意が必要です。発見が遅れると進行しやすく、命に関わることもあるため、定期的な検診が不可欠です。
検査の基本的な流れは次の通りです。
-
まずは「便潜血検査」を行う
→便に目では見えないほどの微量な血が混じっていないかを調べる検査です。 -
陽性(血が見つかった)と判定された場合は「大腸内視鏡検査」へ進む
→腸の中を直接カメラで確認し、必要に応じてその場でポリープなどを切除することもできます。
この段階で適切に対応することで、がんの予備軍の段階で処置できることが多く、早期発見・早期治療につながります。
NHK近藤アナが内視鏡検査で実際に腫瘍を発見
今回の放送で特に印象的だったのが、NHKの近藤泰郎アナウンサーによる内視鏡検査の体験です。便潜血検査で陽性となり、実際に内視鏡検査を受けたところ、腸の中に腫瘍が見つかりました。幸いにもその腫瘍は良性で、がんの一歩手前の段階で切除することができました。
検査を担当した東邦大学医療センター大森病院の松田尚久教授は、「腫瘍が悪化する前に見つけることができたのは非常に大きな意味がある」と解説。症状が出ていない今こそが検査のタイミングであることを強調していました。
近藤アナの実体験は、視聴者にとってとてもリアルで説得力があり、検査への不安を和らげる内容となっていました。
よくある疑問「便は水に落ちても大丈夫?」「硬い便や柔らかい便は?」
番組では、便潜血検査に関する視聴者からの質問も多数取り上げられました。その中で特に多かったのが、便の採取方法に関する疑問です。
-
便が水に落ちてしまった場合は?
→できれば水に触れない便が望ましいですが、やむを得ず水に落ちた場合は、なるべくすぐに、きれいな部分を採取することが勧められます。 -
硬い便はどうすれば?
→無理に押し込まず、便の表面を広くこするように採るのがコツです。硬い便は血がついている部分が限られるため、採取範囲を広くすることが大事です。 -
柔らかい便は?
→柔らかい便の場合は、全体をまんべんなくすくい取ることがポイントです。状態に関係なく、採便棒を横に寝かせるように動かしながら採取すると、より確実に検体が取れます。 -
便が出にくい人はどうすれば?
→便秘気味の人は、検査の前日に整腸剤や軽い便秘薬を使うのも有効です。また、水分や食物繊維を多く取るよう心がけましょう。
正しく採ることで検査の精度が大きく変わるため、採便の仕方を知っておくことが重要です。
便潜血検査で陽性でも3割が内視鏡を受けない現実
厚生労働省の報告によると、便潜血検査で陽性になった人のうち、約3割の人が内視鏡検査を受けていないことが明らかになっています。これにはさまざまな理由があります。
・「痔だと思ったから」
・「症状が出ていなかったから」
・「検査が痛そう」「怖い」
・「恥ずかしいから行きたくない」
このような理由で検査を先延ばしにした結果、病気が進行してしまうケースもあるのです。実際に番組では、2年前に陽性となったものの検査を受けなかった男性のエピソードが紹介されました。再び陽性となって内視鏡検査を受けたところ、腸をふさぐほどの大きな腫瘍が見つかり、手術と抗がん剤治療を受けることになったとのことです。
この事例からも、「症状がなくても、陽性が出たら必ず精密検査を受けるべき」だという教訓が語られました。
最新の内視鏡技術で「痛みや怖さ」を軽減できる
多くの人が内視鏡検査を避ける理由として、「痛そう」「苦しそう」というイメージがありますが、番組ではそうした不安が今の医療技術でほとんど解消されていることも伝えていました。
-
軸保持短縮法:腸を無理に伸ばさず、たたむようにして内視鏡を進める技術で、痛みを感じにくくする方法です。
-
水浸法:空気ではなく水を使って腸を広げるため、お腹の張りや違和感が少ないのが特徴です。
-
鎮静剤の併用:希望者には眠っている間に検査が終わるような対応も可能で、痛みや恐怖を感じずに受けることができます。
このように、検査に対する技術的な工夫や環境整備が進んでおり、以前のような「つらい」「苦しい」といった印象は徐々に薄れています。
まとめ:今こそ検査を「受ける勇気」を持つとき
今回の特別編では、検査を受けたことで命が助かった実例、そして受けなかったことで重い治療が必要になった例の両方が紹介されていました。共通しているのは、「気づいたときが、検査のはじめどき」ということです。
検査は決して怖いものではありません。むしろ、今動くことで未来が守られると考えてください。大腸がんは早期発見・早期治療で高い確率で治すことができる病気です。便潜血検査の結果に関わらず、定期的にチェックする習慣をつけることが、何よりも大切です。
放送の内容は以上です。放送後にさらに詳細が発表され次第、この記事も更新していきます。検診に不安のある方も、まずは一歩踏み出してみてください。
コメント