熱が出ると寒く感じるのはなぜ?
2025年1月24日放送のNHK総合「チコちゃんに叱られる!」では、「熱が出たときに体温が上がっているのに寒く感じる理由」という、日常生活でもよく経験する疑問が取り上げられました。今回のゲストは、元フィギュアスケート選手でタレントとしても活躍する村上佳菜子さんと、お笑いコンビ「ロッチ」の中岡創一さん。岡村隆史さんを中心としたトークも番組を盛り上げました。
本記事では、番組で紹介された解説内容を基に、なぜ寒気を感じるのか、その科学的背景を徹底的に掘り下げていきます。また、実生活で役立つ対策やポイントも詳しく紹介します。
熱が出たとき「寒い」と感じる理由を深掘り解説
- 視床下部と体温調節の関係
視床下部は脳の中に位置し、体温調節を司る重要な役割を担っています。この視床下部が「設定温度」を決定し、その指令に従って体温が調整されます。通常、設定温度は36~37℃程度ですが、ウイルスが体内に侵入すると変化が生じます。 - 免疫細胞の働きと視床下部へのシグナル
風邪やインフルエンザなどの原因となるウイルスは、空気中や物の表面から体内に侵入します。この際、免疫細胞が反応し、視床下部にウイルスの侵入を伝達します。視床下部は、ウイルスに対抗するため体温の設定温度を通常よりも2~3℃引き上げます。この変化は、ウイルスを熱に弱い性質を利用して退治するために必要なプロセスです。 - 実際の体温と設定温度の差異が寒気の正体
視床下部が設定温度を39℃程度に引き上げても、実際の体温がその温度に達するまでには時間がかかります。この間、脳は「体温がまだ足りない」と判断し、寒さを感じる信号を送ります。この信号によって、熱が出た際に「寒気」を感じる現象が発生します。 - ウイルスと熱の関係
ウイルスは熱に弱いため、体温を上げることでウイルスの増殖を抑え、免疫細胞が効率的に活動できる環境を作ります。この免疫反応は、体を守るために必要な防御メカニズムの一部です。
寒気を感じたときの実践的な対策
- 体を温める工夫
- 毛布や厚手の服で体を冷やさないようにする。特に手足を温めると寒気が和らぐ。
- 温かい飲み物(ショウガ湯、スープ、ハーブティーなど)を摂取して、内側から体を温める。
- 過剰な防寒を避ける
- 高熱が出た場合、必要以上に体を覆うと熱がこもり、逆効果になることもあります。室温を20~22℃程度に保ち、適度な通気を確保することが重要です。
- 汗をかいた後のケア
- 汗をかいた場合、速やかに着替えて体を冷やさないようにする。体力が消耗しているため、乾燥した清潔な衣服を選ぶことが大切です。
健康維持のための予防策と生活習慣
- 風邪を予防するための日常的な行動
- 手洗い・うがいを徹底し、ウイルスの侵入を防ぐ。
- 人混みを避け、マスクを着用する。特に乾燥した季節には注意が必要。
- 室内の湿度を50~60%に保ち、喉や鼻の粘膜を保護する。
- 免疫力を高める生活習慣
- バランスの良い食事を心がける。特にビタミンCや亜鉛を多く含む食品(柑橘類、ナッツ、シーフードなど)を積極的に摂取する。
- 質の良い睡眠を確保し、免疫細胞が活動しやすい状態を維持する。
- 適度な運動で血流を促進し、体温調節機能を正常に保つ。
- 体調不良時の注意点
- 体力が低下している際は、無理をせず休息を優先する。
- 症状が悪化した場合には、医師の診断を受け、適切な治療を行うことが必要です。
番組の学びを活かした生活へのヒント
今回の「チコちゃんに叱られる!」では、熱が出たときに感じる寒気の仕組みが、視床下部の体温調節機能や免疫反応に起因することが明らかになりました。この知識を活用することで、風邪やインフルエンザの症状に適切に対応し、回復を早めることが期待できます。日々の健康管理に役立てましょう。
コメント