はじめに
2025年1月4日放送のNHK総合「所さん!事件ですよ」では、コーヒー価格高騰の意外な原因について徹底調査。コーヒーの値上げが続く背景に、ベトナムのドリアン農家の急増や、中国のコーヒー市場拡大など、世界の農業事情が複雑に絡み合っている様子が明らかになりました。番組で紹介された内容を詳しくまとめました。
コーヒーにはカフェインやポリフェノールなどが含まれており、適量であれば健康に良い効果が期待できます。 カフェインには覚醒作用など、ポリフェノールには抗酸化作用などがあります。 仕事や勉強に集中したいときの眠気覚ましや、健康維持のサポートなどでコーヒーが役立つと考えられますね。
コーヒー価格高騰の背景に“悪魔のフルーツ”ドリアンの影響
番組で最初に紹介されたのは、ベトナムのコーヒー生産量減少と“悪魔のフルーツ”ドリアンの関係です。ベトナムは世界有数のコーヒー生産国ですが、近年多くの農家がコーヒーからドリアン栽培に転作しています。
ドリアンは日本では「悪魔のフルーツ」とも呼ばれるほど強烈な香りを持つ果物ですが、中国での爆発的な人気により、輸出用作物としての価値が急騰しています。現地の農家トゥさんが番組で紹介したように、ドリアンへの転作後、生活は一変。地域では「ドリアン御殿」と呼ばれる豪華な住宅も建設されるほど経済効果をもたらしています。
この転作の影響で、ベトナムのコーヒー豆生産量は前年比で20%減少し、国際市場でも供給不足が発生。これがコーヒー価格高騰の一因とされています。
ボリビアのコーヒー農家が“コカ”栽培に転換した理由
ベトナムだけでなく、ボリビアでもコーヒー農家の転作が進行しています。ボリビアでは、コーヒーから「コカ」の栽培へと移行する農家が増加しており、その背景には経済的な理由が存在します。
コカは年に2回収穫が可能で、コーヒーよりも収益性が高いのが特徴です。しかし、農家が自由に価格を設定できるわけではなく、コーヒー価格の低迷や生産コストの高騰により、結果的に多くの農家が生活苦に陥ってしまっています。異常気象による不作のリスクも加わり、より安定した収入を求めてコカ栽培へ転換する農家が増加している状況です。
中国の雲南コーヒー市場の急成長と“コーヒーカウボーイ”の登場
番組の後半では、中国の雲南コーヒー市場の急成長が取り上げられました。東京・有明で開催された国際コーヒー展示会に登場したのは、中国雲南省のコーヒーを宣伝する“コーヒーカウボーイ”でした。
番組スタッフは実際に雲南省プーアル市を訪れ、現地のコーヒー農家である劉明輝(リウ・ミンフイ)さんの農園を取材しました。劉さんの農園は契約農家を含めると東京都港区と同じ広さで、年間1万トンものコーヒー豆を生産しています。驚くべきことに、彼のコーヒーの品質がスターバックスのCEOの目に留まり、わざわざプライベートジェットで訪問し契約を結んだというエピソードも紹介されました。
劉さんは元々医学部受験に失敗し、農業大学のコーヒー加工学科に進学したことがきっかけでコーヒー栽培に目覚め、25年間品質向上に努めてきたそうです。現在では現地の茶農家に無償でコーヒー栽培技術を教えるなど、地域発展にも大きく貢献しています。
雲南コーヒーが気候変動への救世主?
雲南省で栽培されているカティモール種のコーヒーは、気候変動に強く収穫量も多いことが特徴です。そのため、世界的な異常気象の影響を受けにくい作物として注目され、将来的には世界市場の安定供給に貢献する可能性があると紹介されました。
上海のカフェ激戦区と個性的なメニューの数々
番組では、世界でも有数のカフェ激戦区である中国・上海のカフェ事情も取り上げられました。上海には8,000軒以上のカフェがひしめき合っており、競争が激化しています。その結果、他店と差別化するために、次のようなユニークなメニューが登場しています。
- ピーマンラテ:ピーマンの苦みとコーヒーの苦味がマッチした独特な一杯
- わたあめコーヒー:カップの上に綿菓子を乗せ、コーヒーの熱で溶かすパフォーマンス系ドリンク
- コーヒー茶漬け:コーヒーをかけて味わう、まさかの茶漬けスタイル
これらの奇抜なメニューが観光客や若年層の人気を集めていることも紹介されました。
東京の“ジャパニーズスタイル”コーヒーが世界で注目
一方で、日本のコーヒー文化も世界的に注目を集めています。特に東京・銀座のカフェでは、外国人観光客が行列を作るほどの人気。アメリカの雑誌が発表した「世界のコーヒーが美味しい都市ランキング」で東京が2位に選ばれるなど、日本のコーヒー文化の高さが評価されています。
その中心にあるのがハンドドリップ。特に日本独自の繊細で丁寧な淹れ方が「ジャパニーズスタイル」として海外でも話題になっています。
東京・台東区の“コーヒーフルコース”の新体験
番組では東京・台東区のカフェで提供されている「コーヒーフルコース」も紹介されました。このコースでは、コーヒーの多彩な楽しみ方を体験できるユニークな内容となっています。
- 1品目:ルワンダ産コーヒーを使用した「リンゴジュースを使ったコーヒーモクテル」
- 2品目:エスプレッソとミルクムースのアイスコーヒー
- 3品目:濃厚なカフェモカ
このように、コーヒーの可能性を広げる創作メニューが登場しており、まるでコース料理のように楽しめる内容です。
トルココーヒーの伝統と占い体験
スタジオではトルココーヒーの試飲と、伝統的な占い体験も紹介されました。トルココーヒーは飲み終えた後、カップの底に残ったコーヒーの粉で占いができる独特の文化があります。ゲストの出井隼之介さんは「M-1グランプリ優勝」と占い結果が出ましたが、実際には優勝を逃したというオチで締めくくられました。
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