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NHK【所さん!事件ですよ】怪談が令和で大進化!実話怪談・タクシーツアー・調査の現場へ|2025年6月7日放送

所さん!事件ですよ

「2千人が大行列!なぜ今“怪談ブーム”?」

2025年6月7日放送の『所さん!事件ですよ』(NHK総合)では、「なぜ今“怪談”がブームなのか?」をテーマに、全国で話題となっている怪談イベントや心霊スポットツアー、さらには“オバケ調査”という特殊な仕事まで、多角的に紹介されました。夏だけにとどまらない怪談人気の理由と、その広がりを通して見えてくる社会の姿を探ります。放送の内容を詳しくご紹介します。

“怪談イベント”が大盛況!会場に2000人の長蛇の列

今、全国で怪談イベントが大きな注目を集めています。今回の番組では、東京都内で開催された大規模な怪談イベントの様子が紹介されました。このイベントには、2000人を超える観客が会場に集まり、入場待ちの長蛇の列ができていたのが印象的でした。しかも、チケットは1枚2万円という高額設定にも関わらず即完売。客席はすべて埋まり、立ち見すら出るほどの盛況ぶりでした。

●登壇したのは10人の実力派怪談師
●会場チケットはすべて売り切れ、当日券の販売なし
●イベントはオンラインでも同時配信され、1万5000人が視聴

この日登壇したのは、プロの怪談師たち10名。中でも特に注目されたのが、怪談師・深津さんです。深津さんは、全国各地を自ら巡って現地の人々から直接話を聞き、リアルな恐怖体験を集めています。そのため、彼の語る怪談には現実味と説得力があり、聞く人の心に深く入り込む力があります

イベントのステージでは、照明が一気に暗転し、怪談師がひとりひとり登場。静まり返った会場に、彼らの声が響き渡る演出はまるで舞台劇のような緊張感がありました。観客の表情は真剣そのもので、スマホを操作する人もほとんど見られず、話にぐっと引き込まれていました。

●語りの合間には音響効果や映像演出も挿入
●観客は若者から中高年まで幅広い世代が参加
●「ただ怖い」だけでなく「記憶に残る話」として人気

番組の進行を務める伊原弘将さんは、「今日あんまり眠れない」と話していました。この言葉からも、怪談が与える“心に残る恐怖”がリアルな体験として受け止められていることがよく伝わってきました。夏だけではなく、今や一年を通して楽しむ“現代の語り文化”として、怪談イベントはさらに広がっていきそうです。

心霊タクシーが若者を惹きつける?横浜発のユニークな取り組み

番組では、横浜にあるタクシー会社が行っているユニークな取り組みとして、「心霊スポット巡りツアー」が紹介されました。このツアーに参加したのは、怪談好きで知られる鹿目凛さん。ツアーは約3時間で5カ所の心霊スポットを巡る内容で、参加費は2万4000円という高額にもかかわらず、すでに多くの予約が殺到しているといいます。

この企画の背景には、若いドライバーの確保に苦しむタクシー業界の現状がありました。横浜市に本社を構えるこの会社でも、乗務員の高齢化や求人難が続いており、どうにかして若年層の関心を引きつけられないかと模索していたとのことです。

●ツアー内容は夜の時間帯に出発し、心霊現象が噂される場所を効率よく巡回
●参加者は1台のタクシーに乗り、各スポットでは車を降りて簡単な説明も実施
●案内役のドライバーは事前に研修を受け、各場所にまつわる話を交えて案内

ツアーの発案者は、当初社内で反対に遭いました。特に役員たちは「怖い」「非現実的」と懐疑的だったといいます。しかし、いざ実施してみるとSNSなどを通じて話題となり、メディアにも取り上げられるほどの注目を集めました。

●ツアー開始からわずか数か月で乗務員が約3割増加
●新しく入社したドライバーの多くが20代から30代
●会社全体の平均年齢が10歳若返るという変化が起きた

この成功を受けて、タクシー会社では「心霊タクシー」のシリーズ化も検討中とのことです。現在はスポットの追加や体験型演出の導入など、新たな展開に向けた準備が進められています。従来の枠にとらわれない発想が、人材確保だけでなく会社のブランド力向上にもつながっており、“怖い”が“新しい雇用戦略”になるという意外性に注目が集まりました。

“オバケ調査”という仕事が存在する世界

番組の後半では、「オバケ調査会社」という耳慣れない仕事に密着しました。依頼を受けて調査にあたるのは、児玉さんという社長自ら。彼は関東圏に点在するいわくつきの家、いわゆる事故物件や自殺があったとされる家屋に実際に泊まり込み、科学的な方法で“怖さ”の正体を明らかにする調査を行っています。

調査は夜10時から朝6時までの8時間にわたり実施され、次のような8つの項目が記録されます。

●気温
●気圧
●湿度
●騒音レベル
●電磁波の強さ
●空気中の粒子量
●振動
●異臭の有無

これらのデータは、依頼者である相続人や不動産関係者が抱える「漠然とした不安」の正体を探るために活用されます。例えば、「部屋に入るとぞっとする」という感覚も、実際には気圧の急変や電磁波の異常、音の反響が原因だったという事例もあるそうです。

●調査の依頼主の多くは、孤独死や事件のあった部屋を引き継いだ親族
●「住めるかどうか不安」「誰かに貸していいのか」といった判断材料として依頼される
●データは報告書としてまとめられ、専門家の分析付きで提出される

このようなアプローチは、日本では珍しい取り組みですが、欧米では19世紀から“心霊研究”が正式な学問分野として存在してきました。番組では、フロイトやユング、マリ・キュリーといった科学者たちが参加していた「心霊研究協会」の活動についても紹介され、現在のオバケ調査の原点として言及されていました。

精神科医の春日武彦さんは、「一線を越えたもの、飛び越えたものに人は引かれる」と話しており、人々がなぜ怪談や心霊現象に強く惹かれるのか、その心理的な背景にも触れられました。見えないものに対する恐怖は、同時に「知りたい」という知的好奇心を刺激するものでもあります。

オバケ調査という仕事は、まさにその“境界”に踏み込み、科学と感情のあいだを埋めようとする現代的な試みといえるでしょう。これまでタブー視されてきた物件の扱い方に、一石を投じるきっかけにもなりそうです。

番組を通して見えた“怖さ”の新しい受け止め方

かつて怪談といえば夏の風物詩の一部でしたが、今では季節に関係なく多くの人が怪談を楽しんでいます。その背景には、「実話」であることによるリアリティや、科学と非科学が混じり合う“境界の体験”への興味があるようです。怪談は怖いだけでなく、体験を共有することで心の中の不安や感情に触れる手段にもなっているのかもしれません。

番組タイトルにもあった通り、「事件ですよ」と言いたくなるような怪談ブーム。その舞台裏には、社会や人間の心理が深く関わっていました。これからも怪談は、単なる娯楽を超えた存在として、さまざまな形で人々の心を惹きつけていくのではないでしょうか。

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