福井・坂井市の包あん機工場を探検!カレーパンやもちアイスの“手包み品質”を機械で再現
2025年6月7日(土)放送予定のNHK総合「探検ファクトリー」では、福井県坂井市にある国内トップシェアの「包あん機」工場に漫才コンビの中川家とすっちーさんが訪れます。今回の舞台となるのは、あんパンやカレーパン、もちアイスなどの中に具材を包む「包あん機」の開発で高い評価を得ている株式会社コバードの工場。「手作りの品質」を自動で再現する最先端の技術と、現場の努力や工夫にスポットが当てられます。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
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包あん機ってどんな機械?
「包あん機(ほうあんき)」とは、やわらかい生地の中に具材を包む作業を自動で行う食品機械のことです。本来は人の手で一つずつ丁寧に包んでいた作業を、スピードと正確さを両立させて大量に処理できるようにしたことで、多くの食品工場で使われています。包あん機の活躍により、製造コストの削減や品質の安定化が進み、今では欠かせない存在となっています。
包あん機は、具材を中心に配置し、それを生地で包んで形を整えるという一連の作業を、一台で滑らかにこなす仕組みになっています。生地や具材の種類によって細かく設定ができるため、やわらかい生地でも崩れず、美しい形に仕上がります。さらに、サイズ調整や包み方のバリエーションも豊富で、食品メーカーごとの個性やニーズに対応できるのが特徴です。
例えば、包あんされる食品には以下のようなものがあります。
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あんパン、いちご大福などの和菓子類:中のあんを均一に包み、生地のふんわり感を損なわずに仕上げます。
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カレーパン、クリームパンなどの洋菓子・菓子パン:とろみのある具材でもきれいに包む技術が求められます。
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肉まん、小籠包などの中華惣菜:ジューシーな肉ダネをしっかりと包み、蒸し上げ後の見た目も整います。
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もちアイス、スコッチエッグなどの冷凍食品や変わり種:冷たくて固い具材や熱い具材にも対応できる、専用設計の機種が使われます。
このように、包あん機は用途が非常に幅広く、それぞれの食品に適した機構が備わっています。手作業では難しいスピードや均一さを維持しながらも、手作りのような温かみある見た目や味を残すため、製品開発にも大きく貢献しています。
実際の工場では、ベルトコンベアの上に具材が配置され、自動的に生地が上から包み込むように流れていきます。工程の途中で成形・封着・搬送などが組み合わさり、最終的に丸く、あるいは楕円や棒状など希望の形に整えられるのです。
このように、「包あん機」はまさに食品製造現場の縁の下の力持ちとして、多くの人々の食卓を支えています。
株式会社コバードとは?
株式会社コバードは、福井県坂井市春江町に本社を構える食品製造機械の専門メーカーです。なかでも、具材をやわらかい生地で包む作業を自動化する「包あん機」の製造で知られており、国内シェアトップクラスの実績を誇ります。100種類以上の機械を展開し、和菓子、洋菓子、惣菜、冷凍食品などあらゆるジャンルに対応しています。
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所在地:福井県坂井市春江町藤鷲塚36
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公式サイト:https://kobird.co.jp/
同社の主力製品「マジックハンド」シリーズは、生地を押しつぶすことなく、やさしく包み込む独自技術を採用。これにより、まるで職人が一つひとつ丁寧に手包みしたような自然な仕上がりを実現しています。
また、コバードは顧客のニーズにきめ細かく応える姿勢も評価されており、取引先ごとの要望に応じて機械の形状や動作をカスタマイズする対応力の高さも特長です。生地のやわらかさ、具材の硬さ、温度や粘度に合わせて最適な条件を設定することで、「手作りの品質」をそのまま再現することが可能になっています。
これまでに200件以上の特許を取得しており、技術力の高さは業界内外でも広く認められています。包あん機の分野にとどまらず、食品製造全体の自動化・省力化を支えるキープレイヤーとして、今後の展開にも注目が集まっています。
現場の努力と工夫とは?
株式会社コバードの工場では、「手作業のような味や見た目を、どうやって機械で再現するか」という課題に、日々真剣に取り組んでいます。これはただの効率化ではなく、人の手のぬくもりや繊細さを機械でどう再現できるかという挑戦でもあります。
たとえば、ふんわりとしたパン生地を扱う場合、生地を傷めずに包む技術が欠かせません。発酵生地は非常にデリケートで、押しすぎるとガスが抜けてしまい、食感が変わってしまいます。そこで開発されたのが、やさしく包み込む成形技術です。具材を包みながら、生地のふくらみや質感を損なわないような動きを追求しています。
さらに、味や見た目のバラつきをなくすために、以下のような細かな工夫が積み重ねられています。
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具材の位置や量を常に一定に保つための制御センサーを内蔵。中身が片寄らず、どこを食べても均一な仕上がりになります。
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食品ごとに対応可能な交換ユニットの設計。たとえば、柔らかいあんこを包む場合と、粘度の高いカレーを包む場合では、使うパーツや動きが異なります。それをすぐに入れ替えられる構造にすることで、多品種小ロットにも対応しています。
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職人の手の動きを映像とセンサーで分析し、その動きを機械に反映。微妙な力加減や包み方のリズムまで数値化して再現しています。
これらの研究開発によって、「手で作ったような自然な仕上がり」を維持したまま、毎時数千個というスピードで製造できるようになっています。
また、こうした積み重ねが評価され、コバードは200件以上の特許を取得。1996年には当時の社長が黄綬褒章を、2009年には旭日双光章を受章するなど、企業としての社会的な評価も高く、まさに現場から生まれた技術力で、食品業界全体を支え続けています。
今回の探検ポイント
・カレーパンの中身がやわらかい生地にどう入る?
・アイスの冷たさに対応する包あん技術とは?
・技術者たちが「手作りの温かさ」をどう表現している?
このような視点で、番組は“機械なのに手作りのよう”という驚きを届けてくれる内容になるはずです。
中川家とすっちーさんが現場で何を見つけ、どんなリアクションを見せるのかも楽しみなポイントです。
放送情報まとめ
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【番組名】探検ファクトリー
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【放送日】2025年6月7日(土)
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【放送時間】12:15〜12:40(NHK総合)
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【出演】中川家、すっちー
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【舞台】福井県坂井市・株式会社コバード
放送の内容と異なる場合があります。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。番組視聴後のご感想や気になった点があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
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