令和の“悔いのないお別れ”とは?小さなお葬式・自宅葬・遺影・僧侶手配・ろうそく
2025年6月3日放送の『あさイチ』では、「令和のお葬式アップデート」と題し、“小さく、でも悔いのないお別れ”をテーマに、現代の葬送事情が特集されました。番組では葬儀の費用や自宅葬、定額僧侶手配サービスまで、実例とともにわかりやすく紹介されました。さらに、ろうそくの新常識やヘルシーな豆乳ごまだれレシピも登場し、情報盛りだくさんの内容でした。
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令和のお葬式は“悔いを残さない”ことが大切に
2025年6月3日放送の『あさイチ』では、生前に自分の遺影を用意しておくという新しい取り組みが紹介されました。取材されたのは、東京・巣鴨にある遺影専門のフォトスタジオです。こちらのスタジオでは、ただ写真を撮るだけでなく、衣装やアクセサリーを無料で貸し出してくれるほか、プロによるメイクアップサービスも含まれているのが特徴です。
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撮影に使う衣装やアクセサリーは自由に選べる
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メイクは専属のプロが担当し、自然な仕上がりに
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撮影後、本人が写真を確認して選ぶこともできる
このスタジオを立ち上げた社長は、かつて自分の家族の葬儀で遺影に使える写真が見つからなかった経験があり、そのときの後悔からこの事業を始めたといいます。故人らしい笑顔の写真を残したい、という想いから生まれたサービスです。
また、スタジオの利用者は高齢者だけでなく、40代や50代の現役世代も増えているという現状も番組内で紹介されました。写真を撮ること自体が「人生の整理」や「家族への思いやり」につながっていると考えられています。
番組のゲストである高橋克典さんも、自身の両親が終活をまったくしていなかったことで、すべての対応が一人っ子の自分に降りかかってきたと振り返りました。その経験から、事前の準備の重要性を強く感じていると話していました。
さらに番組では、事前アンケートの結果も紹介されました。「葬儀で後悔したことがあるか?」という質問に対し、およそ半数の人が「ある」と答えたという結果になり、多くの人が“別れ”のかたちについて悩みや課題を抱えている現実が浮かび上がりました。
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準備不足でバタバタした
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写真が古くて本人らしさが出なかった
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何をどうすればいいか分からなかった
こうした背景からも、生前の準備が家族の負担を減らし、自分らしいお別れにつながることが注目されています。今回の特集は、現代の価値観に合わせたお葬式の形を考えるきっかけとなる内容でした。
葬儀費用の仕組みと抑え方
2025年6月3日放送の『あさイチ』では、複雑で不透明に感じやすい葬儀費用の仕組みと、その賢い抑え方について専門家が解説しました。案内役は、一級葬祭ディレクターの阪本さおりさんと、葬儀アドバイザーの吉川美津子さんです。
まず紹介されたのは、費用の幅の大きさ。棺の価格は6万円から300万円までと非常に差があり、骨壺や仏衣も素材やデザインによって価格が変動します。これらは一見すると見えにくい部分ですが、積み重なることで総額に大きく影響します。
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棺:安価なものは6万円程度、高級品は300万円
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骨壺:陶器・漆・金属などで価格に差
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仏衣:シンプルなものから刺繍入りの高価なものまで
また、式場の選び方も費用に直結します。番組では「費用を抑えるために避けるべき式場は?」というクイズが出され、答えは「広すぎる式場」でした。広い会場を使うと装飾や人手が必要になり、結果として費用がかさむ上に、参列者が少ないと寂しい印象になりやすいという理由からです。
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広い式場は装飾や設営の費用が増える
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参列者が少ないと空間が持て余される
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家族葬などの場合はコンパクトな会場が適している
さらに、費用を抑えるためには参列者の人数を事前に把握することと、必ず2〜3社から相見積もりを取ることが推奨されました。今は24時間対応の葬儀社が多く、夜間の不安時にも落ち着いて依頼できる体制が整っていることも安心材料として紹介されました。
コロナ禍以降、葬儀のスタイルも変化しています。家族葬を選ぶ人が増えたことで需要が高まり、価格は上昇。一方で、一般葬は件数が減ったため、費用は相対的に下がっているという傾向も報告されました。
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家族葬:需要増で価格上昇
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一般葬:件数減で価格は安定・下降気味
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小規模でも内容を見直すと負担軽減に
このように、どこに費用をかけるか、どこを抑えるかを明確にすることが、後悔しないお別れにつながるとまとめられました。事前に知っておくことで、いざというときにも冷静な判断ができる大切な情報です。
故人の希望を叶える自宅葬とその現実
『あさイチ』では、「自宅葬」という選択肢が現代のお葬式として広がっていることが紹介されました。取り上げられたのは、佐藤文さんが亡くなった母の希望を尊重し、自宅での葬儀を実施した実例です。
佐藤さんは、自宅葬を専門にサポートする葬儀専門家・馬場偲さんに依頼。棺や仏具、祭壇に関する準備はすべて馬場さんが一括で手配しました。家族は形式的な準備に追われることなく、自分たちのペースで故人と向き合う時間を過ごすことができたといいます。
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手配されたもの:棺・仏具一式・祭壇装飾
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専門家が訪問し、搬入・設置・撤収まで対応
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式場の予約や時間制限がないことで心に余裕が生まれる
自宅葬の費用は**合計66万円(基本料金55万円)**で、内容に応じて金額が変動する仕組みです。会場使用料が不要になる反面、住宅の広さや立地によっては設営の工夫や追加費用がかかるケースもあると番組内で紹介されました。
また、自宅葬は自宅の居間だけでなく、車庫(ガレージ)や和室の一角を利用して行われる例もあるとのこと。参列者の数を絞り、周囲に知らせずに家族だけで送る「内密葬」にも対応しやすく、形式にとらわれない柔軟なお別れの場として注目を集めています。
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自宅以外に、庭先や駐車場を活用する例も
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会葬の案内を限定し、落ち着いた葬送が可能
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近隣への配慮や駐車スペースの確保が必要な場合もある
高橋克典さんも、祖母のときに自宅で葬儀を行った経験があると話し、自宅葬の持つ安心感や故人らしさを感じたことを述べていました。また、出演者の美村里江さんも終わったあとに葬儀を知らせるケースが身近であったと紹介し、家族葬・自宅葬の浸透を実感する場面もありました。
このように、自宅葬は“場所”にとらわれず、故人の意志を大切にしながら過ごせる葬送のかたちとして、今後ますます注目されていくと感じさせる内容でした。
僧侶派遣サービスで“つきあいゼロ”でも安心
現代では、お寺とのつきあいがない家庭でも安心して利用できる「定額制の僧侶派遣サービス」が広まりつつあります。今回の『あさイチ』では、実際にこのサービスを活用した事例とともに、その仕組みや注意点が紹介されました。
紹介されたサービスでは、一日葬が6万5000円、家族葬が14万円という明確な料金設定で、すべてネットから簡単に申し込むことができます。定額なので費用が読めるという点でも、利用者の安心につながっています。
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サービスの流れ:ネットで希望日を入力→内容を選択→支払い→僧侶派遣
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読経や法要に必要な準備は僧侶側で対応
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急ぎの場合も迅速に手配される体制が整っている
番組では、高橋功治さんが亡き妻の追善供養のために初めてこのサービスを利用した実例が紹介されました。高橋さんは、知り合いの僧侶がいなかったため、ネット経由で僧侶を手配。費用は5万円で、事前に僧侶が丁寧に故人の人となりや想い出について聞き取りを行い、その内容をもとに心のこもった供養が執り行われたとのことです。
このようなサービスは、「檀家制度」から離れている家庭が増えている現代社会に合った新しい形として注目されています。特に都市部や若い世代の間で支持を集めており、「誰にお願いしたらいいかわからない」という不安を解消する手段にもなっています。
しかしながら、番組では一つの注意点もあげられました。それは、すでに檀家として関係のあるお寺がある場合、こうした外部サービスを利用するとトラブルになる可能性があるという点です。
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檀家として登録されているお寺には事前確認が必要
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勝手に外部の僧侶を呼ぶと、地域によっては不義理とされる場合もある
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関係がある寺院とは、事前に方針や意向をすり合わせるのが望ましい
また、お布施の平均額についても紹介があり、全国的には平均22.4万円とされていますが、実際は1万円未満から100万円以上まで大きな幅があるという現実も伝えられました。定額制サービスは、この“いくら包めばいいのかわからない”という悩みにも応える形となっています。
こうしたサービスの普及により、「供養のかたち」も多様化し、より自分や家族に合った選択が可能な時代になってきていることがわかります。手軽さと心の通った対応を両立させた、新しい供養の在り方として、多くの人にとって参考となる内容でした。
24時間一緒にいられる「遺体ホテル」
『あさイチ』では、新しい葬送のかたちとして「遺体ホテル」と呼ばれる施設が紹介されました。これは横浜市にある葬儀会館に併設されたもので、故人と落ち着いて過ごす時間を確保したいと考える人々の間で注目されています。
遺体ホテルとは、亡くなった方を安置する個室タイプの施設で、24時間いつでも面会が可能。病院や火葬場では面会の時間が限られているのに対し、この施設では家族が時間を気にせず故人と過ごせることが大きな特長です。
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個室安置室:1日あたり3万円で利用可能
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簡易面会室:1日あたり1万3000円で利用可能
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面会のたびに棺を出す方式にも対応
利用者にとっては、心の整理をする時間や、親族が集まるまでの猶予期間として有効に使えることが評価されています。実際に、遠方の家族が到着するまでの数日間、遺体ホテルを活用するケースも増えているといいます。
また、火葬場の予約がすぐに取れない現状にも対応する「受け皿」としての機能も果たしています。都市部では火葬場の混雑が深刻化しており、すぐに火葬ができない場合も多くあります。そうした際に、遺体を適切に安置し、衛生的かつ静かな環境で見守る場所としての価値が高まっているのです。
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火葬場の混雑で数日待機が必要なケースに対応
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自宅に安置できない住宅事情の家庭にも適している
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清潔な環境で保冷設備も整っているため安心
遺体ホテルは、特別な形式ではなく、現代の生活環境や家族構成の変化に応じた現実的な選択肢として定着しつつあります。従来の葬儀の常識にとらわれない、新しい“お別れのかたち”を考えるうえで、多くの人にとって参考になる内容でした。
三重・亀山市から“ろうそく”の新常識
『あさイチ』の中継コーナーでは、三重県亀山市にあるユニークなろうそく工場が紹介されました。ここでは、まるで本物の食べ物のようなろうそくを製造しており、亡くなった方へのお供えとして使われる新しいスタイルが注目されています。
この工場で作られているのは、おにぎり、大福、お寿司などの食品を模したろうそく。特に特徴的なのは、火を灯すと中から具材が現れる仕掛けが施されており、見た目だけでなく、変化まで楽しめることです。
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ろうそくの種類:おにぎり、大福、寿司、ケーキなど
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仕掛け:火を灯すと中から「具」が現れる演出
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故人の好物を再現してお供えするという発想
これらのろうそくは、亡くなった方の好きだった食べ物を再現し、心を込めて手を合わせるきっかけになるとして支持されています。また、リアルな仕上がりからSNSでも話題となり、訪れる観光客にも人気を集めているとのことです。
さらに、ミニカー型や動物型などの誕生日用や記念日用のろうそくも展開されており、子どもや若い世代にも親しみやすいアイテムとして広がっています。
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ミニカーやキャラクター型のろうそくも販売
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贈り物や記念写真用のアイテムとしても人気
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外国人観光客のお土産としての需要もあり
工場内には製造風景を見学できるスペースや、ろうそく作りを体験できるコーナーも併設されており、見て・作って・買える場所としても楽しめます。また、映える撮影スポットも用意されていて、訪れた人が写真を撮って思い出に残せるよう工夫がされています。
このように、“心を灯す”という意味でのお供えの形が、時代に合わせて進化していることが感じられる内容でした。葬送の場だけでなく、日常の中でも“灯り”が持つ意味を見直す機会にもなっています。
みんな!ゴハンだよ 蒸し鶏豆乳ごまだれ&ズッキーニ副菜
料理コーナーでは、ヘルシーな鶏むね肉を使った「蒸し鶏 豆乳ごまだれ」と、同じごまだれを活用した「ズッキーニのごまチーズ焼き」が紹介されました。
蒸し鶏は、皮目を下にして白だしと酒、しょうがを添えて10分蒸し焼きにし、火を止めて15分予熱で仕上げるのがポイント。豆乳ごまだれは練りごま、みそ、ポン酢しょうゆ、こしょうを混ぜて豆乳を少しずつ加えるだけ。野菜と一緒に盛りつけると見た目も鮮やかです。
ズッキーニの副菜は、ごまだれをかけてチーズと黒こしょうをのせ、オーブントースターで焼くだけの簡単レシピ。美村さんは「煮汁を絡めた意味がしっかり出てます」と感想を述べていました。
おわりに
今回の『あさイチ』では、葬送の形が時代とともに変化していることが実感できる内容でした。自宅葬や定額サービス、遺影の準備など、悔いのないお別れのためのヒントが満載でした。ろうそくやレシピなど、暮らしの中で「送ること」を考えるきっかけにもなったのではないでしょうか。放送後の気づきをもとに、家族や自分自身の“最期のかたち”について考える時間が持てたら良いですね。
放送の内容と異なる場合があります。
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