謝罪も旅行も代行!?令和ニッポンで急成長する驚きのサービス
近年、日本では「代行ビジネス」という言葉を耳にすることが増えてきました。これまでは家事や買い物代行などが一般的でしたが、今では謝罪の代行や旅行の代行といった、想像を超えるサービスまで広がっています。時間や距離、精神的な負担を理由に依頼する人が増え、令和ならではの新しい文化として定着しつつあります。2025年5月31日放送のNHK「所さん!事件ですよ」では、急成長中の代行ビジネスを複数紹介。その実態と背景を詳しく見ていきます。
急成長する謝罪代行の現場
番組で最初に取り上げられたのは謝罪代行です。ある業者は月に100件以上の依頼を受け、内容は依頼者に代わって直接謝罪するほか、同席して謝罪をサポートするケースもあります。実際に利用したサトウさんは、取引先からの強いクレームで「上司を連れてこい」と言われ、謝罪代行を依頼しました。派遣された人物が堂々と謝罪し、相手も納得。料金は30〜40万円と高額ですが、業界には1500万円の謝罪案件も存在します。謝罪代行は詳細な台本を準備し、役者と呼ばれるスタッフが依頼内容を演じます。20代から80代まで約120名の役者が登録し、案件に応じてキャスティングされます。役者の取り分は報酬の1割で、最高60万円を稼いだ例もありました。
法律上の注意点と文化の広がり
謝罪代行は違法ではないのか、という疑問もあります。実在の人物になりすますだけでは罪に問われにくいものの、その人物名義で契約書や謝罪文を偽造すれば私文書偽造罪となります。また、謝罪行為によって相手に損害が発生すれば、偽計業務妨害にあたります。しかも罪に問われるのは多くの場合依頼した側です。番組ではお笑い芸人の「ですよ。」が行っている謝罪代行も紹介されました。友人同士の喧嘩を代わりに謝るといった、軽い案件が中心で、心理的負担を減らす文化が広がっていると話していました。
旅行も代行!?ぬいぐるみ専用ツアー
続いて紹介されたのは、楽しい思い出を作る代行ビジネス。ぬいぐるみ旅行代行では、依頼者のぬいぐるみを預かり、旅行先で食事や観光、アクティビティを楽しむ様子を撮影してSNSで共有します。ツアー主催者の東園絵さんによれば、予約開始からわずか1分で満席になる大人気サービス。利用者には、病気や身体の都合で旅行ができない人も多く、「日本の景色を見せてもらえて感謝している」との声も寄せられています。現在は自治体や企業とのコラボ依頼も増え、観光プロモーションにも活用されています。
海外で広がる代行経済
代行サービスは日本だけのものではありません。番組では、中国での事例も紹介されました。中国では飲酒代行や雪文字代行などユニークなサービスが次々と登場し、市場規模は1兆600億円に達します。これらは「代行経済」と呼ばれ、便利さや娯楽として広く受け入れられています。日本の市場も今後この規模に近づく可能性があると考えられます。
過疎地での助け合い「時間銀行」
長野県麻績村では、代行をお金ではなく時間でやりとりする「時間銀行」が運営されています。村人が自分の特技を登録し、必要とする人に提供。その時間を貯蓄して、別の特技を持つ人のサービスを受けることができます。例えば、82歳の男性が薪割りを依頼すると高校生が30分作業し、その報酬として受け取った時間でギターレッスンや指圧を受けられる仕組みです。現在71人が参加し、地域のつながりを強める役割を果たしています。発案者の和栗さんは「平等な支え合いの形がこれからの時代に必要」と語っていました。
まとめ
今回紹介された代行ビジネスは、謝罪のような精神的負担を軽くするものから、旅行や地域の助け合いといった心を満たすものまで多岐にわたります。背景には、人手不足や時間の制約、心理的な負担の軽減を求める社会の変化があります。利用する際は、料金や法的リスクを理解したうえで賢く選ぶことが大切です。今後、日本でもこうしたサービスがますます多様化し、日常生活に溶け込んでいくかもしれません。
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