記事内には、広告が含まれています。

【NHK総合】笑う岐阜には福来る 密着!全日本学生落語選手権・策伝大賞の熱戦|2025年3月20日放送

ドキュメント

学生落語の頂点を決める!全日本学生落語選手権「策伝大賞」に密着|2025年3月20日放送

日本全国の学生落語家たちが集まり、腕を競い合う全日本学生落語選手権「策伝大賞」。2025年の大会は、過去最多となる160人が参加し、岐阜の地で熱戦が繰り広げられました。落語の歴史と伝統を受け継ぐ若者たちが、自らの技と情熱をかけて挑むこの大会の舞台裏に密着したのが、NHK総合「笑う岐阜には福来る」です。大会の模様を詳しく紹介します。

全日本学生落語選手権「策伝大賞」とは

全日本学生落語選手権「策伝大賞」

(出典:全日本学生落語選手権「策伝大賞」)

全日本学生落語選手権「策伝大賞」は、落語の祖安楽庵策伝ゆかりの地である岐阜市で開催される、日本唯一の学生落語日本一決定戦です。今年で22回目を迎え、2025年2月14日(金)に予選、15日(土)に決勝が行われました。全国の落語研究会に所属する学生たちが集い、古典落語を正統派で演じる者、新たなアレンジを加える者、そして完全オリジナルの新作落語に挑む者まで、多様なスタイルで観客を楽しませました。

  • 全国62の大学・大学院から308名がエントリー
    今年の大会も全国各地の落語研究会から、個性豊かな学生たちが集まりました。歴史のある大学の落研から、比較的新しく立ち上がったサークルまで、実力派が勢ぞろい。参加者の中には、幼いころから落語に親しみ、大学でも本格的に取り組んでいる人もいれば、大学で落語と出会い、熱心に練習を積み重ねてきた人もいます。

  • 事前審査を通過した132名が予選会に出場
    まず、事前審査によって132名が選ばれました。審査基準には「話しのテンポ」「演技力」「観客を引き込む力」などが含まれ、学生たちはこの審査を通過するために日々練習を重ねてきました。出場者の持ち時間は6分で、短い時間の中でいかに観客を引き込むかが勝負のカギとなります。

  • 予選会は岐阜市文化センターで開催
    岐阜市文化センターの複数の会場に分かれて審査が行われ、それぞれのステージで笑いが絶えない時間が続きました。出演者のスタイルもさまざまで、王道の古典落語で挑む者、現代風にアレンジした者、新作落語で斬新なアイデアを披露する者など、多彩な演技が見られました。緊張感のある舞台ながらも、会場には大きな笑い声が響き渡りました。

  • 予選を勝ち抜いた8名が決勝に進出
    激戦の予選を勝ち抜き、決勝へと進んだのはわずか8名。決勝では、より長い8分間の持ち時間が与えられ、学生たちは全力を出し切ります。決勝の舞台で披露される演目は、より完成度を高めるために何度も練習を重ねたものばかりで、本番に向けた最後の調整にも余念がありませんでした。

大会の模様は会場に集まった多くの観客の前で行われましたが、さらに、ライブ配信によって全国の落語ファンがリアルタイムで観戦。オンラインでも大きな反響を呼び、遠方のファンや出場者の家族、落語関係者など、多くの人が学生たちの熱演を見守りました。こうした取り組みにより、「策伝大賞」はますます注目を集め、学生落語の登竜門としての存在感を強めています。

予選の舞台裏と激戦の模様

第12回全日本学生落語選手権『策伝大賞』結果報告

(出典:全日本学生落語選手権「策伝大賞」)

大会初日、岐阜には全国から集まった学生落語家たちの熱気が満ちていました。予選が行われる3つの会場には、緊張感と期待が入り混じる雰囲気が漂っています。各自が準備を整え、自分の持ちネタを最良の形で披露できるよう、最後の練習を重ねていました。審査員にはプロの落語家も加わり、公平かつ厳正な審査が行われます。決勝へ進めるのはわずか8人。狭き門を突破するため、学生たちは全力を尽くしました。

明治大学の紫紺亭志い朝(桑島直寛さん)は、プロの落語家を目指し、この大会に挑みました。明治大学の落語研究会は15年間も決勝進出者なしという悔しい記録が続いており、その流れを断ち切るべく、強い意気込みを持って予選に臨みました。予選前夜には、岐阜在住の明治大学OBによる壮行会が開かれ、先輩たちから激励を受けました。

  • OBたちは、過去の大会での経験談を語り、励ましの言葉をかけた。
  • 「落語は心から楽しむもの。楽しむ気持ちを忘れずに」と、先輩の言葉に背中を押された。
  • 壮行会の後も、宿でネタを何度も確認。鏡の前で表情や動きをチェックし、最終調整を行った。

当日、桑島さんは創作落語で挑みました。予選の舞台では、落ち着いた口調で丁寧に話を進め、場内には笑いが広がりました。しかし、決勝進出の発表では名前が呼ばれず、悔しい結果に終わりました。

東北学院大学の頑張亭たい杜(遠藤匡さん)も、大きな注目を集めた一人です。彼は2024年大会で東北勢初の入賞を果たし、その経験を糧に、今年も挑戦しました。しかし、昨年とは異なるスタイルでの挑戦を決意。得意の義太夫を封印し、新しい表現方法を模索しての出場でした。

  • 落研の仲間たちと何度も話し合い、新たなスタイルの落語を作り上げた。
  • 「去年の自分を超える」ことをテーマに、表現力を重視した演技を意識。
  • リズムや間の取り方を変え、より落語らしい形へと進化させた。

迎えた予選当日、遠藤さんの落語には観客の笑いが起こり、手ごたえを感じました。しかし、結果発表では名前が呼ばれず、決勝進出はなりませんでした。

午後7時30分、決勝進出者の発表が行われ、桑島さんと遠藤さんの名前は呼ばれませんでした。二人にとっては悔しい結果となりましたが、「落語家として成長するための大きな経験になった」と、それぞれが前向きな姿勢を見せました。桑島さんは卒業後のプロ入りを見据え、さらなる研鑽を積む決意を新たにしました。遠藤さんも、文楽の世界で新たな挑戦を続ける覚悟を固めました。今回の経験が、彼らの未来にとって大きな財産となることは間違いありません。

決勝進出者たちの熱演

決勝戦の舞台は、岐阜市民会館。1500人収容の大ホールには、学生落語家たちの緊張と興奮が入り混じっていました。決勝に進んだ8人は、これまでの努力のすべてをぶつけるべく、着物の着付けを終え、出番を静かに待ちます。それぞれが、己の持ち味を最大限に活かした高座を披露しました。

  • 大阪芸術大学「東家四街(前澤啓人さん)」

    • 演目:「鈴ヶ森」
    • 迫力ある語り口で、時代物の雰囲気を存分に表現。
    • 目線や仕草を駆使し、観客を一気に江戸時代へ引き込んだ。
    • プロを目指しているだけあり、落ち着いた高座運びが印象的だった。
  • 二松学舎大学「二松亭姫爆(吉田もえさん)」

    • 演目:「現代版厩火事」
    • 古典落語を現代風にアレンジし、新鮮な笑いを生み出した。
    • 「女子が落語をやるのは難しい」と言われる中での挑戦。強い意志が感じられる演技だった。
    • セリフ回しのテンポがよく、客席の反応も上々だった。
  • 福岡大学「福々亭兎子(野中春菜さん)」

    • 演目:「堀の内」
    • 家族の応援を受けての決勝進出。両親は急遽駆けつけ、その姿を見てさらに気合が入った。
    • 登場人物ごとの声の使い分けが見事で、表情豊かに話を展開。
    • 落語と向き合う真摯な姿勢が感じられた高座だった。
  • 関西学院大学「四笑亭丸慧(日高昴さん)」

    • 演目:「お見立て」
    • 落語研究会の存続のために奮闘し、その集大成として決勝の舞台へ。
    • コロナ禍で廃部寸前だった落研を復活させた功績もあり、応援の声が大きかった。
    • 表情や所作が自然で、話の流れにスムーズに引き込まれる高座だった。
  • 青山学院大学「燻川木つ葉(加藤優和さん)」

    • 演目:「死神・改」
    • 仲間と共に磨き上げた落語で、場を沸かせた。
    • 怖さと笑いを絶妙に融合させ、緊張感のある演出が際立った。
    • 台詞の間の取り方が巧みで、観客をじっくり引き込む構成だった。
  • 京都大学「葵家万羽(梅原志和さん)」

    • 演目:「玉置そば」
    • 創作落語で新たな表現に挑戦し、観客の笑いを誘った。
    • 京都大学落語研究会の強さを見せつけるような堂々とした話しぶり。
    • ストーリー展開が独特で、観客を引き込む力があった。
  • 中央大学「扇家なん輔(板垣空さん)」

    • 演目:「擬宝珠」
    • 他の演者の落語を聞かずに集中し、自分の世界を作り上げた。
    • 細かい仕草や語りのリズムにこだわり、緻密な落語を披露。
    • 堅実な実力派という印象を与える高座だった。
  • 京都大学「葵家竹生(永野泰地さん)」

    • 演目:「胡椒のくやみ」
    • 新しい試みに挑戦し、独特の落語を展開
    • 演技の幅が広く、キャラクターごとの個性が際立っていた。
    • 落語を知る人ほど楽しめる、細かい工夫が凝らされた話だった。

それぞれが、異なるスタイルや個性を活かしながら、観客を楽しませる工夫を凝らしていました。観客の反応も良く、どの演者にも惜しみない拍手が送られました。決勝戦にふさわしい、レベルの高い戦いとなりました。

受賞者と演目

審査の結果、以下の3名が受賞しました。受賞者たちは、それぞれの個性を活かした落語を披露し、観客を大いに沸かせました。

  • 策伝大賞(最優秀賞):田町家樽聖如(法政大学・早瀬太亮さん)
    田町家樽聖如さんは、法政大学落語研究会に所属し、これまでに培った話術と表現力を駆使して高座に挑みました。彼の落語は、テンポの良さと的確な間の取り方が光り、観客をぐっと引き込む力がありました。

    • 彼が選んだ演目は、古典落語を現代的にアレンジしたもので、伝統を重んじつつも、観客に親しみやすい内容に仕上げていました。
    • 細やかな仕草や表情の演技も秀逸で、登場人物ごとのキャラクターが明確に分かり、まるで実際にその場にいるような感覚にさせる高座でした。
    • 落語の世界にどっぷりと浸らせる力があり、審査員からも「堂々とした落語」「学生のレベルを超えている」と絶賛されました。
    • 観客の笑い声が絶えず、会場の一体感を生み出したことも評価され、見事、日本一の称号を手にしました。
  • 審査員特別賞:道楽亭ぱある(京都大学・疋田真珠子さん)
    道楽亭ぱあるさんは、「悋気の独楽」という演目を披露。彼女の落語は、表現力の高さと豊かなユーモアのセンスが特徴で、観客を笑わせながらも物語に引き込む力がありました。

    • 登場人物ごとの声色の使い分けが巧みで、特に女性の嫉妬心を描く場面では、笑いを交えつつもリアルな感情表現があり、観客の共感を呼びました。
    • 仕草や目線の動きにもこだわりがあり、まるで実際にその場で出来事が起こっているかのようなリアルな演技でした。
    • 審査員からは「感情表現の深さが秀逸」「繊細な演技が観客を引き込む」と高く評価され、審査員特別賞を受賞しました。
  • 岐阜市長賞:頑張亭たい杜(東北学院大学・遠藤匡さん)
    頑張亭たい杜さんは、落語への愛情をたっぷり込めた演目で観客を沸かせ、岐阜市長賞を受賞しました。

    • 彼の落語の特徴は、話しの展開の巧みさと、親しみやすい語り口です。
    • 絶妙な間の取り方で観客をじらし、笑いのポイントで一気に爆発させる手法を使い、会場を大いに盛り上げました。
    • 「これぞ落語!」と言えるような王道の演技スタイルを貫き、観客の反応をしっかりと拾いながら高座を進める姿が印象的でした。
    • 地元岐阜の文化を取り入れた演目を披露したことも評価され、岐阜市長賞の受賞につながりました。

受賞者たちの落語は、それぞれの個性や持ち味を最大限に活かした内容であり、どの演目も観客を引き込む力がありました。彼らの成長と今後の活躍が期待される素晴らしい大会となりました。

結果発表!栄光をつかんだのは?

決勝戦が終わり、会場には緊張感が漂いました。審査員による厳正な評価のもと、ついに各賞が発表されます。落語にかけた時間と努力のすべてが、この瞬間に集約されました。

  • 岐阜市長賞:二松学舎大学の吉田もえさん

    • 関東の学生落語界を牽引する存在として、高く評価されました。
    • 現代版にアレンジした「厩火事」が観客に新鮮な印象を与え、審査員の心をつかみました。
    • 「女子が落語をやるのは難しい」と言われる中、自らのスタイルを確立し、見事に結果を残しました。
    • 声の使い分けや間の取り方が絶妙で、落語の持つリズム感を最大限に活かしていました。
  • 審査員特別賞:京都大学の梅原志和さん

    • 創作落語「玉置そば」で新たな表現に挑戦し、独自の世界観を確立しました。
    • 落語の伝統を大切にしながらも、新しい試みに挑む姿勢が評価されました。
    • 観客をじっくり引き込み、最後に大きな笑いを生み出す巧みな構成が特徴的でした。
    • 京都大学落語研究会の層の厚さを証明する結果となりました。
  • 策伝大賞(優勝):京都大学の永野泰地さん

    • 演目「胡椒のくやみ」で見事に優勝を果たし、大会史上初の京都大学ワンツーフィニッシュを達成しました。
    • これまでの学生落語にはない新しい視点を取り入れ、観客を驚かせました。
    • 細かい所作や表情の変化が巧みで、話の展開に引き込まれる落語だったと審査員も絶賛しました。
    • 落語の本質である「話の面白さ」と「表現力」を見事に融合させ、まさに優勝にふさわしい高座を披露しました。

京都大学落語研究会の同じ大学からのワンツーフィニッシュは、大会史上初の快挙となり、関係者の間でも驚きの声が上がりました。京都大学の落研は部員が多く、過去にも優勝者を輩出している名門ですが、この結果はさらにその実力を証明するものとなりました。

決勝戦はどの演者も素晴らしく、審査員も悩むほどのレベルの高さでした。しかし、その中でも京都大学勢の強さが際立ち、伝統と革新を融合させた落語が評価される結果となりました。受賞者たちは、これからの落語界を担う存在として、さらに成長していくことでしょう。

まとめ

「笑う岐阜には福来る」は、学生落語の世界に懸ける若者たちの情熱と努力を描いた番組でした。落語という伝統芸能を受け継ぎながら、新しい表現に挑戦する学生たちの姿には、多くの人が感動を覚えたことでしょう。今後も、彼らの活躍に期待が高まります。来年の大会ではどんな新たな才能が登場するのか、今から楽しみです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました