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【NHKスペシャル】J-POP×ボーカロイドの進化!Ado・YOASOBI誕生の背景と世界を魅了する理由|2025年3月16日放送

新ジャポニズム 第2集 J-POP“ボカロ”が世界を満たす|2025年3月16日放送

J-POPは今、世界中で人気を集めています。その背景には、ボーカロイド(VOCALOID)という音楽文化が大きく関わっています。ボーカロイドとは、音声合成技術を使って歌を作るソフトウェアのことです。初音ミクをはじめとするボーカロイドの歌声は、独特の機械的な響きを持ちつつも、世界中の人々の心を動かしてきました。今回の「NHKスペシャル」では、そんなボーカロイドがどのようにJ-POPの流れを変え、国境を超えて広がっているのかが紹介されました。

J-POPとボーカロイドのつながり

J-POPの中には、ボーカロイドをルーツに持つ楽曲が多く存在しています。例えば、世界的に人気のアーティストAdoも、ボーカロイド音楽の影響を受けていることを公言しています。彼女は「ボーカロイドは心の拠り所」と語り、自らの音楽スタイルにも取り入れてきました。

ボーカロイドの歴史は、2007年に発売された「初音ミク」から始まりました。当時、ニコニコ動画という動画投稿サイトで、多くのクリエイターたちがボーカロイドを使った楽曲を発表しました。そこから「ボカロP」と呼ばれる作曲家たちが生まれ、プロ・アマ問わず自由に音楽制作ができる場が広がりました。この流れの中で、米津玄師(ハチ名義)をはじめ、多くのアーティストが誕生しました。

ボーカロイドは単なる音楽ツールにとどまらず、表現の幅を広げる文化として成長していきます。現在では、世界で聴かれている日本の楽曲ランキング100曲のうち、25曲がボーカロイド発の楽曲という驚くべきデータもあります。特に、「愛して愛して愛して」などの楽曲は海外リスナーから熱狂的な支持を受けています。

海外でのボーカロイド人気

ボーカロイドは日本だけでなく、海外でも大きな影響を与えています。例えば、タイで行われたYOASOBIのライブでは、観客が日本語の歌詞を一緒に歌う場面がありました。これは、ボーカロイド楽曲が言語の壁を超え、多くの人に愛されている証拠です。

また、イギリス・ロンドンではボカロP「きくお」のライブが開催され、会場には多くの熱狂的なファンが集まりました。きくおの楽曲は、ダークで生々しい歌詞が特徴であり、特に苦しみや孤独を抱えるリスナーにとって支えとなる音楽です。きくお自身も「ボーカロイドの歌声があるからこそ、自分の苦しみを率直に表現できる」と語っています。

メキシコでも、ボーカロイドの人気が高まっています。ボーカロイドのキャラクターが映るスクリーンのパフォーマンスに観客が熱狂する一方で、人間の歌手がカバー曲を歌うと反応が薄れるという現象が起きました。これは、ボーカロイドの「機械的な声」だからこそ魅力を感じる人が多いことを示しています。

ボーカロイドが生み出す「居場所」

ボーカロイド音楽は、単なる娯楽ではなく、多くの人にとっての「居場所」になっています。

  • インドの大学生ヴィジャイさんは、思春期に自分の性のあり方を両親に伝えたものの、受け入れられず孤独を感じていました。しかし、ボーカロイドの楽曲に出会い、「自分は独りではない」と感じられたそうです。
  • 13歳のカーヴィヤさんは、いよわの楽曲「きゅうくらりん」を聴いて、家族や友達にも言えない苦しみを救われたと話しました。

ボーカロイドの楽曲は、ポップミュージック以上にリスナーの気持ちに寄り添うものとして、多くの人に影響を与えています。

初音ミクは“空っぽの器”?

番組では、キングス・カレッジ・ロンドンのザボロフスキ博士の研究が紹介されました。彼の調査によると、「ボーカロイドの声はその時によって違って聞こえる」とのことです。これは、リスナーが自分の感情を投影しながら音楽を聴いているからではないかと考えられています。

  • 能楽との共通点として、日本の伝統芸能「能」の話も紹介されました。能では、主人公が「能面」をつけ、観客が登場人物の感情を想像することで、物語の世界をより深く感じることができます。ボーカロイドの歌声も同様に、余白のある表現がリスナーの感情と重なり合うことが人気の理由ではないかと考えられています。

世界のボカロPたち

ボーカロイド文化は、日本発のものですが、今では世界各地のクリエイターが独自の表現を生み出しています。

  • イギリスのリシーさんは、自閉スペクトラム症と診断され、人とのコミュニケーションに悩んでいました。しかし、ボーカロイドを使うことで自分の気持ちを音楽に乗せることができ、世界中の人々とつながることができました。
  • インドのカーヴィヤさんは、友達と協力してオリジナル楽曲を制作中です。
  • ヴィジャイさんは、タミル語のバーチャルボイスを自ら開発し、新たな音楽表現に挑戦しています。

日本で生まれたボーカロイド文化が、世界の人々にとっての新しい表現手段となりつつあることが分かります。

まとめ

今回の「NHKスペシャル」では、ボーカロイド文化がJ-POPの発展に与えた影響、そして世界中のリスナーにとって「心の拠り所」になっていることが紹介されました。ボーカロイドの持つ**「自由な表現」「感情を投影できる余白」**が、多くの人に愛される理由となっています。

J-POPは今、ボーカロイドの影響を受けながら進化し続けています。この文化が今後どのように広がっていくのか、ますます注目が集まりそうです。

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