ヒロシマ 世界を動かした2人の少女
2025年6月2日(月)22時からNHK総合で放送予定の『映像の世紀バタフライエフェクト』では、「ヒロシマ 世界を動かした2人の少女」というタイトルで、原爆投下後の広島で生きた2人の少女の物語が描かれます。放送時間は45分間。原爆の悲劇を乗り越え、平和の願いを世界に広めた2人の少女、佐々木禎子さんと中村節子さん。彼女たちの生きた証が、数十年後に核兵器禁止条約という大きな動きにつながっていくまでの軌跡が紹介されます。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新情報を追記します。
原爆の記憶と向き合った少女たち
広島に原子爆弾が投下されたのは1945年8月6日。そのとき、佐々木禎子さんは2歳、中村節子さんは当時まだ幼い少女でした。爆心地近くで被爆した彼女たちは、その後の人生を通じて「核のない平和な世界」を強く願い、それぞれ異なる形で行動を起こしました。
佐々木禎子さんは、爆心地からわずか1.6kmの場所で被爆。10年後、小学6年生のときに白血病と診断され、入院生活が始まります。その中で「千羽鶴を折れば願いが叶う」と聞いた禎子さんは、1羽ずつ丁寧に鶴を折り続けました。
・治ることを信じて、鶴を折り続けた禎子さん
・12歳の若さでこの世を去るまで、希望を失わずに過ごした日々
・彼女の死後、同級生たちの呼びかけで「原爆の子の像」が広島平和記念公園に建立
一方、中村節子さんは、爆心地近くの建物の下敷きになって生き埋めになりながらも奇跡的に助かりました。戦後、家族と共にカナダに移住。節子さんは自らの被爆体験を英語で語る活動を始め、詩や講演を通して世界に原爆の悲惨さを伝え続けました。
・英語を使って国際社会に直接訴えかけた節子さん
・原爆の被害だけでなく、戦後を生きる苦しさや葛藤も詩に込めて発信
・講演や作品は多くの人に感動と影響を与えた
2人の少女は、直接顔を合わせることはなかったかもしれません。しかし、それぞれが心の中で抱き続けた「核兵器をなくしてほしい」という願いが、後の世界へと受け継がれていきました。
終末時計と人類の危機
今回の番組では、アメリカの科学誌『原子力科学者会報』が2025年に発表した「終末時計」にも注目します。今年の終末時計は、人類滅亡まで「残り89秒」という過去最短の時間を示しました。これは、核兵器の拡散、気候変動の悪化、人工知能による軍事リスクなど、さまざまな要因が重なった結果です。
この終末時計は、私たちに「あとどれだけの時間が残されているのか」を示す象徴的な存在です。そして、その針を少しでも止めたいと願い、行動したのが、佐々木禎子さんと中村節子さんでした。
・千羽鶴に込めた命への願い
・世界へ届けた被爆の記憶
・その行動が、世界中の人々の心を動かす力となった
この番組は、そんな2人の少女の存在が、終末時計を止めようとする小さくも力強い“蝶の羽ばたき”であったことを伝えます。
核兵器禁止条約へつながる小さなうねり
彼女たちの行動が直接的に条約を生んだわけではありませんが、その想いが人々の心に影響を与え、やがて国際的な条約という大きな成果へとつながったのは事実です。2017年、国連で「核兵器禁止条約(TPNW)」が採択されました。この条約は、核兵器の使用・開発・保有・移転などを全面的に禁止するもので、核のない世界を目指す新たなスタートとされました。
・市民の声や被爆者の証言が交渉の背景にあった
・子どもたちの平和への思いも評価された
・日本政府は参加していないが、条約は発効し続けている
禎子さんや節子さんのような市井の人々の声が、世界を動かす力となったことを、番組は丁寧に描いていくと考えられます。
放送情報とまとめ
放送日:2025年6月2日(月)
時間:22:00〜22:45(45分間)
放送局:NHK総合(Ch.1)
番組名:映像の世紀バタフライエフェクト ヒロシマ 世界を動かした2人の少女
この番組は、歴史の中で埋もれがちな個人の行動にスポットを当てることで、「小さな行動が大きな変化を生む」というテーマを描き出します。被爆という壮絶な体験を乗り越え、平和を願い行動した2人の少女の物語は、今を生きる私たちに何を残してくれるのでしょうか。
放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
放送の内容と異なる場合があります。
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