秋の麺三昧!上野直哉さんが教える「豚肉とえのきのつけそば」「厚揚げ鶏卵うどん」「手羽先の和風ラーメン」
肌寒い季節になると、温かい麺料理が恋しくなりますよね。けれども、「そばやうどん、ラーメンって家で作ると同じ味になってしまう…」という人も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、上野直哉さんが【きょうの料理】(NHK/2025年10月22日放送)で紹介した3つの麺レシピです。
今回の放送では、冷たいそば、関西風の温うどん、そしてスープから作る本格ラーメンまで、三者三様のだしの活かし方が披露されました。どのレシピも、家庭で手軽に“料亭の味”を楽しめる工夫がいっぱい。
豚肉とえのきのつけそば|香ばしさとだしの深みが一体に
炒めた豚肉とえのきの香ばしさが、しょうゆベースのつけ汁に溶け込み、冷たいそばとの相性が抜群。熱いつけ汁と冷たいそばの温度差が食欲を刺激します。
ポイントは、豚肉に下味をつけてから焼くこと。香ばしさとコクがしっかり出て、まるでお店のような仕上がりになります。
【材料(2人分)】
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| そば(乾) | 2ワ |
| 豚バラ肉(焼き肉用) | 160g |
| ねぎ | 1本(100g) |
| えのきだけ | 1/3袋(60g) |
| 削り節 | 5g |
| わさび(すりおろし) | 適量 |
| サラダ油 | 大さじ1 |
| 塩・こしょう | 各少々 |
A(つけ汁)
| 調味料 | 分量 |
|---|---|
| だし | カップ2 |
| しょうゆ | 大さじ3 |
| みりん | 大さじ1 |
| 砂糖 | 小さじ1 |
【作り方】
-
鍋にAを入れて中火にかけ、沸騰直前で火を止め、削り節を加える。
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常温に冷まし、紙タオルを敷いたざるでこして、香り高いつゆを作る。
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ねぎは斜め1cm幅に切り、えのきだけは根元を落としてほぐす。
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豚肉は片面に塩・こしょうをふって軽くたたき込む。
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フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を両面こんがり焼く。
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ねぎ・えのきを加えて炒め、全体に火が通ったらつけつゆを加えてひと煮立ちさせる。
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別鍋でそばをゆで、流水で洗い、冷水でしめて器に盛る。
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つけ汁を椀に入れ、わさびを添えて完成。
ひと口目はわさびなしで、二口目に少し溶かすと味の変化を楽しめます。
厚揚げ鶏卵うどん|ふんわり卵とだしのやさしい味
寒い夜にぴったりの、ほっとする温うどん。関西では定番の鶏卵うどんを、上野さんは絹ごしの厚揚げでボリュームアップ。半玉のうどんでも十分に満足感がある工夫がされています。
だしに薄口しょうゆを使うことで、色も味も上品に仕上がります。
【材料(2人分)】
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ゆでうどん | 1玉 |
| 厚揚げ(絹ごし) | 小2枚(約120g) |
| 卵 | 1個 |
| だし | カップ4 |
| かたくり粉 | 大さじ1(同量の水で溶く) |
| 細ねぎ(小口切り) | 適量 |
| しょうが(すりおろし) | 適量 |
A(調味料)
| 調味料 | 分量 |
|---|---|
| 薄口しょうゆ | 大さじ2 |
| みりん | 小さじ1/2 |
【作り方】
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厚揚げをざるにのせ、熱湯を回しかけて油抜きをする。
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鍋にだしを入れ、中火で加熱。沸いたらAを加える。
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厚揚げを加えて弱めの中火で10分煮る。
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厚揚げをいったん取り出し、うどんを加えて表示時間どおり煮る。
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水溶きかたくり粉を回し入れ、ゆるくとろみをつける。
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スープが再び沸騰したら、溶き卵を流し入れてふんわりと固める。
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器にうどんと厚揚げを盛り、スープを注ぐ。
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仕上げに細ねぎとしょうがをのせて完成。
優しい味わいの中に、厚揚げのコクと卵のやわらかさが重なり、ほっとするおいしさ。忙しい日の夜食にもぴったりです。
手羽先の和風ラーメン|骨付き肉のうまみで極上スープ
ラーメン店顔負けのスープを家庭で。鶏手羽先を使って、透き通った旨みのあるスープをとるのが最大の特徴です。
昆布としょうがを加えて煮ることで、臭みが取れ、後味もすっきり。シンプルながら深みのある“和風塩ラーメン”に仕上がります。
【材料(2人分)】
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 中華麺(生) | 2玉 |
| 鶏手羽先 | 4本(200g) |
| 大根 | 100g |
| ゆで卵 | 1個(縦半分) |
| もやし | 適量 |
| 塩 | 小さじ1+1/2 |
| 黒こしょう(粗びき) | 適量 |
A(スープベース)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 昆布(5cm四方) | 2枚 |
| しょうが(薄切り) | 小1かけ |
| 酒 | 大さじ2 |
| 水 | カップ6 |
B(味つけ)
| 調味料 | 分量 |
|---|---|
| 薄口しょうゆ | 小さじ1 |
| 塩 | 小さじ1/2〜1 |
【作り方】
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手羽先は関節で切り離し、骨に沿って2本切り目を入れる。塩を全体にまぶして30分おく。
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水けを紙タオルでふき取り、鍋に入れる。Aの材料を加えて強火にかける。
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沸騰したら弱火にし、アクを取りながら20分煮る。
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大根を加えてさらに10分煮、Bで味を整える。
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ざるに紙タオルを敷いてこし、手羽先とスープを分ける。昆布としょうがは取り除く。
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スープを鍋に戻し、温めながら手羽先と大根を加える。
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もやしをさっとゆで、中華麺を袋の表示時間どおりにゆでる。
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麺を器に盛り、スープ・大根・手羽先・もやし・ゆで卵をのせ、黒こしょうをふる。
口に含むと、鶏の骨からにじみ出た深いコクと昆布のやさしい旨みが広がります。ラーメン好きも唸る、滋味深い味わいです。
まとめ|上野直哉さんが伝える“だしの魔法”で家庭の麺が変わる
今回の3つの麺料理は、どれも「だし」と「香り」の生かし方が見事。
・炒め香が食欲をそそる『豚肉とえのきのつけそば』
・卵のやわらかさが包み込む『厚揚げ鶏卵うどん』
・骨付き肉のうまみが凝縮した『手羽先の和風ラーメン』
どの料理も、手間を惜しまず一つひとつの工程を丁寧に行うことが美味しさの秘訣です。上野直哉さんの料理は、派手ではなくても確かな技と温もりが感じられ、食べる人の心をほっと和ませます。
今日の夕食は、あなたの気分に合った麺を選んで、季節の味をじっくり楽しんでみてください。
出典:NHK「きょうの料理」公式サイト(https://www.nhk.jp/p/kyounoryouri/)
関西の鶏卵うどん文化|やさしい味に宿る“だしの哲学”

ここからは、私からの提案です。関西では昔から、「風邪をひいたとき」「食欲がないとき」「夜食に軽く温まりたいとき」に登場する定番の一品が鶏卵うどんです。関西のだし文化を象徴する料理で、京都や大阪では専門店のメニューにも必ずと言っていいほど並んでいます。家庭でも手軽に作れるため、まさに“おふくろの味”の代表格。
関西の鶏卵うどんの特徴は、まずだしの取り方にあります。昆布とかつお節を合わせた黄金比の合わせだしを使い、透明感のある薄色のスープに仕上げます。しょうゆは濃口ではなく薄口しょうゆを使うのが基本。色を濃くせずに、素材の香りとやさしい甘みを引き立てるのが関西風の流儀です。
卵は溶き卵をスープに流し入れ、ふんわりとした「かきたま」に。火加減が少しでも強いと固くなるため、“ふわとろ”の瞬間を見極める技術が求められます。このやわらかい卵が、うどんの滑らかさと溶け合って、口に運ぶたびにやさしさが広がるのです。
さらに、京都では「生姜を添える」のが定番。しょうがの香りがだしの甘みを引き締め、食欲をそそります。一方、大阪では「とろみをつける」スタイルが多く、寒い日には体を芯から温めてくれる一杯になります。
このように、関西の鶏卵うどんは地域ごとの気候や味覚の好みが反映された“食文化の集大成”ともいえる存在。上野直哉さんが紹介した『厚揚げ鶏卵うどん』も、その伝統を現代風にアレンジした一品です。家庭の食卓でもこの関西のだし文化を感じられる、まさに“心で食べる料理”といえるでしょう。
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