そうだったのか!トンボに新事実|2月23日(日)放送回
「どこにでもいる普通のトンボ」と思われがちなウスバキトンボですが、実は驚くべき移動能力を持つ「地球を旅するトンボ」だったことが、全国規模の大調査で明らかになりました。今回の「ダーウィンが来た!」では、ウスバキトンボがどのようにして海を越え、大陸をまたぐ長距離移動をしているのか、その秘密を解き明かします。さらに、この壮大な旅を可能にしているトンボ界トップクラスの飛行能力についても詳しく紹介されます。誰もが知っていると思っていた身近な生きものの、新たな一面を知ることができる回になりそうです。
ウスバキトンボは「地球を旅する」トンボだった
ウスバキトンボ(学名:Pantala flavescens)は、日本をはじめとする世界中の熱帯から温帯地域に生息しているトンボです。特に日本では夏から秋にかけて飛来し、河川や池の近くでよく見かけることができます。しかし、実はこのトンボ、日本国内にとどまらず、何千キロも移動しながら生活していることが分かってきました。
・日本の南西諸島や沖縄を経由して本州へ飛来し、世代交代しながら北上
・東南アジア、インド、さらにはモルディブやアフリカ東海岸まで到達
・16,000キロ以上の距離を、数世代にわたって移動し続ける
ウスバキトンボは1匹の個体がすべての距離を飛ぶわけではなく、世代交代を繰り返しながら、子孫をつないでいくことでこの壮大な旅を続けているのです。この移動パターンは渡り鳥に似ていますが、鳥のようにエネルギー補給のために休むことができないトンボにとって、どのようにしてこの長距離移動を可能にしているのかが注目されています。
ウスバキトンボの驚異的な飛行能力
ウスバキトンボが世界をまたぐような移動を可能にしているのは、その特別な飛行能力にあります。
・滑空が得意:翅の形が工夫されており、最小限のエネルギーで長距離を飛べる
・翅を独立して動かせる:前翅と後翅を別々に動かせることで、細かい飛行操作ができる
・長時間飛行が可能:最大8時間以上、連続して飛ぶことができる
・エネルギー効率が高い:飛ぶ前に体内に糖類や脂肪を蓄え、効率よくエネルギーを消費
これらの能力を駆使することで、ウスバキトンボは海を越えて何千キロも飛び続けることができるのです。特に、強い上昇気流を利用することで無駄なエネルギー消費を抑え、長時間飛行を実現していると考えられています。
ウスバキトンボの移動ルートを追う全国調査
ウスバキトンボが実際にどこからどこへ移動しているのかを調べるため、日本国内でも大規模なマーキング調査が行われています。この調査では、捕まえたウスバキトンボに識別用のマーキングを施し、再び捕獲された地点を記録することで移動ルートを特定していきます。
・全国の研究者や市民が協力し、大量のデータを収集
・捕獲された場所や時間を記録し、どのように分布が変化するのかを分析
・日本に飛来するウスバキトンボの出発地や、次の移動先を特定
この調査によって、ウスバキトンボがいつ、どこから飛来し、どの地域へ向かうのかが徐々に明らかになってきています。さらに、気候変動による影響も調べられており、ウスバキトンボの移動パターンに変化が見られるかどうかも注目されています。
ウスバキトンボの生態をもっと知ろう
普段何気なく見ているトンボが、実は「世界を旅するトンボ」だったことに驚いた人も多いのではないでしょうか。ウスバキトンボのように、まだまだ知られていない生きものの秘密はたくさんあります。今後の研究によって、さらに新しい発見があるかもしれません。
今回の「ダーウィンが来た!」では、ウスバキトンボの驚くべき飛行能力と、世界を旅するその壮大な生態が明らかになります。普段何気なく見かける生きものに、こんなにも奥深い秘密が隠されていたとは驚きです。
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