そうだったのか!ウズラ新事実|2025年2月23日放送
ウズラと聞くと、スーパーで売られている卵を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、もともとウズラは日本の野鳥で、かつては全国各地に生息していました。ところが近年、野生のウズラは幻の鳥と呼ばれるほど姿を見かけることがなくなりました。今回の「ダーウィンが来た!」では、そんな野生のウズラの生態を徹底調査。撮影が極めて困難とされるウズラの繁殖行動の記録に日本で初めて成功しました。その驚きの生態と、野生ウズラが減少した理由について詳しく紹介します。
野生のウズラを撮影せよ!幻の鳥の実態を追う
野生のウズラは、人の目に触れることがほとんどなく、鳴き声は聞こえても姿を見ることが極めて難しい鳥です。そこで取材班は、2015年に30年ぶりに野生のウズラの繁殖が確認された青森県の仏沼へ向かいました。ここで協力を得たのが、鳥類学者の上田恵介博士。ウズラの生態に詳しい専門家の協力のもと、5月中旬から撮影を開始しました。
・ウズラの鳴き声は聞こえるものの、3日間探しても姿を確認できず
・サーモドローン(熱を感知するドローン)を使用し、ようやく発見
・自動撮影カメラと人工芝を設置し、撮影チャンスを待つ
自動撮影カメラには、タヌキやクイナ、チョウヒといった鳥や動物が映っていたものの、ウズラはわずかに姿を見せただけですぐにいなくなってしまいました。やはり幻の鳥と呼ばれるだけあり、その撮影は一筋縄ではいきません。
かつては身近な鳥だったウズラが幻になった理由
現在では野生の姿をほとんど見ることができないウズラですが、江戸時代には日本中で見られるほど身近な鳥でした。人々に親しまれ、その姿は屏風絵にも描かれています。しかし、明治時代になると、ウズラの卵の栄養価の高さが注目され、大規模な飼育が始まりました。その一方で、野生のウズラは次第に数を減らしていったのです。
・乱獲により個体数が減少
・農地開発などにより生息地の草原が失われた
・飼育ウズラの増加と対照的に、野生ウズラは絶滅が心配されるレベルまで激減
ウズラは草むらに身を潜める性質があり、開けた場所にはほとんど出てきません。しかし、その生息環境が失われたことで、ますます人々の目に触れることがなくなりました。
撮った!ウズラの繁殖行動 日本初の大スクープ
5月下旬、取材班は草刈り直後の場所でついにウズラを発見しました。この時期はウズラの繁殖シーズン。オスのウズラはメスにアピールするため、あえて開けた場所に姿を現します。この習性を利用し、取材班は地元の許可を得て「出会いの広場」を作ることにしました。
・草刈りを行い、広場を作る
・オスがメスにアピールするために現れることを期待
・午後になると、さっそくオス2羽が登場
数日後、新たなオスも加わり、ウズラの群れが形成されました。そして、ついにメスが現れ、カップルが誕生。その後も取材を続けた結果、6月下旬には9羽のヒナを連れたメスの姿が撮影されました。日本国内で野生ウズラの繁殖行動が記録されたのは、今回が初めてのことです。
まとめ
かつては身近な鳥だったウズラが、今では幻の鳥と呼ばれるほど数を減らしてしまいました。しかし、今回の調査で、野生のウズラが今も生き続け、繁殖していることが明らかになりました。草原の減少や乱獲など、人間の活動によって数を減らしたウズラですが、適切な環境を整えれば、再びその姿を取り戻すことができるかもしれません。
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