“世界タウン”新大久保 日本で暮らす外国人たちの素顔|2月24日放送
新大久保は、東京都新宿区にある国際色豊かな街です。かつてはコリアンタウンとして知られていましたが、近年はバングラデシュ、ネパール、ベトナム、タイ、インドなど、さまざまな国の人々が集まり、多文化が融合する街へと変わっています。そんな新大久保を舞台に、NHKの「100カメ」が100台のカメラを設置し、日本で暮らす外国人たちのリアルな姿を映し出します。
番組では、新大久保の多国籍な風景が映し出されます。登場するのは、多国籍の客が訪れる八百屋や、イスラム教徒も安心して食事ができるハラルフードのタイ料理店、韓国の伝統衣装を体験できるチマチョゴリ店、そしてバングラデシュやネパールの人々が建立したヒンドゥー教の寺院などです。街を歩けばさまざまな言葉が飛び交い、日本の中にいながら異国を感じられるエリアとなっています。番組を通じて、多国籍化が進む日本の“今”を知ることができます。
24時間営業の「新宿八百屋」
新宿八百屋は、新大久保の国際色豊かな食文化を支える重要な存在です。日本のスーパーでは見かけない食材が多く揃っており、外国人だけでなく、日本人の料理好きや飲食店関係者にも人気があります。特に、海外の食材を求める人々にとって、新宿八百屋は欠かせない場所となっています。
・品揃えの豊富さが魅力
店内には、東南アジア、南米、韓国、中国などさまざまな国の食材が並んでいます。例えば、韓国料理に欠かせないサムギョプサル用のエゴマの葉、ベトナム料理でよく使われる空芯菜(パクブン)、タイのスープやカレーに欠かせないレモングラスなど、日本のスーパーではなかなか手に入らないものが揃っています。また、フィリピンや南米の料理に使われるバナナの葉や、ネパールの発酵食品ガンドゥルックなども販売されています。
・世界各国のフルーツも充実
フルーツの品揃えも豊富で、ドリアン、ドラゴンフルーツ、マンゴスチン、スターフルーツ、パッションフルーツなど、南国を思わせる果物が並んでいます。特にドリアンは、東南アジアの人々にとって馴染み深いフルーツで、新宿八百屋では冷凍品やカット済みのものも販売されているため、気軽に購入できます。
・価格の安さとボリューム感
新宿八百屋の魅力の一つは、とにかく安いことです。例えば、
- 玉ねぎ3玉88円
- バナナ1房100円以下
- 韓国かぼちゃ(エホバッ)1本150円前後
日本のスーパーと比べると、量が多くて価格が手頃なため、まとめ買いする人が多いです。特に、飲食店関係者や大家族の外国人にとって、安くて量が多いことは大きなメリットになっています。
・多国籍な雰囲気と活気あふれる店内
店内に足を踏み入れると、まるで海外の市場に来たかのような雰囲気が広がっています。お客さんはベトナム人、ネパール人、バングラデシュ人、韓国人、中国人など多国籍で、飛び交う言葉もさまざま。スタッフも多国籍で、明るく元気な接客が特徴です。野菜や果物の名前を英語や各国の言葉で書いたポップもあり、買い物しやすい工夫がされています。
・24時間営業の利便性
新宿八百屋は、24時間営業のため、深夜でも早朝でも新鮮な食材を買うことができます。特に、
- 夜勤明けの外国人労働者
- 遅い時間まで働く飲食店関係者
- 仕事終わりの買い物客
などにとって、好きな時間に買い物ができるのは大きなメリットです。新鮮な野菜や果物が夜中でも手に入るため、「スーパーが閉まった後でも安心して買い物ができる」と多くの人に支持されています。
新宿八百屋は、品揃えの豊富さ、価格の安さ、多国籍な雰囲気、そして24時間営業という利便性の高さで、多くの人々の生活を支えている存在です。新大久保を訪れた際には、異国の市場のようなこの八百屋で、普段は見かけない食材を探してみるのも楽しいかもしれません。
ハラルフードのタイ料理店「ルン・ルアン」
新大久保には、イスラム教徒向けのハラルフードを提供する飲食店も数多くあります。その代表が、タイ料理店「ルン・ルアン」です。この店は、新大久保の裏路地にありながら、多くの人に愛される人気店です。
・ハラル認証を受けた食材を使用しており、イスラム教徒の人々も安心して食事ができる
・アルコールの提供はなく、イスラム文化を尊重した雰囲気
・日本人にも人気があり、本格的なタイ料理を求める人々が訪れる
店内では、多国籍な客層が料理を楽しんでおり、日本人も異国の文化に触れることができます。また、新大久保にはこのようなハラル対応の店が多く、インド、ネパール、バングラデシュの本格料理を楽しめるエリアとしても知られています。
チマチョゴリ体験ができる店
韓国文化が根付く新大久保では、チマチョゴリ(韓国の伝統衣装)を体験できるお店も人気を集めています。特に若い女性や観光客に人気のスポットとなっています。
・「オモイデ」:韓服デザイナーが運営する店で、豊富なデザインのチマチョゴリから選べる
・「Chimachodoru」:伝統的なデザインから現代風のものまで多彩な韓服をレンタルできる
どちらの店も、スタジオでの撮影プランがあり、韓国旅行気分を楽しめます。さらに、60分以内ならチマチョゴリを着たまま新大久保の街を散策することも可能です。韓国文化を身近に感じながら、特別な思い出を作ることができます。
異国で暮らすヒンドゥー教徒の拠り所「シヴァマンディル東京」
新大久保には、ヒンドゥー教徒の信仰の場として大切な役割を果たす「シヴァマンディル東京」があります。バングラデシュやネパールの人々が建立したこの寺院は、2018年5月に誕生しました。日本国内では数少ないヒンドゥー教の礼拝施設であり、多くのヒンドゥー教徒が心の拠り所としています。
・アクセスが便利で、誰でも訪れやすい立地
寺院はJR大久保駅から徒歩3分、新大久保駅から徒歩10分の場所にあり、気軽に立ち寄れる環境が整っています。多くのヒンドゥー教徒が住むエリアに位置しており、信者たちにとって身近な存在となっています。
・小さな空間ながらも、本格的なヒンドゥー教の礼拝が可能
ビルの1階にある寺院のスペースは、畳4畳分ほどの広さですが、ヒンドゥー教の神々が祀られており、厳かで神聖な雰囲気に包まれています。
- シヴァリンガ(シヴァ神を象徴する石)
- シヴァ神とパールヴァティ女神の像
- サラスヴァティー、ラクシュミー、クベーラ、ガネーシャの神々のポスター
壁には、インドやネパールで見られるような神々の絵が飾られ、現地の寺院を思わせる雰囲気が漂っています。
・本場さながらの礼拝スタイル
この寺院では、毎週月曜日の夕方に礼拝が行われ、土日にも開放されています。訪れる信者は、ネパール人、インド人、バングラデシュ人を中心に10代から40代の幅広い年齢層。礼拝はとても活気があり、本場のヒンドゥー寺院さながらの儀式が行われます。
- 法螺貝を吹く(ヒンドゥー教の儀式では、神聖な音を響かせるために使われる)
- 太鼓や鐘を鳴らす(音で場を清め、神々への祈りを捧げる)
- シヴァマントラを唱える(「オーム・ナマ・シヴァーヤ」などの神聖な言葉を繰り返し唱える)
寺院に足を踏み入れると、太鼓の音や鐘の音が響き渡り、異国の寺院にいるような感覚になります。
・ヒンドゥー教徒にとって心の拠り所
この寺院は、海外で暮らすヒンドゥー教徒たちが信仰を続けるための貴重な場所です。
- 日々の生活の中で神に祈りを捧げる場があることは、精神的な安心につながる
- ヒンドゥー教の祭りや特別な日に集まり、同じ信仰を持つ仲間と過ごせる
- 海外での生活においても、自分の文化を大切にできる
寺院を訪れる人々は、単に礼拝をするだけでなく、同じ信仰を持つ仲間と出会い、情報交換をしたり、支え合ったりすることができます。
・日本人も参拝可能で、異文化交流の場にも
シヴァマンディル東京は、ヒンドゥー教徒でなくても自由に参拝が可能です。日本人も興味があれば見学ができ、ヒンドゥー教の文化や習慣に触れることができます。新大久保を訪れた際には、この異国情緒あふれる寺院でインドやネパールの文化を感じてみるのもおすすめです。
まとめ
新大久保は、単なるコリアンタウンではなく、さまざまな国の人々が共存し、多文化が融合する“世界タウン”へと進化しています。「100カメ」では、そんな新大久保のリアルな日常を映し出し、日本に暮らす外国人たちの素顔に迫ります。
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