新幹線ホームで味わう名古屋の味「住よし」きしめん
東海道新幹線・名古屋駅のホームに、毎日多くの人が立ち寄る人気の立ち食い店「住よし」があります。たった数分のスキマ時間で訪れた人に、ホッとする味を届けているこのお店が、NHK『ドキュメント72時間』で特集されます。旅立ちの前、帰郷の途中、あるいは思い出をたどるために——どんな人がここに立ち寄るのでしょうか。
名古屋駅の新幹線ホームにある「住よし」とは
1961年創業の老舗きしめん店
「住よし」は、1961年に在来線ホームでスタートした立ち食いそば屋で、1983年からは新幹線ホームにも店舗を展開。現在は上下線あわせて4つの店舗があり、それぞれが新幹線の4号車と14号車付近に設置されています。狭いカウンターには8席のみ。人と人がギリギリすれ違えるほどの空間ながら、常に客足が絶えないスポットです。
利用しやすい営業時間とアクセス
営業時間は朝6:30から夜21:40頃までと長く、出張前の朝食や、帰省中の夕食にもちょうどよいタイミング。入場券だけでホームに入って食事を楽しむ人もいるほどで、名古屋の玄関口である新幹線ホームで、誰でも気軽に名物を味わえる場所になっています。
一杯25秒!時間がない人にぴったりのスピード感
驚きの提供スピードと手作りダシ
「住よし」では、注文からおよそ25秒以内に提供されることが多く、これは忙しいビジネスマンや乗り換え客にとって非常にありがたいポイントです。早さの秘密は事前に茹でてある麺と、継ぎ足しながら煮出すダシにあります。
そのダシにはサバ節・ムロアジ節・ソウダガツオ節の3種類が使われており、甘み・コク・すっきりした後味がバランスよく調和。店舗ごとに店内で丁寧に出汁をとるスタイルなので、立ち食いながらも味は本格派です。
メニューの種類と価格帯も魅力的
きしめんの定番から個性派まで勢ぞろい
「住よし」では、350円〜500円ほどの価格帯で名古屋名物を楽しめるメニューがそろっています。スタンダードな「きしめん」は油揚げ、ねぎ、花かつおが乗ったシンプルな一杯。一番人気は、揚げたての大きなかき揚げがドンと乗った「かき揚げきしめん」。ボリュームがありつつも、スープの味がすっきりしているので食べやすいです。
そのほかにも、エビ天、牛肉、カレー、味噌などのアレンジメニューがあり、中でも「味噌きしめん」には紙エプロンがついてくる気配りも嬉しいポイントです。
メニュー名 | 内容 | 価格帯 |
---|---|---|
きしめん(基本) | 油揚げ・ネギ・花かつお | 約350円 |
かき揚げきしめん | 揚げたてかき揚げがトッピング | 約450円 |
味噌きしめん | 濃厚味噌だれ+紙エプロン | 約450円 |
牛肉きしめん | 甘辛く煮た牛肉入り | 約500円 |
カレーきしめん | カレー風味のつゆ | 約450円 |
交通系ICカード(Suicaなど)にも対応しており、券売機で食券を買うだけですぐ注文できる手軽さも好評です。
小さな立ち食い店に集まる、それぞれの理由
名古屋駅の新幹線ホームにある立ち食いきしめん店「住よし」は、忙しい人々が足を止める特別な場所です。6月15日から17日の3日間にわたってカメラが密着したこの店では、さまざまな人生の一場面が静かに交差していました。提供時間わずか40秒の一杯に込められた、それぞれの想いが見えてきます。
6月15日(日) 税理士、夫婦、そして“きしめんルーティン”の男性
取材初日は日曜日。ホームの一角、人がすれ違うのもやっとの細いカウンターに、スーツ姿の男性が立っていました。出張の合間に立ち寄った税理士で、静かに麺をすすっていました。続いて登場したのは、中古車販売を営む夫婦。地元名古屋の味を確かめるように、ふたりで一杯を味わっていました。
さらに驚かされたのが、新幹線には乗らず、毎週入場券を買って店に通う男性の存在。彼にとって「住よし」は、移動のためではなく、日常の一部として欠かせない場所になっているようでした。その日も、家族連れや競馬好きの男性など、様々な背景をもった人たちが訪れていました。
6月16日(月) 母の面影をたどる女性と、新たな挑戦に向かう若者たち
2日目の月曜日は、朝からスーツ姿のビジネスマンが多く並ぶ平日のホーム。開店と同時に、店の前には一人、また一人と人が集まりました。その中には、闘病中の母を見舞うために帰省した女性の姿も。彼女は子どもの頃に食べたきしめんの味を思い出しながら、目を伏せて一口ひとくち噛みしめていました。
そのほか、プロ棋士を目指しているという若い男性や、実家の寺を継ぐことを決めた青年も登場。それぞれが未来へ向けての大きな決意を胸に、一杯のきしめんに励まされるように立ち寄っていたのが印象的でした。夕方には、三重の自動車工場に長年勤める男性が、仕事終わりに訪れました。彼にとってもこの店は、長年の通勤ルートのように、すでに日常の一部になっているようでした。
6月17日(火) 「動けるうちに」旅を続ける夫婦の思い
最終日となった火曜日には、四国へのツアー旅行中に立ち寄ったご夫婦がいました。夫は、かつて名古屋に住んでいたという男性で、現在はがんを患っているとのこと。それでも「動けるうちに妻と一緒に旅をしている」と話し、久しぶりの名古屋駅できしめんを食べることを楽しみにしていたようでした。
「大事なのは、“もうだめだ”と思わないこと。楽しむ気持ちが一番。時間は誰にとっても平等だから」。そんな言葉とともに、カメラは彼の背中を静かに見送っていました。
3日間の取材を通じて見えてきたのは、「住よし」がただの立ち食い店ではないということ。きしめんの出汁の香りと、40秒で出てくる温かさの中に、それぞれの日常や記憶、未来への思いが詰まっていました。これからもこのホームの片隅で、誰かの一瞬をそっと支える場所であり続けるのでしょう。
参考ソース一覧(外部リンク)
名古屋駅ホームの「住よし」全4店舗紹介

ここからは、私からの提案です。名古屋駅の新幹線ホームには、「住よし」の店舗が上下線合わせて4店舗あります。どの店舗もきしめんを立ち食いスタイルで楽しめますが、位置や開店時間、混雑具合、提供スタイルなどに微妙な違いがあるのが通のポイントです。ここでは、その違いをわかりやすくまとめました。
各店舗の位置・特徴・おすすめポイントまとめ
店舗名 | ホーム | 号車目安 | 営業時間 | 混雑状況 | 特徴 | 通のおすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|---|
上り 4号車付近 | 14・15番線(東京方面) | 4号車付近 | 6:30〜21:40頃 | 非常に混雑 | 一番利用者が多く、提供が早い | 短時間で済ませたい人におすすめ |
上り 14号車付近 | 14・15番線(東京方面) | 14号車付近 | 7:00〜21:30頃 | 朝は比較的空いている | ゆっくり食べたい人向け | 朝のんびりしたい人向き |
下り 4号車付近 | 16・17番線(新大阪方面) | 4号車付近 | 6:30〜21:40頃 | 終日混雑 | ホーム中央寄りでアクセス良好 | 出張帰りにさっと食べたい時に◎ |
下り 14号車付近 | 16・17番線(新大阪方面) | 14号車付近 | 7:00〜21:30頃 | 混雑少なめ | 端のため静かに食べられる | 静かな雰囲気で食べたい人に |
通の人が感じる味と提供の差
どの店舗もきしめんのクオリティは一定ですが、揚げ物(かき揚げなど)は在来線店舗で揚げたものを運んで使っているため、店舗によっては揚げたてのパリパリ感が弱くなることがあります。そのため、天ぷらを重視する人には、ホームの端にある混雑の少ない店舗でゆっくり食べる方が満足度が高い傾向があります。また、店舗によってスタッフの人数や対応スピードにも若干の差があり、早朝の時間帯は4号車側、昼以降は14号車側が比較的空いているという時間帯の特性もあります。
利用者の目的に応じたおすすめ店舗選び
利用シーン | おすすめ店舗 | 理由 |
---|---|---|
出張前で時間がない | 上り・下り 4号車側 | 提供スピードが早く、すぐ乗車できる位置 |
旅行帰りにゆっくり食べたい | 上り・下り 14号車側 | 比較的静かで、座れる確率も高い |
朝早くから利用したい | 上り・下り 4号車側 | 朝6:30から営業している |
天ぷらをしっかり味わいたい | 下り 14号車側 | 混雑が少なく、天ぷらも比較的サクサク |
このように、どの「住よし」に行くかで、体験が少しずつ変わります。目的や時間に合わせて選ぶことで、より満足度の高いきしめん体験ができるはずです。
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