24時間いつでも会える動物たち 山形・河北町児童動物園
2025年6月27日(金)のNHK総合『ドキュメント72時間』では、山形県河北町にある「河北町児童動物園」が特集されます。この動物園は全国的にも珍しい、24時間無料で開放されている場所です。今回の番組では、そんな動物園を訪れる人たちの3日間を見つめ、その背景や思いを丁寧に伝えていきます。
河北町児童動物園は、傷ついたり弱ってしまった野生動物を保護する場所としても知られています。地域の人たちが気軽に立ち寄れる場所として長年親しまれ、子どもから大人まで幅広い世代が訪れる場所です。今回は、どんな人たちがどんな思いでこの動物園を訪れているのか、72時間の密着取材でその様子が描かれます。
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河北町児童動物園とはどんな場所?
山形県河北町にある河北町児童動物園は、1953年に開園し、70年以上にわたって地域の人たちに親しまれてきた無料の動物園です。場所は河北町役場のすぐ隣で、近所の人たちや通りがかりの人が気軽に立ち寄れるようになっています。
この動物園の特徴は以下のように多岐にわたります。
・開園時間は24時間365日。夜でも入れる
・入場無料で、だれでも気軽に訪問可能
・展示されている動物は30種類以上・約130匹
・ポニーやシカ、ヤギ、フクロウ、サル、ウサギなどが暮らす
・野生動物の保護施設としても機能しており、ケガをしたキツネや飛べなくなった鳥なども保護されている
夜にふらりと立ち寄って静かな時間を過ごす人や、昼間に家族で動物とふれあう人など、それぞれのペースで過ごせる場所として存在しています。
人気者は年老いたシカと華やかなクジャク
この動物園で特に人気が高いのが、年老いたシカとクジャクです。どちらも派手ではないけれど、静かに心を打つ魅力を持った動物です。
・シカはとても人なつっこく、ゆっくりと歩いて来る姿に癒される
・来園者がフェンス越しにニンジンや草をあげることもでき、自然なふれあいが楽しめる
・年を重ねた穏やかな表情や落ち着いたたたずまいに、「ここにいていい」と思わせる安心感がある
・クジャクは、春になると美しい羽を広げることで知られており、2025年は3月11日に初めての羽ひろげが確認されました
羽を大きく広げるその姿は見事で、訪れた人が思わず足を止めて見入ってしまうほどです。さらに、飼育員の手作りによるクジャクの羽根を使ったペンのプレゼントもあり、地元の人たちの温かい気持ちも伝わってきます。
夜の動物園“よるのどうぶつえん”としての魅力
河北町児童動物園は、夜間にも開園している数少ない動物園です。昼間の明るい雰囲気とはまた違い、夜には動物たちも静かに過ごしており、訪れる人も落ち着いた気持ちになります。
・夜にふらっと立ち寄れるので、仕事帰りや夜の散歩のついでに訪れる人も多い
・街のあかりの中にいる動物たちの姿が、日常とは違う世界を見せてくれる
・夜の園内は静かで、人も動物もそれぞれの時間を静かに過ごしている
このような特別な環境が、「よるのどうぶつえん」としてSNSなどでも注目され、多くの人がその魅力にひかれています。
2025年4月のリニューアルでより快適に
河北町児童動物園は2025年4月に全面リニューアルされ、新たに「かほくまなび館ずーいく」として生まれ変わりました。リニューアルによって、多くの人がより安心して利用できるようになりました。
・園内の道はスロープとエレベーターを完備したバリアフリー設計
・展示室、図書スペース、キッズルーム、ワークショップエリアが新設され、学びと遊びが融合
・東北で唯一展示されているオニオオハシが加わり、訪問者の関心を集めている
これにより、小さな子どもから高齢者までが快適に過ごせる場所となり、より多くの人に開かれた動物園となりました。
3日間の出会いと人々の思い
今回の舞台、河北町児童動物園は山形県河北町にあります。地域の人に親しまれ、無料で24時間開放されているこの動物園には、さまざまな理由で多くの人が訪れます。普段の生活の一部として立ち寄る人もいれば、思い出をたどるために来る人もいます。番組ではその様子が細かく紹介されます。
5月23日(金)撮影の初日
この日は、25歳のアルバイトの女性が訪れていました。彼女は仕事の合間に気軽に立ち寄っている様子です。動物たちを見ていると、忙しさを忘れてホッとできる時間になるようです。続いて、アパレル業で働く42歳の女性とその小さな子どもが登場します。子どもが動物を見て笑顔になる姿が印象的です。
さらに、山形に引っ越してきたばかりの少年も動物園に来ていました。新しい土地での生活にまだ慣れていない様子ですが、動物たちと触れ合うことで少し安心しているようでした。その後、家電量販店に勤める女性や、孫と待ち合わせをしている男性も訪れています。ここは待ち合わせ場所としても使われる、地域に根付いた場所です。
夕方6時を過ぎると、看護師として働く女性が登場します。仕事終わりに立ち寄るこの動物園が、疲れた心を癒やす時間になっているようです。特にシカのいる場所でじっと立ち止まる姿が映し出される予定です。その後、夜の動物たちの様子も伝えられ、昼間とは違った静かな雰囲気が見られます。
5月24日(土)2日目
早朝からカメラが回り始め、まずは飼育員さんに話を聞いています。この動物園は町の人たちが保護した野生動物を連れてくる場所でもあるため、飼育員さんは地域と強くつながっています。
次に、45年ぶりにこの動物園を訪れた製造業勤務の男性が登場します。昔の思い出をたどりながら、変わらない動物園の風景を懐かしそうに見ている様子です。
また、近くに住んでいる81歳の女性も毎日のように訪れていました。散歩コースのひとつとして、動物園は生活の一部になっています。そのほかにも、事務職の28歳の女性や清掃業の30歳の男性が登場し、地元の人たちが気軽に訪れる場所であることがわかります。
5月25日(日)3日目
この日は、葬儀の仕事をしている男性が息子と一緒に動物園にやってきました。親子で静かな時間を過ごせる場所として、ここが選ばれていることが感じられます。
また、野生動物の調査や研究を行う団体の男女も訪れます。この動物園は単なる憩いの場だけでなく、自然や生き物の保護にも関わっていることがわかります。
前日も来ていた81歳の女性が再び登場します。毎日ここに来ることで、自然と町のつながりを感じている様子です。
5月26日(月)最終日
朝早くからサルを眺めている44歳の男性が現れます。工場勤務の彼は、この日が仕事の休みです。離婚を経験し、心の整理をするためにこの動物園を訪れるようになったと話しています。
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仕事の疲れを癒やす人
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親子でのんびり過ごす人
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日々の散歩の途中に立ち寄る人
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新しい土地に慣れるため訪れる人
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人生の節目に心を落ち着ける人
さまざまな人が、さまざまな理由でこの小さな動物園に集まっています。動物たちを見つめながら、ほんの少し自分の気持ちに向き合える、そんな場所になっていることがわかります。
河北町児童動物園の基本情報まとめ
・所在地:山形県西村山郡河北町谷地戊81
・開園時間:24時間365日
・入場料:無料
・動物の種類:約30種・130匹前後
・アクセス:JRさくらんぼ東根駅から車で約20分、河北町役場すぐ隣
動物園がつなぐ人と町
河北町児童動物園は、誰でもいつでも訪れることができる場所として、町の人たちにとって身近な存在です。無料で24時間開放されているため、時間を気にせずに自分のペースで立ち寄れるのが大きな魅力です。
町の中にあるこの小さな動物園には、観光スポットとは違った温かさがあります。毎日同じ場所で動物たちの様子を見たり、散歩の途中に立ち寄ったり、昔の思い出をたどるために再訪したりと、訪れる理由は人それぞれです。番組では、そうした人たちの素顔とともに、人と動物が静かに寄り添い合う場所の魅力が映し出されます。
仕事終わりのリフレッシュ、家族との時間、心の整理、ふとした気分転換。この動物園には、そんなさまざまな人の思いが集まっています。
放送を通して、地域に根付く温かい場所と、そこに集まる人たちの日常のひとコマが優しい視点で描かれる予定です。いつでも誰でもふらっと立ち寄れるこの場所が、多くの人にとって大切な存在になっていることが感じられます。
次回の【ドキュメント72時間】新宿駅「みらいおん」募金箱の真実とは?25年見守り続けるライオン像が集めた思いやりと街の変化|2025年7月4日放送
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