明日に向かってひとり焼き肉!新橋の夜に灯る小さなご褒美物語
「今日は誰とも話したくないけど、ちょっと贅沢がしたい」
そんな夜に立ち寄りたくなるのが、東京・新橋の焼肉ライク 新橋本店です。
10月24日(金)放送の『ドキュメント72時間 明日に向かってひとり焼き肉』では、この店を舞台に、“ひとり焼肉”という新しい文化を通して、働く人々の心の内を見つめます。
ジュウッと焼ける音、立ちのぼる煙、香ばしい匂い。テーブルの上には、誰に見せるわけでもない、自分だけの小さなご褒美が並びます。
頑張った自分へのねぎらいとして、資格勉強の合間に気分転換として、あるいは孤独と向き合うひとときとして――。
“ひとり焼肉”という空間には、いまの時代を生きる人たちの等身大の想いが詰まっています。
【ドキュメント72時間】神戸・はっぴーの家ろっけんとは?令和の“ごちゃまぜ長屋”で生まれる温かい共生のかたち|2025年10月31日
「焼肉ライク 新橋本店」——ひとり焼肉文化の発信地
新橋駅から徒歩わずか2分。ビジネス街の中心にある焼肉ライク 新橋本店は、「ひとり焼肉」を世の中に広めた先駆け的な存在です。
この店の最大の特徴は、1人1台の無煙ロースター。
カウンター席には小さな焼き台がそれぞれに設けられ、隣の人と視線を合わせることなく、自分のペースで焼肉を楽しめます。
注文はタブレットで完結し、肉やごはんのおかわりも気軽に操作。店員とのやりとりは最小限で済み、まさに「人に気をつかわずに食べられる焼肉店」という理想の形です。
店内はシンプルながら清潔感があり、明るすぎず暗すぎない照明が落ち着いた雰囲気を演出。
ランチ時にはスーツ姿の会社員、夜には一日の疲れを癒やす人々でにぎわいます。
それでも不思議と静か。お互いが干渉せず、黙々と肉を焼く姿がこの店の風景です。
朝も夜も、焼き肉で始まり焼き肉で終わる新橋の3日間
東京・新橋にあるひとり焼き肉専門店は、20席ほどのカウンターにそれぞれの人生が交差する場所です。店内は、昼夜を問わず人々の思いや日常が炭火の煙とともに立ちのぼっていました。初日、人間ドックを終えた男性は空腹を抱えて訪れ、牛カルビ定食を注文。健康への不安を抱えながらも、焼きたての肉を前にした表情は安堵に満ちていました。ひとりで食べる時間は、誰にも邪魔されない小さなご褒美のようでした。
夜勤明けの男性は、疲れを癒やすように静かに肉を焼きます。昼どきには、海外からの観光客も姿を見せました。結婚15年を祝う旅行中の外国人夫婦が訪れ、初めての焼き肉を体験。慣れない箸を手にしながらも、笑顔で焼き加減を確かめていました。夕方には、弁理士を目指す40代女性が現れ、勉強ノートを片手に短い食事時間を過ごします。就職氷河期を乗り越え、再び挑戦を続ける姿勢は静かに力強く、炭火の明かりに照らされていました。
肉の香りに混じる、働く人々の息づかい
2日目の朝7時、店はすでに開店しています。夜勤を終えたトラック運転手が扉を開け、「今日は肉を食べよう」と決めていたように席に着きました。長距離運転を支えるのは、朝の焼き肉という活力。働き方改革で勤務時間の制限が強まり、思うように働けない現実を抱えながらも、炭火の音が彼を支えていました。
一方、銀座の接客業の女性は仕事帰りに立ち寄り、肉と野菜だけを選びます。糖質を控えた「ご飯抜き焼き肉」は、忙しい生活の中で生まれた自分なりのルール。食事というより、体を整える儀式のように見えました。
また、沖縄出身の男性は大きな転機を経験した一人です。40代で公務員を辞め、飲食業へ挑戦するも、コロナ禍で経営が立ち行かなくなり、借金を抱えました。今はサウナ事業を展開し、地元の仲間と再び前を向いています。その瞳には、焼き網の火のような再生の光が宿っていました。昼から夜にかけて、中国出身の女性や、4月に上京したばかりの新人コンサルタントなど、人生の節目に立つ人々が入れ替わり訪れます。焼き肉の香りは、それぞれの生き方を包み込み、疲れた心を癒すように漂っていました。
3日目の夜に見えた、ひとり焼き肉のもう一つの意味
最終日の夜、洋品店の社長が現れました。物価の上昇に苦しみながらも、仕事帰りに立ち寄るこの店は心を休める場所。衣料業界の厳しさを語りつつも、ミャンマー出身の店員との日常の会話が彼に安らぎを与えています。言葉を交わさずとも、焼き網を囲む時間に小さな連帯が生まれていました。
その夜、もう一人の客が静かに席に着きます。カラオケメーカー勤務の男性は、がんで舌の半分を失いました。言葉を発するのが難しく、食事を共にする機会も減ったといいます。それでも焼き肉を前にした目は穏やかで、食べることの喜びを取り戻すように一切れずつ噛みしめていました。焼き網の向こうで立ち上る煙は、彼の生きる力を象徴しているようでした。
3日間の取材で映し出されたのは、ひとりで食べながらも、誰もがどこかで誰かとつながっているという事実。ひとり焼き肉は孤独ではなく、静かに自分を取り戻すための時間でした。
まとめ:ひとりで食べる、でも孤独じゃない
『ドキュメント72時間 新橋 明日に向かってひとり焼き肉』が描いたのは、“孤独”ではなく“自分と向き合う時間”でした。
炭火の前で黙々と焼き肉を食べる人たちの姿には、それぞれの人生の重みと希望があり、食べる行為が生きる証として描かれていました。
この記事のポイントは以下の3つです。
・ひとり焼き肉は、現代人の「自分を取り戻す時間」である。
・客たちの背景には、働き方・健康・夢・再挑戦など社会のリアルがある。
・食べるという行為が、人と人をつなぐ静かなコミュニケーションになっている。
新橋の一角で、今日もひとり焼き肉を楽しむ誰かがいます。その煙の向こうに、それぞれの明日が静かに燃えているのです。
【番組情報】
ドキュメント72時間 明日に向かってひとり焼き肉
放送日時:2025年10月24日(金) 22:00〜22:30
放送局:NHK総合
舞台:焼肉ライク 新橋本店
【店舗情報】
焼肉ライク 新橋本店
住所:東京都港区新橋2-15-8 新橋W・Bビル1F
営業時間:平日7:00〜23:00(L.O.22:30)/土日祝8:00〜23:00(L.O.22:30)
アクセス:新橋駅 日比谷口・烏森口から徒歩2分
公式サイト:https://yakiniku-like.com
【ソース】
NHK公式『ドキュメント72時間』
焼肉ライク公式サイト/食べログ/Retty
【ドキュメント72時間】神戸・はっぴーの家ろっけんとは?令和の“ごちゃまぜ長屋”で生まれる温かい共生のかたち|2025年10月31日
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