冬の一着に詰まった技術のすべてが見える探検
このページでは『探検ファクトリー(2025年12月20日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
冬になると当たり前のように着ているダウンジャケットですが、その軽さと温かさは偶然ではありません。滋賀県米原市、伊吹山のふもとにあるダウンジャケット工場では、羽毛の性質を知り尽くした人の手によって、一着一着が形になっています。番組では、布団工場から始まった歴史、羽毛の秘密、製造工程、そして家庭でできるお手入れ法までが丁寧に紹介されました。この記事を読むことで、ダウンジャケットを見る目が自然と変わります。
伊吹山のふもとで始まるダウンジャケット工場探検
舞台は、びわ湖に近い滋賀県米原市。伊吹山を望むこの地域は、昔からものづくりの技術が根付いてきた土地です。番組では、その自然に囲まれた場所にあるダウンジャケット工場を訪ね、冬の一着が生まれる現場を探検しました。工場は1941年に布団工場として始まり、長い年月をかけて羽毛製品と向き合ってきました。
1988年には寝袋の製造をスタートし、厳しい寒さに耐える製品づくりで経験を積み重ねます。そして2012年からダウンジャケットの製造に本格的に取り組むようになりました。企画から生産、販売までを一貫して行う体制が整えられており、現場では「どうすれば軽く、どうすれば暖かくなるのか」を常に考えながら作業が進められています。
布団工場から進化した一貫生産のものづくり
この工場の特徴は、布団づくりで培った感覚が今も製造の土台になっている点です。布団や寝袋では、羽毛をどれだけ入れ、どこに配置するかで寝心地や暖かさが大きく変わります。その経験は、ダウンジャケットにもそのまま生かされています。
一貫生産の現場では、素材選びから裁断、縫製、羽毛の吹き込み、仕上げ、検品までを自分たちの手で管理しています。工程ごとに状態を確認できるため、仕上がりに違和感があればすぐに調整が入ります。外部に工程を任せないことで、品質のばらつきを防ぎ、安定したものづくりが続けられています。
羽毛の正体と軽くて暖かい理由
ダウンジャケットの暖かさの正体は、中に入っている羽毛の構造にあります。羽毛には『ダウンボール』と『フェザー』があり、ダウンボールは細かい毛が集まって空気を多く含みます。この空気の層が体温を逃がしにくくし、強い保温力を生み出します。
一方、フェザーは弾力があり、ジャケット全体の形を保つ役割を担います。ただし保温性はダウンボールより劣るため、両者のバランスが重要になります。番組で紹介された工場では、一般的なものより大きなダウンボールを使い、少ない量でもしっかり空気を溜め込めるよう工夫しています。その結果、羽毛量を抑えながらも、軽くて暖かい着心地が生まれています。
裁断から縫製まで手作業が支えるダウン製造
製造工程は、まず生地をコンピューター制御の裁断機で正確に切り出すところから始まります。その後、各パーツはすべて手作業で縫製されます。機械任せにしないことで、細かなズレや生地の状態を確認しながら進めることができます。
次に行われるのが、グラム単位で羽毛を吹き込む工程です。羽毛は多すぎると潰れてしまい、十分に空気を含めなくなります。そのため、適量を見極めながら慎重に入れていきます。吹き込み後は羽毛を均等に整え、ミシンで縫製して部屋を仕切ります。もし羽毛が片寄っていれば、糸をほどいてやり直します。この手間が、ムラのない暖かさにつながっています。
水を防ぎ熱を伝える二重構造の工夫
ダウンジャケットにとって水は大きな弱点です。羽毛が濡れると空気を含めなくなり、保温力が一気に落ちてしまいます。そのため、この工場では羽毛の入った生地の上に、さらに一枚生地を重ねる二重構造を採用しています。
表地は水から羽毛を守る役割を果たし、雨や雪が内部に入りにくい設計になっています。一方で裏地は薄く仕上げられており、体温の熱が羽毛に伝わりやすくなっています。この組み合わせによって、軽さを損なわずに高い防寒性を保つことができます。
家庭でできる正しいダウンジャケットのお手入れ法
番組では、工場の広報担当が家庭でできるお手入れ方法を紹介しました。おすすめは手洗いで、洗濯機を使う場合は裏返して洗濯ネットに入れ、手洗いコースなど水流の弱い設定を選びます。
洗濯時に上からバスタオルを入れると、ダウンジャケットが水に浮くのを防げます。洗い終えたら、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しします。表面が乾いてきたら、両手で軽くたたいて羽毛をほぐします。完全に乾くまで2〜3日かけることで、ふくらみと暖かさを保つことができます。
まとめ
『探検ファクトリー』は、ダウンジャケットという身近な存在の裏側を、滋賀・米原市の工場から伝えてくれました。布団工場から続く歴史、羽毛の性質を生かした設計、手作業にこだわる製造工程、そして長く使うためのお手入れ法。軽さと温かさの両立は、こうした積み重ねによって支えられています。冬の一着に込められた技術を知ることで、ダウンジャケットはただの防寒着ではなくなります。
【あさイチ】ダウンジャケットの正しい片づけ方を専門家が解説!「もむ・干す・収納」でふんわり復活|2025年4月3日放送
着た瞬間の心地よさは「重さ」よりも重心で決まります

ダウンジャケットを選ぶとき、多くの人はカタログ表記の重さや、持ったときの軽さに注目します。ただ、実際に着てみると「数字より軽く感じる」「意外と肩がこる」といった差が出ることがあります。その違いを生むのが、着用時の重心です。これは工場での羽毛の詰め方や構造と深く関わっています。
同じ重さでも感じ方が変わる理由
ダウンジャケットは、同じ総重量でも重さの分布によって着心地が大きく変わります。肩や背中の上部に重さが集中すると、着た瞬間にずっしり感じやすく、長時間着ると疲れにつながります。一方で、胸から胴まわりにかけてバランスよく重さが分散されていると、実際の重さ以上に軽く感じやすく、体への負担も少なくなります。これは数字では見えにくいですが、着たときの感覚にははっきり表れます。
羽毛の配置が重心を左右する
工場では、羽毛をただ均等に入れているわけではありません。冷えやすい部位と動かしやすさを保ちたい部位を考え、羽毛の量を細かく調整しています。特に肩まわりや首元は、温かさが必要な反面、重くなりすぎると着心地が悪くなります。そのため、重心が下がりすぎず、上がりすぎない位置にくるよう羽毛の配置が工夫されています。こうした調整が、自然な着心地につながっています。
試着で意識したいチェックポイント
ダウンジャケットを試着するときは、軽さだけで判断せず、鏡の前で腕を動かしたり、少し歩いたりしてみることが大切です。そのとき、肩に重さを感じないか、前に引っ張られる感じがないかを確かめます。着た瞬間に体にすっとなじむ感覚がある一着は、重心のバランスが良い証拠です。こうした視点を持つことで、冬を快適に過ごせるダウンジャケットを選びやすくなります。
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