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Eテレ【木村多江の、いまさらですが…】大絶滅〜5つの大量絶滅から考える人間活動|第6の大量絶滅と生命史のビッグファイブ|2025年12月22日

木村多江の いまさらですが…
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大絶滅から見えてくる人類の現在地

このページでは『木村多江の、いまさらですが… 大絶滅〜5つの大量絶滅から考える人間活動(12月22日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
地球に生命が誕生してから40億年。その長い歴史の中で、生命は何度も危機に直面しながら生き残ってきました。番組では、5回起きた大量絶滅の事実をたどりながら、いま人類が地球に与えている影響の大きさを見つめ直します。過去の出来事を知ることで、私たちが立っている「いま」がどれほど特別な時代なのかが見えてきます。

40億年の生命史と大量絶滅とは何か

地球に生命が誕生したのは、今からおよそ40億年前とされています。それ以来、地球上では数えきれないほどの生き物が生まれ、環境の変化や競争の中で姿を消してきました。こうした日常的な絶滅は、進化の一部として常に起きてきた現象です。
しかし「大量絶滅」と呼ばれる出来事は、通常の絶滅とは大きく異なります。短い地質時代の間に、世界規模で多くの生物種が一気に失われるという点が最大の特徴です。海だけ、陸だけといった局所的なものではなく、地球全体で同時期に起きるため、生態系そのものが大きく組み替えられます。生命史の中で大量絶滅は、単なる危機ではなく、その後の進化の流れを決定づける大きな節目となってきました。

5回起きた大量絶滅と地球環境の急変

化石記録や地質学の研究から、過去およそ5億年の間に5回の大規模な大量絶滅が起きたことが分かっています。これらはまとめて『生命史のビッグファイブ』と呼ばれています。
共通しているのは、地球環境が急激に変化したことです。巨大な火山活動による大気成分の変化、海の酸性化、小惑星の衝突による急激な寒冷化や温暖化などが、生物に深刻な影響を与えました。環境が長い時間をかけて変わるのであれば適応できた生物も、変化があまりにも急だったため、生き延びることができなかったのです。この「変化の速さ」が、大量絶滅を引き起こす大きな要因でした。

絶滅のあとに繁栄した生物と命のバトン

大量絶滅は、多くの命が失われる厳しい出来事ですが、それで生命の歴史が終わったわけではありません。むしろ、その後の地球では、生き残った生物たちが新しい環境に適応し、急速に多様化していきました。
代表的な例が、恐竜が姿を消した後の時代です。巨大な恐竜がいなくなったことで生態系に空白が生まれ、そこに哺乳類が進出し、数や種類を増やしていきました。命は大量絶滅のたびにバトンを受け渡しながら、新しい時代を切り開いてきたのです。大量絶滅は、生命史における破壊と再生の転換点だったと言えます。

大絶滅展で学ぶ『生命史のビッグファイブ』

国立科学博物館で開催されている「大絶滅展−生命史のビッグファイブ−」では、5回の大量絶滅がどのように起きたのかを、具体的な資料を通して学ぶことができます。展示では、各時代の地球環境や当時生きていた生物、そして絶滅後にどんな変化が起きたのかが丁寧に示されています。
化石や復元模型を通して過去の出来事を知ることで、大量絶滅が決して遠い昔の話ではなく、環境変化と密接に結びついた現象であることが実感できます。過去と現在を重ねて考える視点が、この展示の大きな特徴です。

人間活動が引き起こす現在の急速な絶滅

現代の地球では、多くの生物がかつてない速さで数を減らしています。その背景にあるのが、人間の活動です。森林伐採や都市開発による生息地の消失、気候変動、海や大気の汚染、過剰な漁獲などが、生物の生存を圧迫しています。
過去の大量絶滅が自然現象によって引き起こされたのに対し、現在の絶滅は人間が直接・間接に関わっている点が大きな違いです。人類は、地球環境そのものを変えてしまうほどの影響力を持つ存在になっていることが、ここからも分かります。

『第6の大量絶滅』とこれからの地球環境

現在進行している生物多様性の危機は、『第6の大量絶滅』と呼ばれることがあります。過去と同じ規模の絶滅がすでに起きたと断定するのは難しいものの、種が失われるスピードが自然な状態を大きく上回っていることは、多くの研究で指摘されています。
40億年にわたって命のバトンがつながれてきた中で、いま人類はその流れを左右する立場に立っているとも言えます。この先、地球環境がどう変わるのか、どんな命が未来へ残るのかは、私たちの選択と行動に深く関わっています。

NHK【ダーウィンが来た!】奇跡!逆転!仰天!絶滅からの復活劇スペシャル|カリブ海イグアナ&モザンビーク生態系プロジェクト 2025年12月21日

過去の大量絶滅と現在の絶滅は、何が決定的に違うのか

しげゆき
しげゆき

ここで改めて整理しておきたいのが、過去に起きた大量絶滅と、いま進行している絶滅の本質的な違いです。どちらも「多くの命が失われる」という結果は同じですが、その原因と進み方には、はっきりとした違いがあります。この違いを知ることで、番組が問いかけている意味が、より立体的に見えてきます。

自然現象によって起きた過去の大量絶滅

過去5回の大量絶滅は、いずれも人間の力が及ばない自然現象によって引き起こされました。巨大な火山活動が長期間続いたことで大気や海の性質が変わったり、小惑星の衝突によって地球全体が寒冷化したりと、原因は地球規模の出来事でした。こうした変化は生物にとって過酷でしたが、数万年から数十万年という長い時間をかけて進行したため、わずかながらも環境に適応できた生物が生き残り、次の時代へと命をつないできました。

人間活動が主因となっている現在の絶滅

一方で、現在起きている生物の減少は、人間の暮らしや経済活動が直接関係している点が大きく異なります。森林の伐採や都市開発による生息地の消失、温室効果ガスの増加による気候変動、海や川の汚染など、原因の多くは人間の行動に結びついています。しかもその変化は、地質学的に見れば一瞬とも言えるほどの短い時間で進んでおり、生物が適応する余地がほとんどありません。

スピードと責任という決定的な違い

過去の大量絶滅と現在の絶滅を分けている最大のポイントは、変化のスピードと、原因を生み出している主体です。自然現象による絶滅は止めることができませんでしたが、いま起きている変化は人間の行動によって加速しています。つまり、現在の絶滅は「避けられない運命」ではなく、選択によって流れを変えられる可能性を持っています。この違いこそが、番組が過去の大量絶滅を学ぶ意味として、強く伝えている点です。


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