逆境から生まれる強さの理由とは
このページでは『逆境を力に変える 〜スノーボード 平野歩夢〜(2026年2月5日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
北京で頂点に立った平野歩夢が、さらなる高みを目指して進む道のりには、思わぬ逆境が立ちはだかります。
それでも挑戦を続ける姿は、雪の上だけでなく、人としての強さまで映し出します。読めば、彼がなぜ“絶対王者”と呼ばれるのか、その理由が自然と胸に迫ってくるはずです。
北京五輪金メダルから“連覇”へ 絶対王者・平野歩夢の歩み
NHKの番組が切り取るのは、一夜にしてスターになった物語ではありません。新潟県村上市で生まれた平野歩夢は、幼い頃からスノーボードに親しみ、15歳でソチ五輪のハーフパイプ銀メダルを獲得。これは日本のスノーボード史上初の五輪メダルで、当時の日本最年少メダリストという快挙でした。
その後も平昌五輪で銀、そして2022年の北京冬季オリンピック2022では、男子ハーフパイプで念願の金メダル。劇的な逆転優勝とともに、世界で初めて五輪の舞台で「トリプルコーク1440(縦3回転・横4回転)」という超高難度の技を成功させ、スノーボード男子ハーフパイプで日本初の金メダルをつかみました。
ハーフパイプという競技は、長い半円形の雪の壁を左右に滑り上がり、空中で回転やひねりの技を繰り出す競技です。高さ(エア)、技の難しさ、着地の正確さ、全体の流れなどが総合的に評価されます。難しいのは、一度ミスするとスピードや高さが落ち、残りの技のキレまで失われてしまうこと。だからこそ、北京での「全部乗せ」とも呼べる構成を完璧に決め切った平野歩夢は、世界から“絶対王者”と呼ばれる存在になりました。
番組は、この“絶対王者”が、次のミラノ・コルティナ大会で連覇を狙う今、どんなプレッシャーと向き合い、どんな理想の滑りを追いかけているのかに迫ります。結果ではなく、納得のいく滑りを追う姿勢。その根っこにある価値観が、インタビューや練習風景を通して描かれていきます。
前人未踏の大技とスノーボード・ハーフパイプの進化
番組のキーワードのひとつが、「前人未踏の大技」です。北京で世界を驚かせた大技をさらに超える構成に挑むことで、平野歩夢は再び“誰も行ったことのない場所”へ踏み込もうとしています。
近年のスノーボード・ハーフパイプは、技の難易度が急激に上がっています。縦回転と横回転を組み合わせた「コーク」系の技に、さらにひねりやグラブ(ボードをつかむ動作)を加えることで、技のバリエーションはほぼ無限。平野歩夢自身も、斜め軸の縦2回転・横3回転半などを組み合わせたオリジナル技「フロントサイドダブルコーク1260クリップラージャパングラブ」に取り組んでいると報じられています。
このレベルになると、ちょっとした体の傾きやタイミングのズレが、着地の失敗や大けがにつながります。選手は、恐怖心と向き合いながら、頭の中で何十回もイメージトレーニングを重ね、トランポリンやエアバッグを使った反復練習で、「体が勝手に動く」状態を作っていきます。これはトップアスリートに共通する科学的なトレーニング方法で、脳と筋肉の動きをすり合わせる作業とも言えます。
番組では、こうした大技への挑戦が、単なる「危険な賭け」ではなく、長年の積み重ねと冷静な計算の上に成り立っていることが、練習シーンやコーチとのやり取りを通して浮かび上がるはずです。技の名前だけを聞くと難しく感じますが、「どうやってここまで来たのか」というプロセスに目を向けると、チャレンジそのものの意味が伝わってきます。
スイス・ラークスでの大転倒と複数骨折 逆境との向き合い方
番組のタイトル「逆境を力に変える」を象徴する出来事が、スイス・ラークスでのワールドカップです。2026年1月、ラークスで行われた大会の決勝で、平野歩夢は高さ約8メートルとも言われるビッグエアからの着地に失敗し、前のめりに転倒。ボードの先端は折れ、顔面を強打して流血。右ひざなども痛め、その場で演技を続けることができませんでした。
帰国後の検査で判明したのは、複数箇所の骨折と打撲。ただし骨のズレはなく、適切な固定と安静が保てば回復が見込める診断だったと報じられています。痛みと腫れが引きしだい練習を再開し、五輪本番に強行出場する意向であることも公表されました。
骨折は、折れ方や場所によって回復までの道のりが大きく変わります。ずれていない骨折は比較的整復がしやすく、固定とリハビリをきちんと行えば、元のレベルに戻れる可能性が高いとされています。一方で、競技レベルの選手にとっては、「痛みがある状態でどこまで攻められるか」というメンタルの戦いも避けられません。
番組は、ケガを負った直後の戸惑いだけでなく、「それでも前に進む」と決めたあとの日常を描いていくはずです。練習量を落とさざるを得ないもどかしさや、体の状態を確かめながら少しずつ負荷を上げていく過程。そうした地味で長い時間こそが、“逆境を力に変える”という言葉の中身なのだと、映像を通して伝わってきます。
若手ライバルたちと日本代表チームの層の厚さ
今、スノーボード・ハーフパイプの世界で最も層が厚い国のひとつが日本だとされています。北京大会で頂点に立った絶対的存在に続き、戸塚優斗、平野流佳、山田琉聖といった若い選手たちが、ワールドカップや世界選手権で次々と優勝・表彰台に絡んでいます。
特にここ数シーズンは、ワールドカップの年間ランキングで日本勢が1位・2位・3位を独占するなど、「日本勢だけで表彰台を埋め尽くす」状況も現実味を帯びてきました。年齢でいえば、平野歩夢が27歳、後輩たちは20代前半〜10代後半。フィギュアスケートや体操と同じように、わずかな世代差が技の難度と安定感の差に直結する世界です。
番組では、こうした若手ライバルたちの存在が、平野歩夢をさらに高みへ押し上げていることも描かれるはずです。日本人同士で世界の頂点を争うという状況は、一見すると熾烈な競争ですが、裏側には同じ競技を極めようとする仲間としてのリスペクトもあります。
視聴者目線では、「誰が勝つか」だけでなく、「それぞれがどんなスタイルで滑るのか」に注目すると、競技がぐっと面白くなります。高さを武器にする選手、技のつなぎの美しさで勝負する選手、グラブの深さにこだわる選手。番組の映像は、その違いをじっくり見比べるいい教材にもなるはずです。
地元・村上市のトレーニング拠点と、未来へのまなざしと神宮寺勇太の語り
北京五輪後、平野歩夢の環境は大きく変わりました。2024年、新潟県村上市に完成した「村上スノーリサーチ&トレーニングセンター」は、雪のない季節でもハーフパイプのエア練習ができる、世界でも珍しい屋外型トレーニング施設です。実家近くにあり、父・英功さんが代表を務めるスケートボード施設に隣接して建てられました。ユニクロが特別協賛として支えたことでも話題になりました。
これにより、以前のように長期間海外に出て練習する必要が減り、自分のペースで年間を通じて滑りを磨くことができるようになりました。同時に、この施設は地元の子どもたちにとっても、世界の頂点につながる“現実的な道”を感じさせる場所になっています。スポーツ施設が地域にもたらす影響として、「トップ選手の育成」だけでなく、「子どもたちの憧れや自己肯定感を育てる」という点が、近年教育・心理の分野でも注目されています。
番組の後半では、こうした地元での取り組みや、次世代に向けたメッセージも紹介される可能性があります。実際に、ユニクロのイベントなどを通じて、平野歩夢は小中学生に「今しかできないことを大事にしてほしい」と語りかけています。
そして、その姿を見つめる語り手が神宮寺勇太です。アイドルとして多くの人の感情に寄り添ってきた彼の声は、アスリートのストイックな世界を、視聴者の日常感覚へとつなぐ橋渡し役になるでしょう。Number_iとして世界を目指す彼と、スノーボードで“夢の先”を追い続ける平野歩夢。別のフィールドで戦う同世代の挑戦者同士という構図も、番組の面白さのひとつです。
ミラノ・コルティナでの本番が近づく今、この番組は、ひとりのトップアスリートの物語であると同時に、「逆境とどう向き合うか」を考えるヒントにもなります。ケガ、プレッシャー、ライバル、期待——それらを力に変えようとする平野歩夢の姿を、放送とあわせてじっくり追いかけてみてください。
注意事項と放送後の追記について
この記事は事前に公開されている情報をもとに構成しているため、実際の放送内容と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。平野歩夢が挑む逆境や挑戦の歩みを正確に伝えるため、放送後に新たな情報があれば追記して更新します。
番組で描かれる核心にしっかり寄り添いながら、読者が知りたいポイントを簡潔にまとめました。
NHK【クローズアップ現代】男子ハーフパイプ日本代表の強さと平野歩夢・戸塚優斗・流佳の進化、表彰台独占の理由を深掘り|2026年2月4日
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