自律神経の秘密
からだの奥で休むことなく働き続ける自律神経。
その正体を知らないまま、不調だけを抱えている人は少なくありません。
今回の特集では、見えない神経の姿を“見る・聞く”実験で明らかにし、乱れの背景や整え方までを一気に解説します。思わず「そうだったのか」とうなずく瞬間が続く内容です。
このページでは『あしたが変わるトリセツショー 自律神経!正体・乱れ・整え方すべて見せます(2026年2月5日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
自律神経って結局何者?からだを動かす“見えない司令網”
番組がまず教えてくれるのは、「自律神経は、心臓の拍動や呼吸、体温調節、消化、発汗など、私たちが意識していない生命活動を24時間休まずコントロールしている神経のネットワーク」だということです。
脳の深いところにある中枢から枝分かれし、全身の臓器や血管、汗腺までびっしりと張り巡らされていて、まさに体内の“司令網”のような存在だと説明されました。
この番組では、弘前大学大学院医学研究科の下田浩教授ら研究者の協力で、心臓や小腸、汗腺に走る自律神経の超拡大映像が登場します。
緑色に光る線が臓器の表面を網の目のように走り、鼓動や消化、発汗を細かくコントロールしている様子をCGと合わせて見せることで、「目に見えない神経」がぐっとリアルに感じられる構成になっていました。
さらに、神経に細い電極を刺して活動を“聞く”「マイクロニューログラフィー」という最先端の計測も登場します。腕に氷水を当てたり、びっくりさせたりすると、モニターの波形が一気に大きくなる。これによって自律神経が、環境の変化に合わせて無意識のうちにフル稼働していることが、視覚的にも聴覚的にも示されていました。
交感神経と副交感神経―アクセルとブレーキの正体
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。番組では、体の真ん中に黒い人型を描き、その左側に交感神経(アクセル)、右側に副交感神経(ブレーキ)がそれぞれどんな働きをしているかを、臓器ごとに一覧で見せていました。
交感神経が働くと、瞳孔は広がり、涙や唾液は少なく濃くなり、気管は広がって空気をたくさん取り込みます。心拍数と血圧は上がり、血液は筋肉に回され、胃や腸の動きは抑えられます。これは、危険から逃げたり、全力で動いたりするときに備えるモードです。
一方、副交感神経が働くと、涙や唾液が増え、気管は少し狭くなって呼吸は落ち着き、心拍数と血圧は下がります。胃腸の動きは活発になり、からだは「休息と回復」のモードに入ります。
番組では、深呼吸でこの切り替えを体感する実験も紹介されました。
・ゆっくり息を吸うときには、交感神経がやや優位になって心拍数が少し上がる
・長く息を吐くときには、副交感神経が働き、心拍数が少し下がる
手首の脈を触りながら、吸う・吐くに合わせて脈のリズムが変わる様子を確かめることで、「自律神経は意識できないけれど、確かに動いている」と視聴者にも実感させる構成でした。
“乱れ”は本当に悪者?ゴロゴロ生活でわかったこと
次のパートでは、「自律神経の乱れ」がクローズアップされます。めまい・立ちくらみ、動悸、頭痛、肩こり、息苦しさ、胃腸トラブル、便秘や下痢、手足の冷え、ほてり、不安やイライラ…こうした不調がひとまとめに「自律神経の乱れ」と言われることが多い現状が紹介されました。
番組の実験では、昼夜逆転に近い「ゴロゴロ生活」をあえて送ってもらい、その前後で自律神経の働きがどう変わるかを測定しました。
日中もベッドやソファでほとんど横になり、立ち上がる回数も最低限。いわば「ずっとゴロゴロしている一日」です。いざ6時間ほどその生活を続けたあと立ち上がると、交感神経の反応が一気に跳ね上がるグラフが映し出されました。
通常の生活でも、寝ている状態から立ち上がるときには、重力で血液が下がらないように交感神経が素早く働き、心拍数や血圧を調整しています。
ところが、長時間寝転んでいたあと急に立ち上がると、その負担がより大きくなり、一時的に心臓への負荷が増え、脳に血がいきにくくなることで、立ちくらみや失神に近い状態になることもあります。番組が強調していたのは、「自律神経が壊れているから乱れる」というよりも、「生活リズムや姿勢の変化に必死で対応している結果として乱れて見える」ことが多い、という視点です。
ストレス、睡眠不足、季節の変わり目、気圧の変化、ホルモンバランスのゆらぎなども、自律神経の働きを大きく揺さぶる要因として医療現場でも知られています。
番組では、こうした要因を完全になくすことは難しいからこそ、「自分の生活リズムを整えること」が大事だとメッセージしていました。
家でできる「立つだけ」自律神経チェック法
トリセツの目玉の一つが、道具なしで3分ほどでできる「立つだけチェック」です。これは、日本自律神経学会の前理事長である荒木信夫医師らが関わる検査法を、家庭向けにアレンジしたものとして紹介されました。
やり方はとてもシンプルです。
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仰向けに寝て、1分間、手首などで自分の脈拍を数える
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立ち上がって、そのまま1分間じっと立つ(この間は数えない)
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立った姿勢のまま、再び1分間脈拍を数える
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寝ていたときと立ったときの脈拍数の差を計算する
番組の目安では、脈拍数が30以上増える状態が続く場合は、起立性調節障害や起立性頻脈症候群など、起き上がったときに血圧や脈の調整がうまくいかないタイプの不調の可能性があるとして、早めの受診をすすめていました。
血圧計があれば、寝た状態と立った状態の血圧を測り、上の血圧が20以上下がるようなら「起立性低血圧」のサインの可能性もあると説明されます。こうした症状が頻繁に出るときは、自己判断で済ませず、脳神経内科や循環器内科などで相談することが重要だと番組でも繰り返していました。
このチェック法のポイントは、「自律神経の働きそのもの」ではなく、「姿勢の変化にからだがどう反応しているか」をざっくり見るところにあります。あくまで目安ですが、自分のからだのクセを知るきっかけとして、簡単で有用な方法と言えるでしょう。
専門家が続ける「朝スイッチ」習慣で自律神経を整える
最後のトリセツは、「整えるカギは朝スイッチ」というテーマです。番組では、日本自律神経学会の専門家たちにアンケートを行い、「自分自身が普段から行っている自律神経ケア」を集めました。その結果、多くの医師や研究者が共通していたのは、「朝の過ごし方を大事にしている」という点でした。
代表的な「朝スイッチ」のコツとして、番組で紹介されたのは次のような習慣です。
・朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
・できれば起床してから数時間以内、午前中のうちにしっかり光を浴びる
・朝食では、卵や魚、肉、納豆、豆腐などのたんぱく質を意識してとる
・朝に軽くからだを動かす(散歩、ストレッチ、簡単な筋トレ)
・トイレの時間や朝のルーティンをなるべく毎日同じリズムにする
私たちの体には「体内時計」があり、強い光を浴びてからおよそ12~16時間後に眠くなるようなホルモンのリズムが動きます。
朝にしっかり光を浴びると、日中は交感神経が働きやすくなり、夜には副交感神経が高まりやすくなる。つまり、自律神経が本来持っている「昼は活動、夜は休息」という波に乗りやすくなるのです。
また、たんぱく質は神経伝達物質の材料になるため、朝にとることで、日中の集中力や気分の安定にも良い影響が期待されると一般的に考えられています。
番組では、朝ごはんの写真や、ベランダで日光を浴びる専門家の様子、トイレ・運動・歯磨きなど、それぞれが工夫している「自分なりの朝スイッチ」がたくさん紹介されました。
一気に完璧な朝を目指す必要はありません。
「まずは起きたらカーテンを開けて日光を浴びる」「朝に楽しみになる小さな習慣を作る」など、できることから始めるのがコツだと番組はまとめています。
まとめ:自律神経とうまく付き合うために
この回のトリセツショーは、見えない存在である自律神経を、「見る」「聞く」実験や、アクセルとブレーキのわかりやすい図、ゴロゴロ生活のデータ、立つだけチェック、そして朝スイッチの実践例を通して、ぐっと身近なものとして描き出していました。
大切なのは、「自律神経の乱れ」が単なる“悪者”ではないと知ること。
生活リズムやストレス、姿勢の変化に対して、からだを守るために必死で働いた結果として、乱れて見えることも多いのです。
だからこそ、
・自分のからだの反応を知る(立つだけチェック)
・昼は動き、夜は休むというリズムを意識する
・朝の光と朝ごはんで「朝スイッチ」を入れる
といった、毎日の小さな工夫が、長い目で見て自律神経を助けることにつながります。
もし強い立ちくらみや動悸、日常生活に支障が出るような不調が続くときは、番組でも触れられていたように、我慢せず医療機関で相談することがとても重要です。
自分のからだの声を無視せず、自律神経とうまく付き合っていく。その具体的なヒントが、ぎゅっと詰まった45分でした。
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