クリーミーな味わい!国産アボカド 〜愛媛・松山市〜|2025年3月9日放送
愛媛県松山市の興居島(ごごしま)で育つ国産アボカドが紹介されました。アボカドといえば輸入品が一般的ですが、実は近年、国内でも栽培が進んでいます。特に愛媛県と和歌山県では、温暖な気候を生かしたアボカドの生産が盛んになってきました。興居島は、美しい海と温暖な気候に恵まれ、アボカド栽培に適した環境です。この地域では、輸入品ではあまり見かけない品種も育てられています。さらに、国産アボカドの美味しさを生かした絶品レシピも紹介されました。
国内で急増する国産アボカドの生産
国産アボカドの生産量は、2014年にはわずか0.2トンしかありませんでした。しかし、2021年には22トンと110倍に増えています。この成長の背景には、輸入アボカドにはない国産ならではの魅力があります。輸入品の多くは「ハス」という品種で、皮が厚く輸送に適しています。一方、国内で栽培されているアボカドは、輸送には向かないけれど、よりクリーミーで濃厚な味わいが楽しめる品種が多いのです。
特に興居島では、「ピンカートン」や「フェルテ」といった品種が栽培されています。これらのアボカドは、濃厚な味わいとクリーミーな食感が特徴で、輸入品とは一味違った楽しみ方ができます。
17年間の試行錯誤!アボカド栽培の挑戦
興居島でアボカドを栽培している西原さんは、もともとはみかん農家でした。しかし、みかんの価格低迷を受け、新たな作物としてアボカドに目を向けました。松山市が農家にアボカドの苗木を配り、特産品としての可能性を広げようとしたのがきっかけです。
しかし、アボカドの栽培は決して簡単ではありませんでした。
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実がなかなかつかない
アボカドの花は、1/5000~1/10000の確率でしか実になりません。最初の6~7年はまったく収穫ができない状態が続きました。 -
受粉を助ける虫の力を利用
受粉を促すために農薬をやめる決断をしました。その結果、虫たちの働きで自然と受粉が進むようになり、ようやくアボカドが実をつけるようになりました。 -
カメムシの被害対策として袋がけ
農薬を使わなくなったことでカメムシの被害が増加しました。そのため、小さな果実のうちから袋で覆い、被害を防ぐ方法を採用しました。これにより、出荷量が大幅に増加しました。 -
猛暑対策としてスプリンクラーを改良
アボカドは大量の水を必要とするため、猛暑時には水やりが追いつかなくなることがありました。そこで、柑橘用のスプリンクラーを改良し、長時間水を与えられるようにしました。畑に傾斜があるため、大量の水を与えても根腐れせず、果実が大きく育つ環境が整いました。
こうした努力の結果、西原さんのアボカドはクリーミーで濃厚な味わいに仕上がるようになりました。収穫のタイミングは、ヘタの色が濃い緑からクリーム色に変化したときがベスト。樹上で熟成させることで、油分が増し、より濃厚な味わいになります。
国産アボカドの美味しい食べ方
国産アボカドは、輸入品よりも繊細な風味が楽しめるため、シンプルに食べるのが一番です。
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そのままスプーンですくって食べる
「フェルテ」はバターのような滑らかな舌触りで、何もつけずに食べても十分美味しいです。 -
食べ頃の見極め方
新鮮なナスのように少し弾力がある状態が食べ頃です。食べ頃を早めるには、りんごと一緒に保存するとエチレンガスの効果で追熟が進みます。
アボカドを使った絶品レシピ
アボカドをもっと美味しく食べるために、松山市の農家レストランオーナー・和田里美さんが、アボカドを使った料理を紹介しました。
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松山あげのアボカドロール
- 松山あげ(乾燥油揚げ)をさっと油抜きし、砂糖・しょうゆ・みりんで甘辛く煮る。
- 広げた松山あげに酢飯を乗せ、その上にスライスしたアボカドをのせる。
- 巻いて切れば完成。
→ 松山あげの甘じょっぱさと、アボカドの濃厚な油分が絶妙にマッチ!
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アボカドプリン
- 柔らかくなったアボカド、牛乳、みかんはちみつをミキサーにかける。
- ふやかしたゼラチンを加えて再度ミキサーにかける。
- 容器に入れて冷蔵庫で1時間冷やせば完成。
→ 柔らかくなりすぎたアボカドを美味しく活用できるスイーツ!
これからの国産アボカドの可能性
今回の放送では、新たな国産アボカドの可能性が紹介されました。西原さんは、オリジナルの新品種「ふくみ」を開発しました。この品種は、妻と孫の名前から名付けられた特別なアボカドです。
今後は「ふくみ」の木を増やし、3年後には全国に届けられるようにしたいと考えています。国産アボカドはまだまだ発展途上ですが、輸入品にはない濃厚な味わいやクリーミーな食感が魅力です。これからも、日本のアボカド栽培がどのように発展していくのか、楽しみにしたいですね。
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