大人のひとり暮らし 40〜70代お部屋拝見!快適空間のヒント
2025年7月16日放送のNHK「あさイチ」では、「大人のひとり暮らし」をテーマに、40~70代の方々が実践している心地よい住まい方や暮らしの工夫が紹介されました。番組では、快適な部屋づくりから、災害時の備え、人とのつながりまで、多彩な視点で単身生活のヒントが満載でした。
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40~70代のひとり暮らし、増加する背景と今の暮らし
近年、日本では単身世帯の増加が続いており、2024年には全国で約1900万世帯を超え、過去最多となりました。そのうち、40代から70代の中高年層のひとり暮らしが大きな割合を占めていて、今ではごく普通の暮らしのかたちとして社会にも定着しつつあります。特に女性のひとり暮らしは注目されており、SNSでは日々の暮らしの工夫を発信する投稿が人気を集めています。また、書店では40代以上の女性を対象にした「ひとり暮らしの楽しみ方」や「ひとり老後の備え」に関する本が多く並び、生活スタイルを見直す動きが広がっています。
番組ではこうした背景をもとに、「ひとり暮らしが快適になる工夫」を調査。その中でも、「◯◯をやめたら気持ちが軽くなった」「片づけたことで自由な時間ができた」といった声が多く寄せられました。単に物を減らすだけでなく、自分にとって必要なこと・そうでないことを見極めて、暮らし方を自分で選んでいく姿が印象的でした。
74歳の西條美佐子さんは、2年前に心臓病を患ったことをきっかけに、家の中のモノを大幅に整理。服や食器、本などを処分し、必要なものだけに囲まれたシンプルな生活へと移行しました。その結果、掃除もラクになり、体にも心にも余裕が生まれたといいます。53歳のようさんは、家事にストレスを感じていたため、「掃除道具の数を減らす」「こまめな洗濯をやめてまとめ洗いにする」といった工夫を実践。空いたスペースには大好きな観葉植物を置き、目で見ても癒される暮らしに変わりました。
一方で、64歳のチャコママさんは「片づけを無理にしない」という考え方で、自分のペースを大切にしています。ものが多少多くても、それが自分にとって必要なら無理に減らさない。先輩から聞いた「まあいっか」という言葉を思い出すことで、自分を責めることなく、リラックスした日々を送っているそうです。
このように、快適なひとり暮らしは、単にモノを減らすことではなく、自分に合った暮らし方を選ぶことから始まるということが番組全体を通して伝わってきました。
家事の負担を減らす「やめたこと」
ひとり暮らしの中で多くの人が悩むのが、日々の家事の負担です。時間や体力の問題もあり、すべてを丁寧にこなそうとすると疲れてしまいます。番組では、そうした負担を減らすために「何かをやめる」ことが逆に快適な暮らしにつながるという実例が紹介されました。
近藤春菜さんは、バスタオルを1回使ったらすぐ洗うという習慣をやめ、2回使ってから洗濯するスタイルに変更したそうです。これにより、洗濯の回数を減らすことができ、家事全体の手間も軽くなったと話しました。無理に完璧を求めるのではなく、自分なりの心地よい基準を作ることが、気持ちのゆとりにもつながっている様子です。
また、YOUさんは、自分ではもう着ない服を人にあげるようにしていると明かしました。ただ処分するのではなく、誰かに使ってもらうことで気持ちよく整理ができ、自然と人とのつながりも生まれているとのことです。服が減れば収納スペースにも余裕ができ、掃除もラクになります。
こうした小さな「やめる工夫」は、暮らし全体を少しずつ楽にし、自分らしく生きるための土台になります。完璧を求めず、自分の生活リズムや性格に合ったマイルールを作ることが、ひとり暮らしを心地よくする大きなヒントになっているのです。
好きなものに囲まれる部屋づくり
ひとり暮らしの醍醐味のひとつは、自分の「好き」に素直になれることです。番組では、自分らしい空間を楽しむ実例として、2人の女性が紹介されました。
41歳のマチコさんは、1Kのアパートで愛犬と一緒に暮らしています。部屋の中には、心を和ませてくれるお気に入りの雑貨を集めた棚があり、それが彼女の癒しの空間になっています。物の量は必要最低限におさえられているため、掃除も短時間で済み、日々の生活に余裕が生まれています。マチコさんは、自分の感じたことや思ったことを「自分会議ノート」に記録しており、そのノートは、部屋づくりと心の整理の両方に役立っているそうです。
一方、56歳のきんのさんは、母の介護などで老後の計画が大きく変わったことをきっかけに、自宅を「自分らしい場所にしたい」と考えるようになりました。思いきって部屋の壁を自分の好きな色に塗り替え、既存の家具も組み合わせてDIYで空間を変化させていきました。こうした工夫により、通常のリフォーム費用の6割ほどの予算で、満足度の高い部屋が完成。部屋全体にきんのさんの個性が反映され、毎日が楽しくなるような場所になっています。
好きな色、好きな雑貨、好きな過ごし方。それぞれの「好き」を素直に取り入れることで、自分自身を大切にできる空間が生まれ、心も安らぐひとり暮らしが実現している様子が伝わってきました。
もしもの備えと一人で生きる安心感
ひとり暮らしを続ける中で、避けて通れないのが病気や災害といった“もしも”への備えです。番組では、自分のことは自分で守るという意識を持ち、日常の中で無理なく備えている人たちの実例が紹介されました。
74歳の西條美佐子さんは、2年前に心臓病を患った経験から、もしもの時の準備を始めました。入院になったときに自分が運べない可能性も考え、キャリーバッグに入院グッズをまとめて保管。必要な衣類や洗面道具、書類などをすぐに持ち出せる状態にしています。また、防災グッズとしては、コートにもリュックにもなる多機能な防災アイテムを常備し、避難時にも対応できるよう備えを整えています。
41歳のマチコさんも、1年前に子宮筋腫の手術を経験したことがきっかけで、自分の暮らしを見直すようになりました。防災リュックを用意し、いざという時の連絡先や医療情報などもまとめたエンディングノートを記入。自分が倒れたときや入院することになった場合でも、家族や周囲の人が迷わず対応できるようにしています。
こうした備えは、ただ「不安だからする」のではなく、自分を大切にするための行動として受け止められていました。番組スタッフも、今回の取材を通して全員が実際にエンディングノートを書いてみたとのことで、日常の中にこそ備える意識を持つことの大切さが再確認されていました。
安心感を持って暮らすには、先回りして準備することが力になります。ひとり暮らしだからこそ、必要なものを整え、もしもの時にも落ち着いて行動できるようにしておくことが、穏やかな生活を支える土台になると感じさせられる内容でした。
人とのつながりが支える暮らし
ひとり暮らしというと孤独を感じやすいイメージがありますが、実際には周囲とのちょっとしたつながりが大きな支えになっていることも多いです。番組では、地域の人とのふれあいや、ささやかな人間関係を上手に取り入れている例が紹介されました。
41歳のマチコさんは、毎日の犬の散歩を通じて、自然と近所の人たちと知り合いになりました。挨拶から始まった関係が、次第に深まり、野菜をおすそ分けしてもらったり、体調の悪いときに声をかけてもらったりと、日々の安心感につながっています。暮らしの中に「話せる相手」がいることで、何気ない日常が少しずつ明るくなっているようです。
64歳のチャコママさんは、大きな病気を経験した際に、職場の人たちからたくさん励まされたといいます。物理的な助けよりも、言葉の支えや気持ちの寄り添いが心強かったと感じており、人のあたたかさが生きる力になったことが伝わってきます。
また、番組では視聴者の工夫として、配達サービスとの連携も紹介されました。週に2回、牛乳を届けてもらっているという方は、もし牛乳が玄関先に残っていた場合は「何かあったのでは」と気づいてもらえるよう、配達員に事前に伝えているとのことです。こうしたちょっとした仕組みも、ひとり暮らしを続けるうえでの安心につながります。
人とのつながりは、特別なイベントや大きな付き合いでなくても、日々の暮らしの中で自然に生まれ、生活にあたたかさを加えてくれるものです。ひとりであっても、完全に孤立しないための小さなつながりを持つことが、安心して暮らすための大切な要素であると伝わってきました。
自由な暮らしに潜む喜びと責任
番組の最後には、「ひとり暮らしとは?」という質問に対して「自由」「自分のままでいられる」「好きなものに囲まれて生きられる」という前向きな声が寄せられました。洗濯機を手放して手洗い生活にしたという人もいれば、コインランドリーをうまく活用している人も。性別を問わず、男性バージョンも取り上げてほしいという声も多くありました。
今回の特集は、物を減らす、好きなことを取り入れる、備えをする、地域とつながるといった、ひとり暮らしのさまざまなヒントに満ちた内容でした。それぞれが自分らしく暮らす姿は、多くの人の参考になりそうです。
次回の あさイチ 夏に急増!コバエ最新対策/今が旬!おいしい桃の見分け方
ソース
NHK番組公式サイト(あさイチ)
https://www.nhk.jp/p/asaichi/ts/KV93JMQRY8/
ひとり暮らしの心を満たす「お気に入りスペース」のすすめ
自分だけの読書空間をつくってみる
リビングや寝室のすみに、小さな読書専用のコーナーをつくると、ひとりの時間がぐっと豊かになります。たとえば、背もたれが心地よい椅子と、手元を照らすライトをそろえるだけで、その場所が自分だけの特別な空間になります。オットマンを添えて足を伸ばしたり、読みかけの本を並べられるサイドテーブルを置けば、ますます使いやすくなります。お気に入りの本と一緒に、静かに過ごすひとときが、毎日の気持ちのリセットになります。
コーヒーを楽しむ“私だけのカフェコーナー”
キッチンの一角や棚の上など、ほんの小さなスペースでも、コーヒーやお茶を楽しむための「カフェコーナー」をつくることができます。コンパクトなドリップスタンド、好きなカップ、ガラス瓶に入れた豆や茶葉、そしてちょっとした飾り。これだけで気分が変わります。朝の一杯を丁寧にいれるだけで、その日がちょっといい一日になりそうな気がします。“ひとり時間を味わう”という視点で、小さな場所を演出する工夫は、心に余裕をもたらしてくれます。
窓辺や壁ぎわを活かしたくつろぎ空間
部屋が広くなくても大丈夫です。窓辺やちょっとした壁際に、収納ベンチやクッション、照明を置いてみるだけで、くつろぎの場が生まれます。天気のよい日はそこに座って外を眺めながらお茶を飲んだり、手紙を書いたりするのも素敵です。座るだけでほっとする場所がひとつあると、毎日の生活にメリハリが生まれ、気持ちが落ち着きます。無理に片づけたり飾ったりしなくても、“ここが好き”と思えるコーナーがあるだけで安心感が生まれます。
このように、自分のために用意した「お気に入りスペース」があることで、ひとり暮らしの時間がより大切なものになっていきます。誰かのためではなく、自分が心地よくいられる空間をつくることは、年代を問わず、大人の暮らしにとってかけがえのない楽しみのひとつです。
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