むせ・口臭・歯に挟まるのは衰えのサイン?40代から始めるオーラルフレイル対策
2025年6月24日放送のNHK『あさイチ』では、日常で感じるちょっとした口の違和感に注目。「歯に挟まる」「むせる」「口臭が気になる」などの小さな変化が、実は“オーラルフレイル(口の衰え)”のサインかもしれないと紹介される予定です。今回は、セルフチェック方法や予防のためのケア、役立つアイテムまで幅広く取り上げられます。放送後、詳しい内容が分かり次第、最新の情報を更新します。
オーラルフレイルとは何か?
オーラルフレイルとは、「かむ」「飲み込む」「話す」などの口の機能が、少しずつ弱っている状態のことをいいます。完全に機能が低下したわけではなく、健康な状態と不健康な状態の間にある、いわば“気づかれにくい初期段階”です。
この状態は、日本老年歯科医学会が提唱しており、特に中年以降の人が早めに意識すべき口の変化として注目されています。たとえば、今まで普通に食べられていたものが食べにくくなったり、ふとしたときにむせてしまったりといったことが、その兆しです。
次のような変化が、オーラルフレイルのサインとされています。
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歯の数が少なくなってきた(抜けたままの歯がある、義歯を使っている)
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硬いものを食べると疲れる、噛みにくいと感じる
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お茶や汁物などでむせやすくなった
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口の中が乾きやすく、話していても違和感を覚える
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滑舌が悪くなった、言葉がはっきり出てこないと感じる
このような症状が2つ以上当てはまる場合は、オーラルフレイルの可能性が高まります。
たとえば、歯が減ってかみ合わせが変わると、噛む力が弱まるだけでなく、食べ物をうまくすり潰せなくなり、飲み込む動作にも影響が出てきます。食事中にむせるようになると、水分の摂取を控えがちになり、さらに口の中が乾きやすくなるという悪循環にも陥ります。
また、唾液の分泌が減ると、食べ物が飲み込みにくくなるだけでなく、口臭の原因になったり、舌の動きが悪くなって滑舌が悪くなったりします。このように口の中の機能は、少しの変化が全体に影響するという特徴を持っています。
さらに、この状態をそのまま放置すると、全身の健康にも悪影響が出てくるとされています。噛む力が低下すると食事の量や内容が偏りやすくなり、栄養不足や低栄養につながるリスクも高まります。実際、近年の研究では、口の衰えが全身のフレイル(身体の虚弱)やサルコペニア(筋肉の減少)を引き起こす原因の一つとも言われています。
特に注意したいのが、40代以降からこの兆候が始まるケースも多いという点です。中高年になってから、「むせやすくなった」「硬いせんべいを食べるのがしんどい」といった変化を自覚した人は多く、都道府県単位での調査でも、40代のうちにオーラルフレイルのリスクを指摘される人が増えてきているそうです。
つまり、オーラルフレイルは高齢者だけの問題ではなく、中年期からすでに始まっている“見えない衰え”です。症状が軽いうちに気づいてケアを始めれば、口の機能を保ち、将来の健康寿命をのばすことができる可能性があります。小さな変化を見逃さず、自分の口と向き合うことが大切です。
気づかれにくい口の変化にも注意
日常の中でなんとなく感じている違和感や小さな変化。実はそれが、口の機能が弱まり始めているサインかもしれません。オーラルフレイルは、はっきりとした痛みや異常が出るわけではなく、自覚しにくいまま進行することが特徴です。
たとえば、以前は普通に食べられていた煎餅やフランスパンなどの硬いものが噛みにくくなったと感じたことはありませんか?これも、かむ力が低下している証拠かもしれません。
また、食事中に歯のすき間に物がよく挟まるようになったという変化も、歯ぐきの痩せや歯の並びの微妙な変化によって起こることがあります。歯ブラシで取るのが当たり前になっている人もいますが、それが習慣になっているなら一度見直すサインです。
さらに、お茶や汁物を飲んだときにむせる場面が増えてきたという人は要注意。飲み込むための筋力やタイミングをコントロールする機能が衰え始めている可能性があります。加齢とともに飲み込み機能が落ちると、食べ物や飲み物が気管に入るリスクが高くなり、誤嚥性肺炎のきっかけにもなり得ます。
普段の会話でも、「最近なんだか言葉がもごもごする」「うまく発音できていない気がする」といった滑舌の変化が起きていることもあります。これも口まわりの筋力低下や舌の動きの鈍さが関係しています。
また、口臭が気になるようになったというのも大切なポイントです。唾液の量が減ると、口内の自浄作用が弱まり、菌が増えやすくなるため、においの原因にもつながります。同時に口の乾きも進行しているかもしれません。
これらの変化は、1つだけでは「年齢のせいかな」と流されてしまうこともありますが、
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硬いものを食べにくい
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歯に食べ物が挟まりやすい
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飲み物でむせる
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滑舌が悪くなった
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口臭や乾きが気になる
このような症状がいくつも当てはまる場合は、すでにオーラルフレイルの兆しが始まっている可能性があると考えられます。
今のうちに、簡単な体操や食生活の見直し、口の中のケア習慣を取り入れることで、口の健康を長く保つことができます。年齢にかかわらず、日々の気づきが予防の第一歩になります。
自宅でできるセルフチェックとケア方法
オーラルフレイルは、早めに気づいて対処すれば、自分で改善したり予防したりできる状態です。特別な器具や時間が必要なわけではなく、日々のちょっとした行動の積み重ねで口の健康は守ることができます。
まず取り入れたいのは、口のまわりの筋肉を動かす体操です。たとえば、「ウー」と唇をすぼめてから「イー」と口角を引き上げる動きを交互に繰り返すと、頬や口の周辺の筋肉が自然と鍛えられます。これを1日2回、各10回ほど意識的に行うと効果的です。
また、「パ・タ・カ・ラ」と声に出して発音する“パタカラ体操”は、発音に必要な唇、舌、のどの筋肉をまんべんなく刺激します。声に出すだけの簡単な運動ですが、飲み込む力や滑舌の改善につながるといわれています。
口の開閉運動もおすすめです。口を大きく開けた状態で10秒間キープし、10秒休むというトレーニングを1日数回続けることで、口を開ける力や持久力を養うことができます。テレビを見ながらでもできるので、毎日の習慣に取り入れやすいです。
食生活でも工夫ができます。たとえば、柔らかいものばかりではなく、根菜やナッツ、干物など、噛みごたえのある食材を意識的に取り入れることがポイントです。咀嚼回数が増えると唾液も自然に出て、口内環境が整いやすくなります。
また、水分をしっかりとることも忘れずに。とくに加齢とともに唾液の分泌が減るため、こまめな水分補給が口の中をうるおし、食べ物の飲み込みを助け、口臭の予防にも役立ちます。
口内の清潔も大切です。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを併用して歯と歯の間も丁寧に掃除するようにします。さらに、舌専用のブラシで舌苔(ぜったい)を取り除くと、細菌の繁殖を抑え、口臭対策にもつながります。
そして、定期的に歯科医院を受診し、プロの目で確認してもらうことも大事です。違和感がなくても、口の中は見えにくいため、自分では気づきにくいトラブルが進行していることもあります。半年〜1年に1回の検診を習慣にしておくと安心です。
特に、「食事中にむせることが多い」「飲み込むのが遅くなった気がする」「しっかり噛めない」といった人は、のどや舌の筋力が落ちているサインかもしれません。このような人は、上記の体操に加えて、のどの持久力を高める発声練習や、舌を上あごに押しつけるトレーニングなどを加えると、飲み込む力の回復が期待できます。
日々の生活の中で、無理なく取り組めることから始めることが、オーラルフレイル予防の近道です。口の機能が衰えてからではなく、違和感を覚えたその日から、小さな一歩を積み重ねていくことが大切です。
口臭対策におすすめの飴とは?
口臭が気になるときに、手軽にできる対策の一つが「飴」を活用することです。飴はただ口の中をさっぱりさせるだけでなく、唾液の分泌を促し、乾燥を防ぐ効果も期待できます。特に、成分やタイプに注目して選ぶと、より効果的に口臭ケアができます。
たとえば、キシリトールが配合された飴は、虫歯の原因菌の働きを抑えると同時に、咀嚼や舐める動作によって唾液の分泌を促進します。唾液は、口の中を清潔に保ち、臭いの原因となる細菌の増殖を抑える重要な役割を担っています。特にシュガーレスのキシリトール飴は、虫歯のリスクを避けながら口臭対策もできるためおすすめです。
また、強いミント系の飴は、清涼感のある香りが長時間持続し、口臭を一時的にカバーしたいときに役立ちます。来客前や外出時に気になる場合に、バッグに一つ入れておくと安心です。メントールやユーカリ成分が配合されているものは、口の中をさっぱりさせる効果も高いです。
さらに、舌苔(ぜったい)除去タイプの飴も注目されています。飴の表面にざらつきがあることで、舌の表面を自然にこすり、臭いのもととなる舌苔を物理的に取り除く働きがあります。専用の舌ブラシを使うのが難しい人でも、日常的に使いやすいのが魅力です。
もう一つの選択肢として、フィトンチッドと呼ばれる植物由来の消臭成分を配合した飴もあります。これらは単に香りで臭いを隠すのではなく、口臭の原因物質を化学的に分解する働きが期待されるタイプです。自然派の消臭対策を探している人にも向いています。
飴を選ぶ際に大切なのは、「砂糖不使用であること」や「唾液の分泌を助ける成分が含まれていること」です。甘すぎる飴や砂糖を多く含むタイプは、逆に虫歯や口内環境の悪化を招くこともあるため注意が必要です。
口臭は一時的なものではなく、日々の習慣や口の健康状態と密接に関わっています。だからこそ、飴も「おやつ」ではなく、「予防ケアの一部」として上手に取り入れることで、口の中のうるおいと清潔を保つ習慣につながります。口の乾きを感じたときや外出時など、生活の中で活用していくとよいでしょう。
口の衰え対策に役立つアイテムも紹介予定
番組では、日々のセルフケアを助けてくれるオーラルフレイル対策のアイテムもいくつか紹介される予定です。こうした道具は、自宅でのトレーニングに取り入れやすく、短時間の使用でも効果が期待できるものばかりです。
たとえば、あげろーくんMメディカルは、口を開けたり閉じたりする運動を補助するためのアイテムで、軽くくわえるだけで口まわりやあごの筋肉に刺激を与えることができます。1日10分ほど続けることで、普段あまり意識しない表情筋や口を動かす力が鍛えられるため、食べる・話す・笑う力の維持に役立ちます。
また、カムカム エムディは、やや硬めの素材でできた咀嚼トレーニング用のアイテムです。歯で噛むという動作を繰り返すことで、かむ力の低下を防ぎ、あごの筋力を保つ目的で使われます。子どもから高齢者まで使える仕様で、テレビを見ながらや休憩中など、手軽に続けやすいのが特長です。
さらに、スマイリーエクササイズという小型のトレーニング器具は、口角を持ち上げる動きをサポートしてくれるもので、笑顔の維持にも効果があるとされています。口角や頬の筋肉を使うことで、表情も明るくなり、滑舌の向上にもつながるといわれています。コンパクトで保管にも困らず、デスクや洗面台にも置きやすいです。
舌の筋肉を強化する目的では、舌トレーナー(Tongue Trainer)のような器具もあります。これは、舌を上あごに押し当てたり前に出したりする運動をサポートするもので、嚥下(飲み込む力)の低下予防や発音の明瞭さの維持に役立ちます。シンプルな形で、習慣化しやすいのもメリットです。
さらに、デジタル機器を使ったTongueometer™(タングオメーター)というアイテムも注目されています。こちらは、舌の力を測定しながらトレーニングできるバイオフィードバック型の器具で、筋力の推移を可視化できるという点でモチベーションを保ちやすいのが特長です。アプリと連動するタイプもあり、管理しながら継続的に取り組むことができます。
これらの器具はすべて、1日10〜15分程度の使用でOKとされていて、テレビを見ながら、朝の支度中、または就寝前のちょっとした時間でも手軽に使えるように設計されています。どれも「大がかりな器械ではなく、日常に溶け込む道具」という点で共通しており、口の機能を自然な形で守るための心強い味方となります。放送後には、これらの具体的な使い方や効果についての紹介も期待されます。
いまオシ!LIVEは山梨県・北杜市から
生中継では、山梨県北杜市から「ブロッコリースプラウト」が紹介される予定です。ブロッコリースプラウトは、がん予防成分「スルフォラファン」を多く含み、健康志向の方に注目されています。手軽に取り入れられ、サラダやスムージーにするのもおすすめです。
みんな!ゴハンだよ 料理は上田淳子さん
料理研究家の上田淳子さんが担当する「みんな!ゴハンだよ」では、口の衰えにも優しいメニューが登場する見込みです。噛みやすさや飲み込みやすさを意識しながら、味も栄養も満点の家庭料理が紹介される予定です。
放送後には、紹介されたトレーニングやアイテム、レシピの詳細も更新します。40代から始められる口の健康づくり、今のうちにチェックしておきましょう。
情報提供・参考文献リンク
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