香り立つ『蒸しマーボー豆腐』でセロリの風味を楽しむ
中華料理の定番“マーボー豆腐”が、蒸すことでこんなにもやさしく生まれ変わるとは驚きです。合いびき肉のうま味と、セロリのさわやかな香りが絶妙にマッチ。炒めずに蒸すことで、油をほとんど使わずに仕上がるので、胃にも軽く、食べ疲れしない一品です。
ポイントは、セロリの“葉”も無駄にせず使うこと。蒸すことで青臭さが抜け、ほのかな苦みと香りが加わり、全体の味に深みを出してくれます。さらに仕上げにラー油をたらすと、香ばしい香りが立ちのぼり、ピリッとした辛味が全体を引き締めます。粉ざんしょうを軽くふれば、大人っぽい風味が加わって、まるで専門店の味わいに。
ヘルシーなのに食べごたえがある理由は、木綿豆腐の力。水を切ってからちぎってのせることで、豆腐が肉のうま味をしっかり吸い込みます。蒸している間に味がなじみ、まるで煮込んだようなコクが生まれるのです。夕食のメインはもちろん、作り置きしてお弁当のおかずにもぴったり。冷めても味がぼやけず、しっかりとした風味が残ります。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| セロリ(筋を除き粗みじん切り) | 80g |
| セロリの葉(みじん切り) | 少々 |
| 合いびき肉 | 80g |
| 木綿豆腐 | 150g |
| ラー油 | お好みで |
| 粉ざんしょう | お好みで |
| しょうが(すりおろし) | 小さじ2 |
| みそ | 小さじ1~2 |
| 酒 | 小さじ1 |
| オイスターソース | 小さじ1 |
| トーバンジャン | 小さじ1/2 |
作り方
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合いびき肉を耐熱容器に入れ、セロリと調味料(しょうが・みそ・酒・オイスターソース・トーバンジャン)を加えてよく混ぜる。香りを出すため、調味料は最初に全体に行き渡らせるのがコツ。
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木綿豆腐の水けをペーパーで軽く取り、手で大きめにちぎって上にのせる。小さくしすぎると崩れるため、ほどよく形を残して。
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鍋または深めのフライパンに水をたっぷり入れ、ぬらしたせいろをセット。せいろがなければ蒸し器でもOK。
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容器ごとせいろに入れ、強めの中火で10〜15分間蒸す。蒸しすぎると豆腐が固くなるので、香りが立ち始めたら頃合い。
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蒸し上がったらセロリの葉を散らし、好みでラー油と粉ざんしょうをかけて完成。
冷蔵庫に残ったピーマンやねぎを加えてもおいしく、具材の応用が効くのも魅力です。蒸し上がった時に立ちのぼる香りが、まさにごちそう。忙しい一日の終わりにほっとする味わいです。
デトックスにもぴったり『大根と白菜の梅流し』
次に紹介するのは、昔ながらの知恵が生きる和の一品『大根と白菜の梅流し』。胃腸を整える効果が期待できる梅干しを主役に、だしのやさしい香りでまとめた、体の内側からすっきりできるレシピです。
“梅流し”とは、古くから日本に伝わる食養生の方法のひとつ。断食明けや、食べ過ぎてしまった翌日に食べることで、腸を整えるといわれています。そこに白菜を加えることで食感とボリュームを出し、さらに体を温める効果もプラス。井澤由美子さんらしい、現代の食卓に合わせたアレンジが光ります。
蒸すことで梅干しの酸味がやわらぎ、大根の甘みとだしのうま味がじんわりと溶け合います。口に運ぶと、酸っぱすぎず、やさしい塩味と香りが広がり、思わず「ほっ」と息をつくような癒やしの味。お腹の中から温まるような感覚があり、冷えが気になる季節にもぴったりです。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 大根(皮ごとスライサーで薄切り) | 100g |
| 白菜(食べやすく切る) | 100g |
| 梅干し(塩分15~20%) | 大2個 |
| だし(かつおと昆布) | 200~250ml |
作り方
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耐熱容器に大根・白菜・梅干し・だしを入れる。梅干しは軽くつぶしておくと味がなじみやすい。
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深めのフライパンの底にふきん(化学繊維は避ける)を敷き、水をたっぷり注ぐ。
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(1)の容器をふきんの上にのせ、ふたをして強めの中火で10〜15分蒸す。
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蒸し上がったら、梅干しを崩しながら全体を混ぜる。味を見て、塩気が足りなければ少しだしを足してもよい。
温かいまま食べるのはもちろん、冷ましても味が落ち着いておいしいのが特徴。食後のスープ代わりや、夜食にもぴったりです。だしを多めにすれば、あっさりとした梅スープとしても楽しめます。お好みでしょうがのすりおろしを加えると、体をさらに温める効果がアップします。
井澤由美子さん流 “蒸し料理”の魅力
どちらのレシピにも共通しているのは、「蒸す」という調理法が持つやさしさ。煮る・焼くよりも素材の持つ水分と香りを活かせるため、調味料を少なめにしてもおいしく仕上がります。また、蒸すことで余分な脂を落とし、素材本来の味わいを引き出すのも魅力です。
井澤由美子さんのレシピは、誰でも挑戦できるシンプルさと、家庭の健康を思いやる深い味づくりが特徴。特別な材料を使わず、いつもの食材で旬を楽しめる工夫がいっぱいです。蒸すだけで、食卓がふんわり温かくなる——そんな“蒸し料理の魔法”を感じられる2品です。
まとめ
この記事のポイントは次の3つです。
・『蒸しマーボー豆腐』はセロリの香りと肉のうま味が絶妙なヘルシー中華
・『大根と白菜の梅流し』は胃腸を整えるデトックスメニュー
・どちらも10〜15分の蒸し時間で完成する、忙しい人にうれしい時短レシピ
冷えや疲れを感じた時、蒸し器から立ちのぼる湯気と香りに包まれるだけで、心までゆるむような心地よさがあります。
この冬は、火を使いすぎずに作れる井澤由美子さんの“蒸しごはん”で、やさしく自分を温
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