Eテレ【チョイス＠病気になったとき】ぼうこう炎 最新治療・予防情報｜放置リスクと女性に多い理由・耐性菌・間質性ぼうこう炎｜2025年12月21日

トイレの悩みを我慢しないで　ぼうこう炎を正しく知る45分

このページでは『チョイス＠病気になったとき（2025年12月21日放送）』の内容を分かりやすくまとめています。
トイレが近い、排尿のたびに下腹部が痛む。よくある不調のようでいて、放っておくと危険につながるのが『ぼうこう炎』です。番組では、なぜ起こるのか、どう治すのか、どう防ぐのかを最新の知見で整理し、さらに治りにくいタイプまで含めて解説します。知っているつもりで知らなかったポイントを押さえることで、無理に我慢しない選択ができるようになります。

ぼうこう炎とは何か　症状と放置するリスク

ぼうこう炎は、尿をためる膀胱に細菌が入り込み、内部で炎症が起きている状態です。多くの場合、尿道から侵入した細菌が膀胱内で増殖することで発症します。尿路感染症の一つで、特別な病気ではなく、誰にでも起こり得る身近なトラブルです。
症状としてよく見られるのは、トイレが近くなる頻尿、急に強い尿意を感じる状態、排尿時のしみるような痛み、下腹部の重たい違和感などです。尿が白く濁ったり、血が混じったりすることもあり、普段と違う変化に気づく人もいます。
これらの症状は我慢してやり過ごせてしまうこともありますが、放置すると問題が大きくなります。膀胱内の感染が広がると、腎臓まで炎症が及び、腎盂腎炎など重い状態になることがあります。発熱や強い痛みを伴うケースもあり、日常生活に大きな影響が出ます。軽い症状のうちに対処することが、結果的に体への負担を減らすことにつながります。

ぼうこう炎が起こる原因と女性に多い理由

ぼうこう炎の原因で最も多いのは細菌感染で、特に大腸菌が関与するケースが目立ちます。大腸菌は腸内にいる身近な細菌ですが、排便後の拭き方やトイレ周りの環境などをきっかけに、尿道口へ移動することがあります。そこから膀胱まで入り込むことで炎症が起こります。
女性にぼうこう炎が多い理由は、体の構造にあります。尿道が男性より短く、肛門に近いため、細菌が膀胱まで到達しやすいのです。さらに、疲労がたまっている時や水分摂取が少ない状態、トイレを我慢する習慣が続くと、尿の中で細菌が増えやすくなります。
そのほか、性交渉、妊娠や更年期によるホルモンバランスの変化、糖尿病などもリスクを高める要因とされています。体質だけでなく、生活のリズムや体調の変化が重なって発症する点が特徴です。

治療の基本　抗菌薬治療と耐性菌への注意

細菌が原因の急性ぼうこう炎では、抗菌薬による治療が基本となります。医療機関で検査を受け、症状や状態に合った薬を処方してもらうことで、多くの場合は短期間で症状が落ち着きます。
ここで重要なのは、症状が軽くなっても処方された期間はきちんと服用を続けることです。途中で服用をやめてしまうと、細菌が完全に排除されず、生き残った菌が薬に強くなる可能性があります。これが『耐性菌』につながります。
耐性菌が増えると、次にぼうこう炎を起こした時に同じ薬が効かなくなり、治療に時間がかかることがあります。余っていた抗菌薬を自己判断で使うことや、他人の薬を使うことも同様にリスクを高めます。重症化を防ぐためにも、正しい使い方を守ることが大切です。

難治性の間質性ぼうこう炎とは　特徴と治療の考え方

間質性ぼうこう炎は、細菌感染が確認されないにもかかわらず、膀胱の痛みや頻尿、強い尿意が長く続く状態です。一般的なぼうこう炎とは性質が異なり、尿検査をしても原因となる菌が見つからないことがあります。
症状の現れ方には個人差があり、軽い違和感が続く人もいれば、日常生活に支障が出るほどの痛みや頻尿に悩まされる人もいます。原因はまだはっきり解明されておらず、その点が治療を難しくしています。
治療では、症状を和らげることを目標に、飲み薬、生活習慣の見直し、骨盤底筋へのアプローチ、必要に応じて膀胱内への治療などが行われます。一つの方法だけで改善するとは限らず、状態に合わせて組み合わせていく考え方が基本になります。

日常生活でできる最新の予防法とセルフケア

ぼうこう炎の予防で大切なのは、尿を膀胱にため込みすぎないことです。こまめに水分をとり、尿量を確保することで、細菌が膀胱内に長くとどまるのを防ぎます。尿意を感じたら無理に我慢せず、早めにトイレに行くことが基本です。
排便後は前から後ろへ拭く、性交渉の前後に排尿するなど、細菌が尿道に入りにくい行動も再発予防につながります。体を冷やさないようにすることや、疲れをため込まない生活も、体の抵抗力を保つ助けになります。
一部ではクランベリーを取り入れることで再発リスクが下がる可能性も指摘されていますが、効果には個人差があります。刺激の強い飲み物を控えるなど、自分の体調に合ったセルフケアを続けることが、結果的に予防につながります。

忙しい毎日にひそむ　ぼうこう炎につながりやすい行動

しげゆき

ここでは、番組内容を補足する形で、日常の中で起こりやすい行動を具体的な生活シーンとして紹介します。特別なことではなく、多くの人が無意識にやってしまっている行動が、ぼうこう炎の引き金になることがあります。

朝から余裕がない日の水分不足

朝は身支度や家事、出勤・登校の準備に追われ、水分を取る時間を後回しにしがちです。コーヒーやお茶を一口飲んだだけで家を出てしまい、十分な水分補給をしないまま午前中を過ごすことも珍しくありません。その結果、尿の量が少なくなり、膀胱の中で細菌が流されにくい状態が続いてしまいます。

仕事や用事を優先してトイレを我慢する場面

会議や接客、作業が立て込んでいると、尿意を感じても「あと少しだから」と我慢してしまうことがあります。外出先でトイレが混んでいるのを見て、行くのを諦めてしまうこともあります。こうしたトイレを後回しにする習慣が続くと、膀胱に尿がたまり続け、炎症を起こしやすくなります。

移動中やデスクワークで起こりやすい落とし穴

長時間の移動中やデスクワークでは、席を立つのが面倒に感じ、水分を控えてしまうことがあります。ペットボトル1本で一日を乗り切ろうとしたり、集中するあまり何時間も座りっぱなしになることもあります。こうした状態が続くと、水分不足と排尿回数の減少が重なり、膀胱への負担が増えることになります。