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【NHKスペシャル】盆踊り 民族・宗教越えて広がる情熱の輪!新ジャポニズム5集|マレーシア5万人×宗教論争×郡上おどり×マツリダンス|2025年12月20日

NHKスペシャル
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世界でつながる盆踊りの輪

このページでは『NHKスペシャル 盆踊り 民族・宗教越えて広がる情熱の輪!新ジャポニズム第5集(2025年12月20日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
日本の夏の風物詩として親しまれてきた盆踊りが、いま世界各地で人々を結びつけています。マレーシアで5万人が集う世界最大級の盆踊り、ブラジルで進化した『マツリダンス』、そして岐阜・郡上で受け継がれてきた徹夜踊り。番組は、なぜ盆踊りが民族や宗教を越えて受け入れられるのか、その理由を現場の姿と歴史から掘り下げていきます。踊りの輪の中に入ることで生まれる一体感こそが、この文化の本質だと伝えていました。

盆踊りが世界に広がる背景と番組の問題提起

盆踊りは、もともと先祖の霊を迎え、送り、供養するための行事として日本各地に根づいてきました。起源は『念仏踊り』とされ、15世紀ごろから地域ごとに形を変えながら受け継がれてきました。輪になって踊る形式は、見る人と踊る人を分けず、初めて来た人でも自然に参加できます。番組は、この「誰でも輪に入れる」という特徴が、国や文化の違いを越える力になっているのではないかと問いかけます。宗教的背景を持ちながらも、同時に開かれた文化行事として機能してきた点が、世界で受け入れられる理由として示されました。

マレーシア発・世界最大級盆踊りの誕生と拡大

東南アジアのマレーシアでは、首都クアラルンプールで毎年大規模な盆踊りが行われています。始まりは1971年、クアラルンプール日本人学校の学校行事でした。お囃子の音に引き寄せられ、地元の人々が集まり、一緒に踊るようになったことが広がりのきっかけです。
1980年代に進められた『ルックイースト政策』によって日本への関心が高まると、会場は校庭からホッケー場へ、さらにサッカースタジアムへと拡大しました。2019年には3万人が参加するイベントとなり、コロナ禍を経た再開後は、参加者が5万人に達します。増え続ける来場者に対応するため、ショッピングモールで開催された年もあり、盆踊りはマレーシアの夏の風物詩として定着しました。花笠音頭に合わせ、マレー系、インド系、中国系など、さまざまな文化や宗教を持つ人々が同じ輪で踊る光景が映し出されました。

宗教か文化か マレーシアで起きた大論争

2022年、この盆踊りを巡って大きな議論が起こります。宗教問題担当の大臣であるイドリス・アハマド氏が、盆踊りには宗教的要素があるとして、イスラム教徒に参加を控えるよう勧告しました。マレーシアでは国民の約6割がイスラム教徒であり、この発言は大きな波紋を呼びます。
SNS上では、盆踊りを愛好するイスラム教徒も含め、「宗教行事なのか」「文化行事なのか」という論争が広がりました。開催地セランゴール州のスルタンであるシャラフディン・イドリス・シャー氏は、盆踊りは文化的な祭典にすぎないとの見解を示します。結果として開催は続けられ、論争そのものが人々の関心を高め、当日はコロナ前を上回る5万人が会場を埋め尽くしました。番組は、宗教と文化の境界に立つ盆踊りの複雑さと、それでも人を惹きつける力を丁寧に描いています。

研究者が探る盆踊りの本質と郡上おどりの歴史

マレーシアで盆踊りを研究している異文化コミュニケーションの研究者、シュハイダ・マド・ノールさんは、その本質を探るため日本を訪れます。向かった先は岐阜県郡上市の『郡上おどり』。日本三大盆踊りの一つで、30夜以上続く日本一ロングランの盆踊りとして知られ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
シュハイダさんは教え子のカヤトリ・マリムトゥさん、そしてマレーシアの盆踊りで出会ったイシャーニ・クリシュナサミーさんと共に、見よう見まねで踊りの輪に入ります。見知らぬ人同士が朝まで踊り続ける中で生まれる一体感。その背景には、江戸時代の百姓一揆という悲劇の歴史があり、新たに入った城主が人々の融和を図るため盆踊りを奨励したという経緯が紹介されました。午前5時、踊りが終わった後に残ったのは、強い連帯感でした。

ブラジルで進化した盆踊り「マツリダンス」の誕生

サンバの国ブラジルでも、盆踊りは独自の進化を遂げています。南部のロンドリーナで生まれたのが『マツリダンス』です。会場には櫓があるものの使われず、音頭ではなくJ-POPが流れます。サンバよりも踊りやすく、間違えてもいいという自由さが若者の心をつかみ、現在では40を超える街で踊られています。
この動きを広めたのが、日本文化の普及を行う団体 グルーポ・サンセイ。創始者の日系2世 ミチコ・シロマさんと、共に立ち上げた シズオ・フルカワさんは、日本の伝統に根ざしながらも、日系2世・3世が楽しめる形を模索しました。『ギザギザハートの子守唄』を流した盆踊りで若者が喜んで踊ったという話をきっかけに、生演奏で情熱的に踊るスタイルが生まれます。アニメをきっかけに日本文化に親しんだ フェルナンド・シルヴァさんのように、サンバのリズムで育った若者も参加し、踊りの輪は広がっていきました。

変化を受け入れてきた盆踊りのDNAと現在地

番組は、400年前に描かれた『風流踊り』の絵や、日本各地の事例を通して、盆踊りが常に変化を受け入れてきた文化であることを示します。大分や秋田ではキツネの仮装、着物をパッチワークのようにつなぎ合わせた衣装、子どもが喜ぶ歌の導入など、その時代に合った形が取り入れられてきました。
岐阜県郡上市白鳥町の『白鳥おどり』では、若者の参加によって曲調が速くなり、『世栄』は世界最速の盆踊りとも呼ばれています。変わり続けるからこそ、人々を引き寄せ続ける。その柔軟さと開かれた姿勢こそが、盆踊りのDNAです。民族や宗教、国境を越えて広がる情熱の輪は、いまも世界のどこかで新しい形を生み出し続けています。

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日本の盆踊りは世界でも珍しい「輪に入れる祭り」

しげゆき
しげゆき

日本で当たり前のように見かける盆踊りですが、その形は世界の祭り文化の中ではかなり特徴的です。櫓を中心に円をつくり、踊りを知っている人も初めての人も同じ場所に立ち、同じ動きを繰り返します。そこには踊り手と観客という明確な区別がなく、来た人が自然と輪に加わっていく構造があります。この「見ているうちに、気づけば参加している」流れそのものが、日本の盆踊りの大きな特徴です。

見る人と踊る人を分けない構造

多くの国の踊り祭りでは、舞台に立つ人と観客の役割がはっきり分かれています。一方で日本の盆踊りは、公園や校庭、街角の広場に櫓が立つと、その周囲に円が生まれ、そこがそのまま踊りの場になります。特別な衣装や準備は必要なく、浴衣でも普段着でも問題ありません。輪の外で見ていた人が、少しずつ内側へ入り、同じ動きをなぞることで、自然に踊り手の一員になっていきます。この構造は、世界的に見てもかなり珍しい形です。

初めてでも参加できる動きとリズム

盆踊りの振り付けは、繰り返しが多く、複雑な技術を必要としません。太鼓と音頭のリズムに合わせて、手や足を動かしていくうちに、動きが身体に染み込んでいきます。初めて参加した人でも、周囲の動きを見ながら真似をすることで、すぐに輪の流れに溶け込めます。踊りの完成度よりも、同じ時間と動きを共有することが大切にされてきた点が、盆踊りを参加型の文化として支えてきました。

人をつなぐために育ってきた祭りの形

このような構造があるからこそ、盆踊りは単なる「見せる行事」ではなく、人と人を結びつける場として機能してきました。年齢や立場、踊りの経験に関係なく、同じ円の中に立つことで、そこに一体感が生まれます。日本各地で形を変えながら続いてきた盆踊りは、参加すること自体が意味を持つ祭りとして育ってきました。その開かれた構造こそが、いま世界各地で受け入れられ、広がっている理由の一つになっています。


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