卵がぎっしり!旬のイイダコ〜香川・備讃瀬戸〜|2025年2月23日放送
香川県の瀬戸内海で今が旬のイイダコ。小さな体に卵がぎっしり詰まったイイダコは、煮つけをはじめ、さまざまな料理で楽しまれています。しかし、その漁獲量は年々減少し、今では20年前の100分の1以下になってしまいました。そんな貴重なイイダコの漁の様子や、最新の養殖技術、さらには絶品アレンジレシピまで、番組の内容を詳しく紹介します。
そもそもイイダコとは?どんな特徴があるの?
イイダコは、マダコの10分の1ほどの大きさの小さなタコです。その最大の特徴は、春先になると卵を抱えるメスが多くなり、体内にごはん粒のような卵がぎっしりと詰まること。この卵のプチプチとした食感と、タコの旨味が絶妙な味わいを生み出します。
・瀬戸内海で多く漁獲される
・体長10cmほどの小さなタコ
・メスの体内にはごはん粒のような卵がぎっしり
・煮つけ、天ぷら、酢の物など幅広い料理で楽しまれる
香川県では、このイイダコを使った料理が数多くあり、家庭でもよく食べられています。
香川・備讃瀬戸のイイダコ漁
イイダコの漁は、潮の流れが止まる「潮止まり」の時間を狙って行われます。潮が動いていると網が流されてしまうため、このタイミングが重要になります。底引き網漁が主流で、漁師たちは大きな網を海底に沈め、潮止まりの瞬間を見計らって網を引き上げます。
・底引き網の長さは約40メートル
・潮止まりの時間を狙って漁を行う
・1回の漁で獲れるのはわずか数匹
今回の放送では、高松市の市場を訪れたあと、漁師の男谷さんのもとを訪ね、実際に漁の様子を体験。網をゆっくり引き上げ、7匹のイイダコが獲れました。獲れる数が少ないため、市場に出回る量も限られています。
イイダコの煮つけの魅力
イイダコの定番料理といえば「煮つけ」です。香川県の居酒屋では、甘辛いタレでじっくり煮込んだイイダコが提供されていました。卵がぎっしり詰まった煮つけは、口の中でプチプチとした食感が広がり、タコの旨味がしっかりと味わえます。
・醤油、みりん、砂糖で甘辛く煮込むのが定番
・卵の食感が楽しめる
・柔らかくて噛みしめるほどに旨味が広がる
シンプルな調理法ですが、イイダコの美味しさを最大限に引き出す料理として人気があります。
イイダコが減少!守るための最新の取り組み
近年、イイダコの漁獲量は激減しています。20年前と比べて100分の1以下にまで減少しており、放っておけば香川のイイダコは姿を消してしまうかもしれません。そこで、香川県の水産試験場では、イイダコの完全養殖に取り組んでいます。
・世界初のイイダコ完全養殖に成功
・課題はエサの管理(生きたエビしか食べない)
・卵を産む親ダコの飼育に力を入れている
・今年の放流は前回の5倍に増やす予定
養殖の最大の課題はエサでした。イイダコは好きなものしか食べず、毎日同じものを与え続けるのが難しいそうです。しかし、研究を重ねた結果、エサの工夫によって安定した養殖が可能になりました。現在は親ダコの育成を進め、放流する個体数を増やすことで漁獲量の回復を目指しています。
イイダコの新感覚アレンジレシピ
料理研究家の山中さんが、イイダコを使ったアレンジレシピを紹介しました。定番の煮つけとは異なる、新しい味わい方が楽しめます。
・イイダコのジェノベーゼサラダ
- 墨袋を取り除く
- 塩でぬめりを取る(泡が出るまで揉む)
- 茹でて食べやすいサイズにカット
- ジェノベーゼソースと和える
ジェノベーゼソースの香りとイイダコの食感がよく合い、さっぱりとした味わいです。
・ヤンニョムいもたこ
- にんにくとイイダコを茹でる
- その間にヤンニョムソースを作る
- 茹でたイイダコと里芋を加え、煮詰める
ピリ辛のヤンニョムソースがイイダコにしっかり絡み、ごはんが進む味付けです。
どちらの料理も簡単に作れて、イイダコの新しい美味しさを楽しめるレシピです。
まとめ
香川県のイイダコは、卵がぎっしり詰まった今が旬。漁獲量が減少していますが、完全養殖の取り組みが進み、未来へつなぐ努力が続けられています。煮つけはもちろん、サラダやヤンニョム風味にアレンジしてもおいしく楽しめます。
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