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【うまいッ!】毒を持つ未利用魚が地域の宝に変わる瞬間!三重・鳥羽の“食べて守る”プロジェクト——アイゴの臭み対策・加工品開発・環境再生の今|2025年7月13日放送

うまいッ!

海を守れ!やっかいものをごちそうに〜三重・鳥羽市〜

「毒があるのに、食べるとおいしい」——そんな意外な魚、アイゴが主役です。2025年7月13日(日)放送のNHK「うまいッ!」では、三重県鳥羽市を舞台に、海の環境問題を解決しながら地域の味としても注目されているアイゴの魅力に迫ります。今回の記事では、放送前にわかっている情報をもとに、アイゴの特徴や地域の取り組み、加工品の工夫などをまとめました。放送終了後には、番組で紹介された料理やレシピなども追加予定です。

ヒレに毒あり、でも味は高級魚並み

毒のあるトゲに要注意

アイゴは見た目はおとなしい魚ですが、背ビレ・腹ビレ・臀ビレに鋭くて毒のあるトゲ(毒棘)を持っています。この毒は、生きている間だけでなく、死んだ後も残るため、取り扱いには十分な注意が必要です。刺されると、強い痛みや腫れが数時間〜数日続くこともあり、しびれや関節の痛みなどの症状が出ることもあります。実際に漁師や釣り人の中には、処理中にトゲに刺さって病院に行くケースも報告されています。

しかし味は一流クラス

そんな危険なトゲを持つアイゴですが、身はタイやヒラメにも負けないほど上質な白身です。特に、しっかりとした歯ごたえと旨みがあり、淡白でクセがないのが特長です。きちんと処理を行えば、刺身や煮付け、塩焼き、唐揚げ、干物など幅広い料理に使える優秀な食材となります。三重県や和歌山県、長崎県などの西日本では高級魚として取り扱われることもあり、地元の料理店でも季節のおすすめとして出されることがあります。

見た目とのギャップも話題に

アイゴは灰色っぽい地味な色合いで、体形もやや平べったく、見た目からは高級魚とは思えません。ところが実際に食べてみると、まろやかな甘みとふくよかな食感があり、そのギャップに驚く人も多いそうです。漁業関係者の中には、「もっと知られてもいい魚だ」として、ブランド化を目指している地域もあります。

このように、「危ない魚だけど、食べると絶品」というアイゴの特徴は、扱い方さえ間違わなければ大きな価値を持つことがわかります。見た目と中身のギャップが話題となり、今では食のプロたちにも注目される存在になっています。

なぜ環境対策になるの?

磯焼けを引き起こす魚、アイゴ

アイゴは雑食性の魚で、特に海藻を好んで食べる習性があります。岩場や沿岸に生えるホンダワラ類やアラメ、カジメなどの重要な海藻を食べ尽くすことで、周囲の藻場がどんどん消えてしまいます。この現象を「磯焼け」と呼び、藻場が失われて海底が茶色くむき出しになる状態が広がっています。

藻場はただの海藻の集まりではなく、小魚や貝、甲殻類などが育つゆりかごのような場所です。そこがなくなると、魚の産卵や成長の場が奪われてしまい、漁業にも大きな影響を与えるのです。

食べることで数を減らす新しい発想

こうした状況を受けて、三重県鳥羽市ではアイゴの数を減らすために「駆除するのではなく、食べる」ことを選びました。これが「食べて海を守る」という発想につながっています。漁師や料理人、地元の行政が協力し、アイゴを新たな食材として価値づけする取り組みが進められているのです。

海を守ると同時に地域の資源にも

アイゴを食べることで、藻場が回復しやすくなり、磯焼けの進行を食い止めることができます。そのうえで、本来なら捨てられていた魚を地域の食文化として活用することもでき、環境と経済の両方にプラスの効果をもたらしています。さらに、アイゴの活用が進むことで、地元の漁業者や飲食店にとっても新たな収入源になる可能性が広がっているのです。

このようにアイゴは、「食べることで海の自然を守ることができる珍しい魚」として注目されており、環境保護と地域づくりの新しい形を示す存在になっています。

臭み対策とおいしくする工夫

魚のクセを減らすための下処理技術

アイゴは昔から独特なアンモニア臭や海藻のような風味があることで、食用として敬遠されがちでした。でも最近では、地元の漁師や料理人たちが、さまざまな工夫でその臭みを減らす技術を磨き、一般の家庭でも使える方法として広がっています

以下は、特に効果があるとされる主な方法を表にまとめたものです。

対策方法 内容
活き締め 水揚げ後すぐに締めて、神経や血の流れを止め、内臓もすぐに取り除くことで、臭みの原因を抑えることができます。
血抜き エラの部分を切ってしっかり血を抜くことで、アンモニア臭や生臭さの原因を大幅に減らすことができます。これは家庭でも可能な処理です。
皮の除去 アイゴの皮のまわりに臭みが集中しているため、思い切って皮を剥ぐことでぐっと食べやすくなります。三重県ではこの処理が標準になりつつあります。
加工時の工夫 ハーブやチーズといった香りが強くて風味のよい素材で包んで調理する方法もあります。香ばしさが加わり、食欲もアップします。

家庭でも実践しやすい工夫が進んでいる

これらの下処理や調理の工夫は、プロだけでなく、一般家庭でも簡単に取り入れられる方法として普及が進んでいます。たとえば、釣った直後に血抜きしてクーラーボックスで冷やすだけでも、数時間後の臭みがかなり違うとされています。

このように、正しい処理をすれば、これまで“におう魚”として扱われていたアイゴが、ふつうに食卓に並ぶおいしい魚に変わるということが、実践を通じて証明されつつあります。漁師と料理人の知恵によって、“やっかいもの”から“ごちそう”へと変わったのです。

魚食イベントや加工品も登場

地元で広がる「食べて海を守る」活動

三重県鳥羽市では、環境対策としてのアイゴ活用だけでなく、実際に食べてもらうことを通じて、その価値を広めようという取り組みが行われています。そのひとつが、地元漁協や県が中心となって開催した「アイゴフェア」です。

このイベントでは、銀餡がかかった定食や、刺身、フライといった多彩な料理が提供され、来場者からは「普通の白身魚と変わらない」「ふっくらしていて意外においしい」といった声が集まりました。これまであまり知られてこなかったアイゴが、味でも好評価を受け始めているのです。

家庭向け加工品も続々と登場

イベントだけで終わらず、アイゴをもっと身近に感じられるようにと、家庭でも取り入れやすい加工食品の開発も進んでいます。

商品例 特徴
冷凍ハーブフライ 香ばしい衣とハーブの風味で臭みを感じにくくなっており、お弁当やおかずにぴったりです。温めるだけで手軽に食べられるのも人気の理由です。
チーズ巻きフライ チーズのコクと衣のカリッとした食感で、子どもでも抵抗なく食べられる味わいになっています。魚が苦手な人にもおすすめです。
缶詰・パスタソース(開発中) 将来的には長期保存ができる缶詰や、アレンジしやすいパスタソースとしての展開も予定されています。これが実現すれば、より多くの人が日常的にアイゴを楽しめるようになります。

食べ方の選択肢が広がることが環境保全につながる

こうした商品は、スーパーや生協、直売所などでも取り扱われはじめており、買いやすさ・調理のしやすさが重視された設計になっています。おいしく食べてもらうことが、結果的にアイゴの漁獲と消費を促し、藻場の回復や海の環境を守ることにもつながっていくという仕組みが、少しずつ形になってきています。

これからますます増えていくであろう加工品のラインナップに注目が集まっています。

放送で紹介されるかもしれない注目ポイント

・毒のあるヒレをどう扱っているのか
・アイゴを使った新しいレシピや調理法
・地域の飲食店がどんな風に提供しているのか
・加工品開発の舞台裏

放送後には、これらの情報も加えて記事を更新予定です。見逃した方や、料理に取り入れてみたい方にも役立つ内容をお届けします。


放送予定
NHK総合「うまいッ!」
2025年7月13日(日)11:30〜11:54放送

出演者
司会:天野ひろゆき、塚原愛
出演:本田剛文


情報元(参考リンク)
図鑑坊主
dangerous-creatures.com
TSURINEWS
生活協同組合コープ自然派
PR TIMES
海ごて MIE
牛深水産株式会社
写真から探せる魚図鑑

放送終了後には、番組で紹介された料理やコメントなども追記しますので、お楽しみに。

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